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♯28 特別展 雪舟伝説(京都国立博物館)
「この絵どうやって描いたの?」 突然わきあがった疑問
雑誌かネットか忘れてしまったのだけど、たまたま目に入った雪舟(水墨画家)の記事に釘付けになった。雪舟の代表作である『天橋立図』についての解説だったのだが、おどろいたのは次のこと。記事ではなく、京都国立博物館の解説を引用させていただく。
現実にこの景観を一望できる場所はないため、恐らくは現地で行った複数の写生を後に組み合わせて一枚の実景図に仕立てたとみられる。不揃いの紙を継ぎ合わせた下絵で、別に本画が存在した可能性があるが詳細不明である。画家を示す落款印章もないが、その重厚な筆致と卓越した画面構成力、緻密な描き込みが、異色ながら特別に力のこもった雪舟自筆本であることを強く示唆する。
『天橋立図』は京都府宮津市にある日本三景のひとつ「天橋立」を描いたもの。航空写真をヒントに描かれたような絵だ。
しかし、雪舟が生きたのは室町時代。航空写真を撮影する技術はないはずだ。また、一望できる場所もないらしい。それゆえ、なぜこの絵が描けたのかわからないそうだ。
…ということを読んで、驚いたのだ。
実は私はかなりの歴史音痴。日本史の授業はさぼりまくっていたので、基本的なことすらほとんどわかっていない。恥をさらすと、雪舟がいつの時代の人なのかも知らないくらいだった。だから余計に衝撃。
しかも、この絵は20枚程度の小さな紙をつぎ合わせているというではないか。下図だったのではいわれているそうだが、これらの情報を知って途端に興味がわいた。
という経緯があり、SNSやYouTubeでちょこちょこ雪舟の情報を見ていたとき、知ったのが京都国立博物館のこの特別展。
特別展 雪舟伝説―「画聖(カリスマ)」の誕生―
ということで、この特別展に行ってきました。ちなみに「画聖」って「がせい」って読むらしい。非常にすぐれた画家を意味するそうだ。
久しぶりの京都国立博物館は相変わらず美しかった
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京都国立博物館(京都市東山区)は、私にとってなじみ深い場所。幼いころ、父方の祖母がよく連れてきてくれたのだ。祖母は油絵を描く人だったので、展示を見たあと、ここでよく絵を描いた。そのときから美しい場所だと思っていたけど、さらに洗練されて居心地がよくなった気がする。
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「なんであの絵を描けたのか」という疑問から興味が生まれたのと、自分が歴史&アート音痴という自覚があるのとで、迷わず音声ガイダンスを利用。私がお世話になったのは、このアプリ。アプリ内課金をするのだけど、一定期間リピート再生ができるので、私のようなアート初心者には最適かもしれない。ちなみに、「特別展 雪舟伝説」のナレーションは山寺宏一さんが担当されている。これがほんとに楽しかった! 聞きやすいのはもちろん、解説が記憶に残るのだ。おすすめです。
その絵を見た瞬間、胸が苦しくなって泣きそうになった
雪舟と、自称後継者と名乗った画家たちの絵がたくさん展示されていたのだが、この絵を見た瞬間、胸がきゅーっとして、息苦しくなり泣きそうになった。
自分でもワケがわからなかったのだが、感動した…のかな、たぶん。一筆一筆がとても力強く、迫ってくるものがある、と思ったのだが、なぜこれほど反応したのかは言語化できない。とにかく圧倒されたし、雪舟がなぜこれほどに評価され続けているのか、なんとなくわかったような気になった。
雪舟は風景をただ描いたのではなく、想像力を最大限ふくらませて人を感動させる絵にしたーそのような解説があったと思うのだけど、とても心に残った。これはライターが必ず持っていなければならない要素だからだ。雪舟ほどの才能がある人でも、中国にわたって時間をかけて修行したのかと思うと、気が引き締まる。
美術館に行くと20分ほどで見終わるようなタイプだったのに、この日は2時間くらいかけてじっくり鑑賞。平日なので人があまりいないのがラッキーだった。
後悔は、もっと調べてから見ればよかったということ。特に『慧可断臂図(えかだんぴず)』は調べておくべきだった。知らずに見るのもいいのだが、きちんと知って見るのも必要。次からは事前にリサーチしよう。
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このあと、三十三間堂に行ってから、京都駅まで歩いて帰宅。そう、京都駅から京都国立博物館までは歩いていくのもいい。徒歩20分ほどだけど、素晴らしい景色にたくさん出会えるので、おすすめです。
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今日もお読みくださりありがとうございました。
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