APACCの面接対策って何すればいいの?
事例審査、筆記試験をクリアすればいよいよ最終関門、面接です!でも面接ってどんなこと聞かれるの?何を準備すればいいの?という方は多いのではないでしょうか。ここでは私の体験談を交えつつ、準備事項についてご紹介していきます。あくまで主観ですので、その点はご承知おきください。
面接の意味
そもそもなぜAPACCの試験には面接があるのでしょうか。これは私の推測ですが、10例という限られた数では「受験者の人柄が読み取れないから」ではないかと思っています。人柄はキャラクターという意味だけでなく、どのような信念を持って患者さんと関わっているのか、そんな一面も見られているのではないかと考えています。そのため、「自分が何のために認定を目指しているのか」「患者さんにどのように貢献していきたいのか」という基本に立ち返りながら面接対策してみてくださいね。
復習ポイント
JASPOの試験情報のページには以下のように記載されています。
つまり、難しく考えることはなく、
①どのような患者さんで(患者背景)
②どのような点に注意してモニタリング・説明を行い(レジメンの理解)
③何を考えながら介入したのか(介入時の考察)
この流れを整理しておくことが基本ということになります。
①患者背景
「既往歴や併用薬を丸暗記しておけ!」という意味ではありません。がん治療に関わる部分を押さえておけば十分で、介入の判断材料になるような情報を言えるようにしておくことが大切です。例えば以下のような点は整理しておくとよいと思います。
・過去の治療歴(何次治療なのか、前治療は何か)
・遺伝子変異情報
・がん治療に影響する既往歴(糖尿病等)
・患者さんのキャラクター(心配性、あまり薬を好まない等)
治療歴は前治療の影響の考慮という意味で把握しておくべきだと思います。ただし、薬局では正確な情報を得られないこともありますので、聞かれたら正直に話した上で、標準治療から推測できることを考えながら対応していることが伝われば不可にはならないかなと感じます。遺伝子情報も同様で、把握できている範囲で答えられればよいと思います。
②レジメンの理解
サポート事例の中にすべてのエピソードを記載できているわけではないですよね。そのためか、私は記載していない有害事象の発現状況や対応について聞かれました。事例中のレジメンの代表的な有害事象は再度整理し、発現状況がどうだったか確認しておきましょう。
もし、患者さんの訴えがあった有害事象に介入しただけで他のことを考えられていなかった・・・というのであれば、それは本来は認定にふさわしい対応とは言えません。きちんと反省して、事例を提出した時点よりも今は成長していることが伝わるように勉強しておきましょう。
③介入時の考察
事例中に介入根拠が記載できていない場合はガイドライン等を再度確認しておきましょう。また、エビデンスに基づいた対応であっても「その患者さんにとってベストな判断だったか」という自分の中での考察を説明できるようにしておくことが大切だと思います。
例えば、私は「悪心に対してオランザピンを提案した事例」で、「2.5mgスタートは考えませんでしたか?」という質問を受けました。エビデンスがあるのは5mgだけれども、患者さんの状態を考慮した判断ができていたのか問われたのだと思います。「ガイドラインに記載されているから」だけでは不十分で、「エビデンスをもとに自分の頭でどう考えたのか」という点が大切なのだと感じました。
本番に向けての準備
上述のポイントを復習したうえで、本番に向けて準備しておくべきポイントをまとめていきます。
①ネット環境・Zoom操作の確認
近年は対面ではなくZoom面接です。安定したネット環境かつ外野がうるさくない場所を確保しましょう。Zoom操作ですが、私の受験した2022年度は画面共有はなく、マイクとカメラの操作ができればOKでした。変更になる可能性もゼロではありませんので、事前の案内をきちんと確認してくださいね。
②1分間の要約
質問される事例は2例のことが多いようです。面接官より「1分で説明してください」と言われますので、概要を紹介できるようにしておきましょう(1分半、2分と言われた方もいるそうなので、面接官により若干の差はありそうです)。
まとめ方に正解はありませんが、私は最初に大事なことを全部言う作戦で、「基本情報(年齢、性別、がん種、レジメン)」を言ったあと、「〇〇について介入した事例です」と冒頭に述べてから、発現時期・Grade評価・介入等の詳細を時系列に沿って説明しました。
手元に事例を印刷したものは用意できますので、見ながら説明して大丈夫です。ですが、書き込みは禁止されていますので、見なくてもある程度言えるように練習しておくことをお勧めします。
③簡潔に述べる練習
面接時間は10~15分程度と限られています。質問されたらダラダラと回答せず、簡潔に述べることを意識しておくとよいでしょう。緊張すると言葉数が多くなりがちですが、「聞かれたことを端的に答える」というのは医療現場における鉄則ではないかと思います。面接官も他にも聞きたいことがあるのに、こちらがいつまでもボールを返してくれなかったらイラっとしますよね。コミュニケーション力も見られていると思っておきましょう。
まとめ
面接だと思うと自分の合否が気になって緊張してしまいますが、自分の介入について他の方から意見をもらえる貴重な時間でもあります。患者さんのことをたくさん思い出して臨んでいただき、有意義な時間を過ごしてほしいです。頑張ってください!