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従業員持株会に加入するメリット・デメリット・活用法を15年以上加入している経験者が語ってみた
お勤めの会社に従業員持株会はありますでしょうか?
私が勤務している会社にはそれがあり、私も15年以上毎月拠出し続けています。
従業員持株会は非常に魅力があるかもしれません。
大好きな勤務先の会社の株が値上がりしたらいいなぁとか
会社からもらえる奨励金(5%?10%?)がおいしいなぁ
勤務先の株が値上がりしたらいろんなものが買えるなぁ。
いろいろと夢がふくらみますよね?
ところがですよ・・・。
もし株価が下がったりするとボーナスが下がったうえに株式が含み損!
という事態も大いにありうるわけです。
しかも、会社の重要なことがらというのは私のような下っ端の社員には外部よりも耳に入らないものです。
こういう状況下で従業員持株会に入るのはデメリットなのかもと思ったから、そうではありません。
いろいろといいところと悪いところがあるわけなんですよね。
この記事では、従業員持株会に加入するメリットデメリットやどう活用していけばいいのかについて考えてみたいと思います。
従業員持株会とはなんでしょうか
どんな制度?
従業員持株会はどのような制度でしょうか。
従業員持株会は、上場企業の従業員の福利厚生の一環として設けられている制度です。
毎月のお給料から希望の金額を天引きされ毎月決まった日に決まった金額勤めている会社の株式を買い付けていきます。
企業側、従業員側のメリットは以下のとおりで、お互いがウィンウィンな制度であるとされています。
会社側のメリット
反旗を翻さない安定株主を確保することができる
社員の忠誠心を高めることができる
従業員側のメリット
買い付けやすいように小額から投資ができる
株価の上昇に伴う資産の増加が期待できる
どのようにして積み立てる?
毎月のお給料を天引きして買い付け
積み立ての方法は、毎月支給されるお給料から天引きされてその金額分の株式(小数点第4位くらいまで細かく)買い付けていきます。
決算期にも常に積み立てが行われます。
従業員持株会で定期的に株式を買い付けるのであれば決算期等に疑われるインサイダー取引の心配もありません。
配当金も現金でもらえるのではなく、税引き後の金額を買い付けされます。
ボーナス時には増額もできる
ボーナスは通常の月の倍額を積み立てる場合があります。
ですので、普段から高額の積み立て設定をされている方はボーナス時の積み立てなどでおもったよりも株式が増えていることも。
引き出し方
通常:証券口座に引き出して売却
毎月コツコツと積み立てて念願の単位株(証券取引所で売買できる株数。
100株や1000株単位の場合が多いです)分の株式がたまったら売却することができます。
この場合、会社の持株会を管理している証券会社の口座を開いてそこに移して自分が売りたいときに売却することができます。
インサイダー取引の恐れがあるため決算期には売却の規制がありますから気をつけてくださいね。
持株会退会の際に買い取ってもらう
またこれからは積み立てない、あるいは退職する場合には脱会の際に時価で買い取ってもらえます。この方法はある意味イレギュラーなので通常は上記の証券会社に引き出して売却で行われます。
従業員持株会のメリット・デメリット
メリット
働く側の私たちが従業員持株会に加入することにどのようなメリットがあるのでしょうか。
会社側にもメリットがあることなので私たちにもさまざまなメリットがあります。
奨励金がもらえる
まず一番のメリットですが会社から株式購入のための奨励金がもらえることです。
各企業によって異なりますがおおむね5〜10%の奨励金がもらえることが多いです。
毎月1万円買い付けるとします。奨励金の割合が10%の場合毎月11,000円で買い付けます。
毎月1,000円で1年間では12,000円ですから結構馬鹿にはできません。
資産が財形なんかより増える「かも」
自社株に投資しますのでもちろん相場の荒波にもまれます。
荒波と書くと悪いことばかりのイメージがありますが、逆に一気に株価が上がる場合もあります。
そのような状況では一気に資産が倍になるとかはありえますし、そうでない場合も上昇相場の場合ですと利率が誤差みたいな財形貯蓄よりも儲かります。
配当も投資される
従業員持株会で買い付けた株式にももちろん配当がもらえます。
ただ、これは現金ではもらえません。
配当から所得税を引かれた残りを毎月の資金とは別に自社株を買い付けます。これを「再投資」とよびます。
ドル・コスト平均法によりコツコツ積立ができる
毎月毎月同じ金額をコツコツ買い付けますので株価が高い場合には少しの株数を、低い場合は多くの株式を自動的に買い付けていきます。
その結果一括で株式を買うよりも価格が平均化します。これを「ドルコスト平均法」といいます。
一括投資と比べて「得」といわれる場合がありますが、賛否両論ありますので必ずしもそうではない場合もあると思っておいた方がいいと思います。
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デメリット
自分の勤務している企業と資産が一心同体になる
もちろんメリットばかりではなくデメリットもしっかりあります。
一番のデメリットは「自分の勤務している企業と資産が一心同体となる」点です。
自社株への投資は業績が良いときには株価も上がり、お給料も上がりますが逆に業績が悪くなると株価も下がり、お給料も下がってしまうので会社の業績と自分の資産が連動してしまいます。
これでは自分の大事な資産を守ることはできません。
不祥事等で暴落→資産がた減り
株価は上がったり下がったりするものです。
ところが、企業の不祥事があると株価は暴落し、長年コツコツと買ってきたのに残ったのはごくわずかの金額の株だけになってしまう可能性もあります。
また、リストラされてしまった場合には資産と職がダブルで失うことにもつながりかねません。
このパターンとしてあげられるのが東京電力やシャープ、そして東芝などの企業があげられます。
これらの企業はすべて事故、不祥事、そして業績悪化により株価が大幅に下がってしまいまったのはよくご存知のことと思います。
しかも誰もが知っている「超大手企業」のため社員側も忠誠心が高く、一心同体になりがちです。
そのような状況下での暴落ですので持株会で多くの株を保有している社員の方の損失は大きいものではなかったかと思われます。
さらに東芝では事業譲渡によって本体から切り離された場合はさらにお給料もさがってしまうことも考えられますので職は失わないとしても資産と給与のダブルパンチになってしまうことは十分に考えられます。
私の従業員持株会の利用法
いろいろとメリットデメリットを書きましたが、その特性を理解していれば奨励金もあるしお得な制度であると思います。
もちろん私も従業員持株会に入っていますのでどのように買い付けているかを少しご紹介したいと思います。
月額1万円ポッキリ
まず、投資金額は毎月1万円のみです。
インデックスファンドに投資するお金と比較するとごくわずかですが、自社株に取れるリスクはあまりないと思っていますので1万円のみ投資しています。
ただ最近は勤務先の株価が上昇したため次にご紹介する単位株に引き出すスパンが長くなってきていますので、金額アップを検討しています。
単位株になると引き出して売却
積み立てて念願(笑)の単位株となった暁には・・・・さっさと引き出して売却しちゃいます。
現在のところ損になったことはないのですが、取れるリスクの最大値は1単位株のみと思っていますのでまとまれば即売却しています。
そこでもうかったおカネはインデックスファンドへと改めて投資していくための資金となっています。
幸運にも私が勤務している会社の株価が上昇していますのでそのつどありがたく利益を確定させていただきました。
損をしていても粛々と売っていきます。
私の個人資産に持株会の資産は入れていません。
そのため簿価に振り回されることなく現金化し、その資金をインデックスファンドの購入ができます。
また、奨励金が10%ありますので10%程度では損はしていないですので次の投資先への種銭としても最適です。
さらに、リスクも毎月の投資金額がまとまったとしても限定されるので便利に活用させてもらっています。
年間に半年は売れない
デメリットの項目でもお話しさせていただきましたが、社内ルールによりインサイダー取引のおそれがあるため、1年のうち半分程度は売却できません。
また、それ以外の時も会社に書類を書かなければならないので結構大変ですので粛々と現金化しています。
私が平社員で自社株を持たなければならないプレッシャーがないのも幸いしています。
出世を目指す人にはおすすめできません
ちなみにこの方法、出世を目指す方にはおすすめすることはできません。
なぜなら従業員持株会での保有株式数は出世するための一つのファクターになるからです。
自社株をもっていること=会社に忠誠心をもっていること
となりますので、ないよりもあった方がいいに決まっています。
ですので、私がご紹介した1単位で即売却という方法は出世を目指す方にはおすすめすることはできませんのでご注意くださいね。
まとめ
メリットデメリットがいろいろあるしめんどくさいけどおいしい従業員持株会ですが、上場企業に勤務されている方でこの制度がある場合ほどほどに投資されると便利だと思います。
会社から奨励金がもらえますし、少しの金額でコツコツ会社が買い付けてくれますので無理のない金額、引き出し計画をもって自社株に投資してみてはいかがでしょうか。
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