骨髄バンクに登録していた私が骨髄提供した話10
骨髄バンク 『ドナーの健康が優先』
という姿勢
骨髄バンクを介して骨髄提供の準備を進めていた私。
2回に分けて自分の血液を採っておき、骨髄採取後の貧血予防対策もできたのであとは、入院を待つのみです。
入院前日には新型コロナのPCR検査をするために病院へ行きました。
結果はその日のうちに出て、コーディネーターさんから明日予定通り入院になると聞いた時は心の底からホッとして、今まで健康に気をつけた日々が報われた気持ちでした。これで患者さんに骨髄を渡せる。すごく嬉しくてやる気満々です。
実は実家の父は、私がドナーになることに少し反対というか、不安というか、手放しでは賛成できない気持ちだったそうです。
父は全身麻酔のリスクについて特に不安に思っていたようです。
『お前がやらなきゃだめなの?ほんとにやるのかぁ…』と言っていました。
私は『この患者さんには私の骨髄が合うってことがわかってて、私も提供したいと思ってるからやるね。』と改めて伝えました。
今までコーディネートを進める中で、骨髄バンクの姿勢というものを強く感じてきました。
それは、ドナーの健康を損なってまで移植を進めないということです。
それぞれの検査には厳しい基準値があり、それをクリアしないとコーディネートはそこで終了なんです。
いくら患者さんが求めていても、ドナー自身にどんなに提供への強い気持ちがあってもです。
骨髄の採取や末梢血幹細胞の採取は医療行為なので、100%安全とは言えないし、合併症も少なからずあります。
でも私は、ここまでしっかりとしたドナーの健康優先で安全第一の仕組みがあるのだから、ここは今の医療を信じよう、任せようと思えました。