社会的養護の分野のコストは?
コストのことは複雑で担当部署の人以外、分からない世界です。手元に日本財団のコストについて調べた「子どもの家庭養育のコスト構造に関する調査報告書(2017年7月)」がありましたので、その一部を使わせて頂きます。
社会的養護の経費は4分野に大別して考えてみることができます。
a 児童相談所や都区の担当部署の経費
b 施設整備関係の経費
c 事業費〈子どもの一般生活費など〉、
d 事務費(職員の人件費、施設の運営など)
aとbは外からは簡単には分かりませんし、今回のテーマから外れます。施設に係る経費としてはcとdに着目しました。
細部を見ていくと内容が複雑で積算できなくなるので、措置費全体の金額を措置児童数で割ってみました。図表の通りです。
子どもの生活費は、基礎的部分では生活保護の金額を参考にしている節が見えます。個々の子どもには塾に通う経費など、きめ細かく経費が付くようになっています。
事務費は職員の人件費が高い分野です。最近は配置基準が6:1から4:1に方針が替わるなど、事務費を巡る環境が大きく変わりつつあります。
入所施設の種別毎に見ると、子ども1人当たりの経費に相当の差があるように見えます。このコラムでは経費の多寡を比較するつもりはありません。
決して経費の安いことを以って良しとする考えもないことをお断りしておきます。それぞれの役割が違うからです。
青葉紘宇
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