
月氷るころ、何よりも先に何よりも深く
わが家には年齢はともあれ、わたしと
濃ゆき時間を過ごす小さくて弱い子どもがいます。
人並みに大きく成長した子もいます。
彼らはことあるごとに
「それからね」「これみてみて」を連呼していて
わたしの反応や聞いてくれているかを
いつも確認しています。
赤ちゃんはミルクを飲むこともおむつ替えも
自分ではできないからいろいろな人に
手をかけてもらい、気にかけてもらって
大きくなります。
しっかり笑って、びっくりして、よく泣き
気持ちにふたをしないで感情をまるごと出します。
小さくて弱いわが子のお腹をさすり
寝かしつけながら、丸めた手のグーを見ると
この子がこれから経験するであろう喜びや悲しみや
悔しさを、限りなく想像してしまいます。
誰も気にかけてくれないからと
くじけてしまわないように
孤独を感じないように友達との楽しい輪に入り
大事にされていることを知ってほしいのです。
好きなことは自分を大事にすることに
つながってゆきます。
好きなお菓子を食べて好きなゲームをして
好きなサッカーで走りまわり
ゆっくりお風呂に入って汗を流したら
やさしい気持ちになれる本を持ってベッドに入ります。
大事にされた記憶を手繰り寄せながら
自分を知り自分を扱えるようになってくれたらと
思う日々です。

繊細で透き通っていて…壊れやすい。
思いきり、ひかりと風と遊ぶ子たちも
洗濯物を畳むわたしの横で静寂を聞く子も
愛される前に愛します。
ことばにならない何だろう、まるでわたしの気持ちが
ぽかぽかしてくるようないちいちが記憶になり
誰にもゆずれない宝物になり、そうやって
わたしのこゝろはじゅわーっと満たされてゆきます。
月も解けるほどに
愛される前に愛します。
してあげられることは限られているから。
*****
「今日はほんとうに楽しかったね」
こんなごほうびみたいなことばをくれるかなあ。
あんな風に叱らなければよかった・・・
正解のない子どもの育て方は自信がないから
いつだって子どもと一緒に育ち合っている気がする。
「母だからといって偉いわけじゃない。
母だってあなたたちから、はなまるがほしいのよ」
小さなお泊り旅行を計画しました。
子どもたちと行ってきます。