言い回し次第で地雷になるっていう話
個人的に軽く地雷だなっていうものがあります。
「いや、別にいいんだけど、別に良いんだけど納得いかないなぁ、いや別に良いんだけどさぁ」ってなるものです。
「意識高い系」とか「丁寧なくらし」とか「~女子系」のそれです。
久しぶりにそれ系のツボに入ったのでその話をします。
まぁほぼ悪口ですので閲覧は自己責任で。
炎上したら消します。
『「育ちがいい人」だけが知っていること』っていう本が駅の書店で広く面出しされてるのを見て「煽り力のあるタイトルだなぁ」と思いまして。
「育ちがいい」っていうのは多分この言い回しをすると「おっ!」と思って手に取る人が一定数居るからそれを狙ったタイトルなんでしょうね。
今までだと「気配り上手になる」とか「大人の気遣い」とか「マナーと心得」「洗練された人の佇まい」とかそういう言い回しだったのが「育ち」っていう単語だとヒットする層が居ると。
面白いのが恐らく富裕層とかで本当に育ちがいい人はこの本のタイトルは目に入らないし、タイトルを見ても「くだらない」と思うだろうし、
貧困層とかで育ちが悪いのを自認してるような人は「けっ!!」って思うだろうし、じゃあどんな層にこのタイトルがヒットするかというと、「それほど育ちは悪くないけどそんなに良くもない」と自認してる中流家庭の人ですよね。
で、目次を見る限り、参考になるだろうなーっていう部分と、「それはどうだろう?」ってなりそうな部分とがあって、
まぁ想定してるのが婚活とか冠婚葬祭とか目上の人に対する礼儀とか子供のお受験とかその辺なのでそれが頭に入ってると納得できるんですけど。
WEBで読めるんですけど「それはどうだろう?」って思ったのが
「お好きな席へどうぞ」って言われた時の対応の話で、
「カップルで来店したとき、空いてるのに他の人が座ってる席の近くに座るのは良くない。こちらの会話も聞こえるし」っていうのがあって
「空いてる電車でわざわざ近くに座られると不快でしょう?それと同じです」って書かれてて、それは比較の例えとして適切じゃ無いなぁ、空いてる電車で近くに座られたら「何だコイツ痴漢か!?」ってなるから
危機意識の問題でパーソナルスペースとか会話がどうとかとは違うだろ?
多分これ想定が婚活の初デートとかだったら「そうだね!離れて座るべきだね」って思うんですけど、それで育ちの善し悪しが判断されるみたいな文脈で語られると「あん!?」ってなるんですよね。好きに座らせてくれよ。
そもそも育ちのいい人はお好きな席へどうぞ系の店には行かないんじゃないかなぁ!?予約した上で個室とか、席が離れた店に行くんじゃない? 別にお金持ちじゃなくても相手との関係性を意識した上で事前に店選びするんじゃない?そういう気遣いが出来る人のことを育ちがいい人っていうんでしょ多分?
なのでまぁ部分だけ切り取られても納得できないって話ですね。
もう一つ「脱いだ靴は意外と見られてる」っていう話があって、まぁ結論としては「普段から靴の手入れをしましょう・物を大事にしましょう」って話だと思うんですけど、そんな「丁寧な暮らし」はできない訳ですよ。
だったら「服や小物の手入れはルーチン化しろ、無理ならせめて訪問が決まった日の夜に手入れしろ、それでも無理なら新調してしまえ、靴擦れの痛みと手入れの煩わしさを天秤にかけてマシな方を選べ」って言われた方が楽でしょう。
なのでまぁ部分だけry
あとこれ当然のように女性向けの本なんですけど。
男は育ちが悪くてもいいの?いやわかりますよ?女の方がそういう細かい所作とか気配りとかでジャッジされるシーンが多いってことでしょう?わかりますよ?わかるけど納得はできないな!!
それについては『オトナ女子の気くばり帳』を書店で見た時に感じたのと同種の嫌悪感を感じたんですよね。
『オトナ女子~』の方はそもそも「大人だっていうなら女子じゃなくて女性だろ?てかなんで女ばっかり気配り求められんだよ男も気配り上手になれや!!」っていうたまに発動するフェミコード地雷に当たりまして。
内容は至極まっとうな本でした。さらっと読んだ限りでは、実践したら役に立ちそうだなっていう面と、必ずしもマニュアル化は出来ないよねっていう面があって、まぁやらないよりやった方が絶対良いよねっていう本でした。
具体的には「初対面の人の名前を褒めよう」(本人がキラキラネームをコンプレックスに思ってたら逆効果では?)とか
「相手の身につけてる物を褒めよう」(監視されてるみたいで嫌だと思う人も居るよね)とかですね。
多分実践するとモテるようになるし、接客業の人(キャストさんとか)には参考になるだろうなーと思いました。
実際自分も職場で似たようなことを実践してうまくいった経験はあるので。
私の場合は岡田斗司夫さんの『いい人戦略』っていう本を読んで実践したので、要は言い回しの問題なんですよね。
「心からいい人にならなくてもいい、戦略でいい、メソッドを実践していってそれを日常化しろ」っていう本です。
この「戦略」っていう言い回しが私にハマったっていうだけで、メソッドそのものは大差ないんですよ。
私が戦略っていう単語に「おっ!」って思って素直に参考にしたのと同じで
「大人女子」とか「育ちがいい人」っていう言い回しだと素直に参考にしようと思う層が居るってことですよね。
「離れた席に」とか「靴の手入れ」とかこれらのメソッドも、多分言い回しさえ違えば素直に参考にすると思うんです。
ていうか多分そういう本あるんじゃないかな?みうらじゅんさんとか書いてそうですよね。
ていうか誰か書いてくれ。
「ここだけ押さえろ、オタク女子の無理しない擬態術」とか
「取引先との会食は推しのスポンサー様との会食だと思え」とかそういう。
劇団雌猫さん辺り書いてくれ。
そういう文脈なら素直に読むし個人的なフェミコードにも引っかからないな。
実際「意識高い系」も「丁寧な暮らし」も憧れる部分があるから気になって手に取るけどやっぱり自分には無理絶対無理ありえないってなるから反発が大きいんですよね。
なのでまぁ、自分が偏屈なばっかりに想定読者からはじかれて残念だなぁっていう話でした。
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