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CRESTシンポジウムが開催されました(有楽町国際フォーラム)

JSTが主催するCRESTシンポジウムが11月1日に有楽町国際フォーラムで開催されました。本CREST「未踏探索空間における革新的物質の開発(未踏物質探索:北川総括)」では大変ありがたいことに2つのプロジェクトに参画させていただいております。

NIMSの岩崎先生がチームリーターをつとめる「科学者の能力を拡張する階層的自律探索手法による新材料の創製」では計測インフォマティクスの技術を活用して、マルチモーダル・マルチスケールの放射光解析をさせていただいております。様々なビームラインを活用しながら、包括的な物性の理解を目指したもので、ホイスラー合金の磁気機能に対して、自動的な解析や埋もれた情報の抽出を行っています。

東大の松田先生がチームリーダーをつとめる「2次元ホウ素未踏マテリアルの創製と機能開拓」でも計測インフォマティクスの技術を活用して、ホウ素化合物の電子状態の自動解析技術を開発しています。特に新世代の放射光源NanoTerasuをいち早く活用し、データ科学との融合によって未踏物質の高速解析をする点がとてもエキサイティングです。

いずれのプロジェクトも共通して「研究者に気づきを与える」新たなデータ解析技術の創出を目指しています。解析により物質を深く理解して、次のステップの材料創製にフィードバックを促していく新技術の開発となります。それぞれのミッションは異なりますが、目指すところは同じで研究者を次のステージに進化させる、重要な役どころに思っています。チーム間の仲もよく、切磋琢磨しながら時に冗談を交わしながら、日々の開発を進めております。北川総括の本CREST領域は全体的に雰囲気が良く、未踏のものづくりを目指す点で皆が一生懸命に頑張っているように思います。

基調講演では、その他にTOYOTAから計測インフォマティクスに関する話題、そしてSPring-8/JASRIからは先端放射光源に将来展望について講演がありました。本シンポジウムでは、計測にフォーカスがあてられており、埋もれた物性をどのように検出し、材料として価値のある情報を獲得するかに焦点があてられてたと思います。旧来の計測科学では、構造解析やスペクトルの単純解析で仕事が済んでいましたが、昨今のデータ科学やロボット技術の隆盛によって、その先を見る(診る、視る、顕る?)ことが必要なのだと改めて実感しました。このように計測インフォマティクスは今が最もホットな時期で、物質観の変革期にあると思われますが、その開発の中心部にいることを実感して身が引き締まります。我々も次のパラダイムに向けて頑張ろうと思います。

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