ぼやき No.02
現在、妊娠5ヶ月。このまま順調に進んでくれたなら、7月には人の親になる。
普段から私を知っている人や仕事関係の人からは、「えーっ!」という声も聞こえてきそうだ。私も結構、いまだに「えーっ!」と思っている節はある。
本来妊娠報告というものは、もっともっと後になって「もうすぐ産まれます!」とか、むしろ「産まれました!」とかの報告をされる方が多いのは一応知っていて、妊娠〜出産はいつ何が起こるかわからないということもよくよくわかるので、私もそうするのがいいのだろうと思っていたものの、仕事関係やイベント関係、遊びのお誘いなど、お声がけをいただくたびに中途半端な回答になってしまうことが申し訳なかったり、個別で「実は〜」と伝える件数が増えてきて「これはもう公にしたって同じでは…」となってきたり……。
無駄なモヤモヤは解消したらいい、ということで、まだまだこの先どうなるかはわからないという前提はよくよく承知の上ながら、とりあえずこのnoteを書くことにした。なかにしは胎内で子を育てております。
妊娠中の考えごと
昨年秋に妊娠がわかり、一応つわりの時期を乗り越えてきたわけですが、ほぼ一日寝ることしかできなくなったり、自分の唾液が気持ち悪く感じて飲み込めなくなったり、乗り物酔い状態で交通機関を利用できず引きこもりになったり、フリーランスとしてお仕事をいただけるチャンスを何件かお断りすることになったり、「こりゃあメンタルがやられていくのもわかるぜ…」という場面を何度も味わいました。(私の場合、妊娠初期だと妊娠を伝えづらいのもあって、本当の理由ではなく体調不良と言わざるを得なかったりしたのも心苦しかった)
妊娠はハッピーなこと、というのはもちろんそうだし、妊娠出産育児の体験は面白いことも多そうだとは思うのだけれど、やっぱりこの妊娠〜出産のタイミングではどうしたって「女性側が我慢しないといけないこと」がたくさん発生するんだなぁと。つわりはもちろん、仕事だってそうだし、キックボクシングは習い始めてすぐに退会しないといけなかったし、食べ物や飲み物の制限だってそう(私は寿司が好きなので、突然寿司を奪われたことにいまだに慣れない)。服も下着も全部変えないといけないし、髪を白金に染めてやろうと思って半年前から美容師さんと相談していた計画も諦めざるを得なくなってしまった(妊娠中は頭皮トラブルが増えるので)。
最近は安定期と呼ばれる時期ではありつつも、胎児が急成長する時期だからなのか腰痛と腹痛があり、早朝それで目が覚めるということもある。友人では虫歯になりまくった子もいるし(妊娠中は虫歯になりやすくなる)、ホルモンの関係で妊娠糖尿病にもなりやすくなるし、とにかくいつもの状態とは全く異なる生活が突然始まり続いていく。あと、私の場合は妊娠前にわざわざ検査を受けた時には所有していた風疹の抗体がなぜか消えてしまっていて(妊婦はたまにあるらしい)、20週に至るまでは風疹にかかるわけにはいかないのであまり外に出ないようにしていたりもする。コロナも母体からの感染があり得るらしいので、尚のこと人混みには行っていない。
男女平等という概念を知った女性が、妊娠〜出産をしたくなくなるのもわかるような気がする。この場面に関しては、どうしたってこんなの理不尽すぎる、と思うことがたくさん起こる。これを喜びだと捉える人もいるだろうしその気持ちは尊重されるべきだろうけれど、しなくてもいい苦労などしないほうがいいじゃないかと私は思う。何一つ変わらず仕事ができて運動ができて勉強ができて、飲み会に行けて好きなものを食べられて、痛みも吐き気も健康不安も感じずに自分の子どもが持てる男性の人生を見ていると、やっぱりそこは、ずるいと思わざるを得ないというのは仕方がないのではないだろうか。
だけどそれは男性が悪いとかそういう話でもないので、本当にさっさと人工子宮が開発されてほしいと思い続けているし、夫氏ともそういう話をしてきた。「男は自分で意識しないと親になる準備ができない」というのは夫氏自身が一番感じているのではないかなとそばで見ていて感じるし、男性側は男性側で、何も考えずにいる人以外は不安が大きいんじゃないだろうかとも思う。自力で心の準備を進めていく必要があるし、妻の痛みや悩みにはどうしたって寄り添いきれない部分も出てくるだろうし、ある意味では孤独なのかもしれない。それに、最悪の場合、妻が出産時に亡くなってしまう可能性もあるわけだから。
夫氏は元々子どもを望んでいたこともあり、家事などを率先してやってくれるし、私が不調で寝続けていても何も言わない。無論、「当事者意識持って自分でも調べてくれない?」と思うようなこともあるけれど、私たち夫婦は結婚式の準備・運営の際に大揉めした経験があるため彼の特性はある程度把握できていて、私もその程度ならイラつかずに許容できるようになった。
私もできる時には変わらず料理、洗濯などをして、今のところは比較的穏やかに二人で過ごしていると思う。けれどだからこそ、この先や産後のことを考えると怖いなと思うこともたくさんある。産後の夫婦の関係性の変化や、体の変化、それに伴う心身不調、もちろん出産そのもの、子どもが健康に産まれるのかということ、夜泣き対応、その後の育児や子の発育。全部怖いし全部不安だけれど、そのどれもが「未知」のものばかりで、ほとんどのものに正解はなく、コントロールもしきれないという激ムズの課題なのがハードで辛く、面白い体験だなと思う。
多分子どもが産まれたら、私の人生の優先順位はガラリと変わるんだろう。
親がすべきことは大きく、一方で親にできることなどほとんどないというような気もしていて。どんな他者が現れるのかはとても楽しみな一方、多分育児は自分のトラウマとの闘いでもあるんだろうなと思っているから、エネルギーのほとんどを丁寧に注いでいかないといけない、とも感じている。これは結婚生活の最初とも似ている感覚かもしれない。結局本質はとてもシンプルで単純なことだったりもするんだろう。
夫氏と私の価値観の違いや性格の違いも、多分良い方ばかりに発揮はされないだろうし、喧嘩も増えるんじゃなかろうか。そもそも精神状態や肉体状態が通常に戻るまでにかなりの時間を要するかもしれないし、今と同じエネルギーを自分の生活に注げるようになることはもう二度と無いのかもしれない。それでも人生を続けていくというのは、単なる今の延長線上ではないのかもしれない。自分で選んで決めて生きてきたこれまでと、自分では選べないことが増えていくであろうこれから。果たしてどんなハレーションが生じて、どんな発見があって、どんな変化があらわれるのか。
あとは周りの(社会の?)「妊娠=ママ=ハッピー!」みたいなキラキラ具合が眩しくて辛いな〜と既に思っている。パステルカラーの世界は明るくて可愛らしくて強く眩しいのだけれど、そのパワーに私は巻き込まれたくないのだ。「そのノリにはついていけないのですが、子の生命を預かろうという気持ちはありますので……」という感じで通院したり相談したりしに行っている。オタクの陰属性が抜けていないお母さんたちに出会いたい頼む。
今週末に自分の身体状況に関しての検査結果が返されるものもありドキドキしつつ、気圧のダメージを受けつつも、まぁそれなりに元気に暮らしています。(定期健診の頻度間違っているかもしれないと今朝気づいたけどまぁいいや…)