三十路の上海留学28日目

10月6日(日)上海留学28日目

 今日も今日とて、言語交換相手(そういえば名前をつけていなかった・・・花。)と言語交換をする。

 1時集合予定だったけど、まあ定刻には来ないやろうと身構えていたら、案の定12時40分に連絡がある。
 「ごめん、時間配分ミスった」
 「1時30分」
 「でいいですか」
 めっちゃ細切れに連絡がくる。
 「烘干机」
 「あ、乾燥機?が1時20分まで掛かるって」
 彼女は日本語ペラペラなので、日本語でそう来た。
 寮の乾燥機には、蓋に「我是烘干机!(僕は乾燥機だよ!)」と書いてあるので烘干机はこちらも知っていると分かるだろうに、慌てているのと優しさが綯交ぜになった名文であった。

 というわけで、13時45分集合でOK、と連絡して、13時42分に寮の1階で飲み物を買っていると、彼女から声をかけられた。
 花は「この自販機(カップで提供される自販機。SUNTORYが担当していると日本人会で知り合ったSUNTORYの人が言ってた。「いっぱいのめ」と言われたのでいっぱい飲んでいる)、何が美味しい?」と聞いてくるので、「この赤いやつ」と名前は知らない飲み物を指差した。

 彼女は「ふーん」と言いながら牛乳を買った。マイペース。
 私は冷たい飲み物がほしかったのに、間違って激熱のそれを買ってしまった(冷たい方が旨い)。

 彼女はBANANA FISHを読んでいて、私は彼女に薦められた「君子之交」というBLの小説を読んでいて(魔道祖師のポップアップショップに行ったことを日記で報告して以来、BL好きと思われている)、お互いにそこに出てきた分からない単語を中心に教えあった。

 寮の1階の共有スペースでやっているので、途中、彼女に「まぎらわす」の説明をしていると、日本人女性二人組に「あのー」と声をかけられる。
 「は、はい?」
 陰キャなのでとてもどもってしまった。

 「言語交換されてるんですか?」と聞かれ、「は、い」ともう一度陰キャ全開の回答をする。
 何を言われるんだ・・・と思わず警戒心を剥き出しにしていたら、予想に反して彼女は「すっごく説明が上手で・・・!びっくりしちゃいました・・・!」とまさかのお褒めの言葉をいただく。

 「あ、あああありがとうございます~!」
 本当にお前、営業やってたんか?というくらい口ベタ。

 そのまま17時くらいまで雑談混じりの言語交換をして、彼女が唐突に言い出した「日本のものがたくさん売ってるスーパーあるよ!行く?!」の言葉に、雨のなかわざわざ20分歩いて駅まで行って、わざわざ乗り換えまでして静安寺に行く。
 道中、「バイト興味ある?」と言われ、「半年留学はバイトできないから無理だよ」と断ったものの、話だけ聞いたらガールズバーを紹介されたときはどうしようかと思った。
 29でガールズバーは無理よ。

 私は日本製でも中国製でもない、ただ安かっただけのグレープジュースと、懐かしさに駆られてまけんグミを買った。
 彼女は野菜ジュースやらなんやら結構買い込んでいた。

 それからパン屋に行って、晩御飯兼明日の朝御飯のパンを買う。
 荷物が重すぎたので自転車を借りて、荷台に荷物を置いて押して歩いた。

 私は2号楼B棟にすんでいるのだが、はじめて彼女の住むA棟に足を踏み入れ、4階に自習室と冷蔵庫があることを知った。
 「ご飯一緒にたべよー」というので、そのまま食事兼おしゃべりをして22時に解散した。8時間強、日本語と中国語で言語交換しながら雑談をしていた。

 そして、彼女の祖父母の家がハルビンにあるそうで、年末年始に帰る際に一緒に来ないかとお誘いいただく。
 「いやいや、そんな家族水入らずなところ申し訳ないよ」というと、「おじいちゃんが外国人好きだから大丈夫だよ。ハルビンご飯おいしいよ?しかも普通话にめっちゃ近いから聞き取れるよ!楽しいよ!」とたくさんお勧めしてもらう。
 「予定見てみるね」というと、「うん!5泊くらいなら大丈夫だから!」と言われた。
 規模が違う・・・笑
 1泊2日くらいかと思った。
 
 22時に解散し、急いで部屋にもどってシャワーを浴び、忘れずアラームをかけて眠りにつく。
 明日は国慶節最終日である。
 

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