#29 古藤田博澄の【伊豆むあん】|幸せな人間関係を築くために(29話 娘のカバンがなくなった)
その事件が起きたのは1週間前の金曜日。
放課後の練習が終わり帰り支度をはじめた娘は自分のカバンが無いことに気がついた。
音楽室の前にみんなのカバンと一緒に置いたはず・・・
念のため、自分の教室まで戻って探しては見たもののあるはずもない。
カバンの中には娘が大事にしていた大切なノートが入っていて、そのことにショックを受けていた。
「大丈夫必ず見つかるから」と励ましてはみたが、娘のカバンだけがなくなっていることが気にかかる。
月曜日、同じクラブの同級生が「朝練の後、実は娘のカバンを上級生がどこかに持っていくのを見たから一緒に探そう。」ということになって探してみたら、あるはずのないところに娘のカバンはあった。
カバンがなくなったこと、それが思いがけないところから発見されたことは、クラブの担当教師、6年の部長も知っていたので、放課後の練習を中止して、話し合いが持たれた。
話し合いは「犯人探し」の方向へ進み、何人かの生徒が
「○○さんが隠しているのを見ていた」
「○○さん本当?」
「私はやっていません」
最悪の状況・・・
2ヶ月後に大事な大会を控え、クラブ全員の気持ちが1つにならなければならない大事な時期。
このような、ケースで「犯人探し」は絶対してはいけないこと。
担当教師も話し合いのさなかこれはまずいと感じたことだろうが・・・
さて、どうする。