5万人から1千人へ
戦後直後の養子縁組新規受理数が4万5千組あったのが、急速に減少し平成の時代には1千組(許可件数を見ると令和1年には677組)になってしまいました。 養子をもらって家を継ぐという考え方が,戦後もろくも崩れています。戦前までの家族観は何だったのだろうか、戦前までの家制度が廃止になり、新しい家族観に見事に変わってしまったのです。それまで無理をして家制度を守っていたのでしょうか。この急激な変化の評価については、判断を皆様にお任せしたいと思います。
この流れとは別に、期待しなかった妊娠によって生まれた子どもを保護する必要から、特別養子制度が昭和63年にスタートします。この制度は家庭裁判所の審判を経て養親の子どもとなるもので、パーマネンシーを大切にする考え方から、国も1千件を目標に掲げています。2019年度は普通養子677件まで減少したのに比べて、特別養子は717件に達しています。家制度は見事に廃れていきましたが、自分の子どもが欲しいという感情が根強いことが分かります。これは人の本性に基づく感情なのでしょうか。
【参考】 血縁関係にない子どもを普通養子に迎えるには、家庭裁判所の許可が必要です。
再婚相手に子どもいて親子関係を法的に結ぶには、養子縁組の届け出が必要ですが、区市の戸籍窓口に届ければ済みます。従って、この家裁の統計グラフは他人の子どもを縁組した件数になります。
青葉紘宇
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