【全身性エリテマトーデス】死にかけた話2(1)手術まで

30歳くらいの頃、脳梗塞を発症しました。

転職したばかりで、やっとやりたい仕事ができるチャンスを掴んだ頃でした。
仕事終わり1本だけ電話して帰ろうって電話をかけ、話そうと思ったら言葉が出ない。頭には浮かんでるのに口まで出てこない。今まで経験したことのない感覚。急にざわざわと不安な気持ちでいっぱいになり、帰りのバスに乗ったもののどこで降りたらいいかわからない。というか、バスを降りる方法がわからない。
落ち着けと自分に言い聞かせて、とりあえず終点で降りたんだと思います。

病院はすで時間外。
主治医の先生とつながるかはわからないけど、とりあえず病院に電話しました。
時間外の窓口につながり、言葉がほぼ出ない状態ではあったけど、なんとか今の状況とできたら明日すぐ受診したいと伝えました。
周りに人がいる状況か確認され、すぐ先生から連絡してもらうから動かないでと言われ、先生からの連絡を待っていました。
すぐ折り返し連絡があり「すぐに来て」とのこと。

不安すぎる・・・

当時はまだ結婚しておらず夫と同棲していたのですが、電話はかけてもほぼ話せない状態になっていたので、メールでこういう状況だと伝え自家用車で病院へ向かいました。
(後で聞いたら先生は「救急車ですぐ来て」と言ってたらしいですが…よく理解できていなかった)

病院着いてすぐMRIに連れて行かれ、速攻点滴つながれ、あっという間に入院になりました。
家族じゃないと入院や治療の同意がとれないのですぐに両親が呼ばれ、目まぐるしく私だけがついていけていない。

どんどん体がこわばって動かせなくなり、私は覚えていないけど、名前も生年月日も聞かれても口頭では答えきれず。頭に言葉は浮かぶので、筆談でなんとか…という感じ。
たぶん点滴が何かされてしばらく眠っていて、ぼやっとした中で検査や今後の流れの説明をされたようですが…このあたりは夢か現実かがよくわかりませんでした。


「ぴよ子さん。脳梗塞です。すぐ入院です。」

主治医の先生から脳梗塞であることを告げられ、さらに頭がぐるぐる。
脳梗塞?え?教科書でみたやつ?

とっても苦しい経食道心臓エコー検査を受け…これは今までで1番苦しくて辛いと感じました。胃カメラすらやったことなかったせいもあるけど。
管飲み込む前にしっかり見ちゃって、それが親指くらいの太さに見えた。
恐怖もあって飲み込めないし、先生はグイグイ進めようとするし、オエってなるのが続いて息はできないし…苦しくて苦しくて死ぬかと思いました。鼻も口もべちゃべちゃに。

そして、心臓弁の一部が剥がれて血栓になり、脳まで流れて梗塞を起こしたことがわかりました。
そのままにしておくと危ないので、血栓を溶かす処置と心臓の弁置換手術を受けなければいけないらしい。
ちょうど私が脳梗塞と診断された日は、主治医の先生(腎臓内科)・脳神経外科の先生・心臓外科の先生が揃っていて、今後のスケジュールがスムーズに立てられました。
そして本来は何ヶ月も待たないといけない手術が、たまたま手術のキャンセルが出て枠が空いたので、次の日すぐに受けられることに。このへんは緊急だったからっていうのもあるかと思います。

手術になるからって聞いて頭の手術だと思い込んでいた私は、髪の毛は剃らないといけないのかまず考えてしまいました。脳梗塞からの手術って聞いたら頭の?って思うではないですか…脳梗塞は脚の付け根から頭までカテーテル入れて治療できるらしい。
痛みも何もなく、ちょっと傷残ったくらいだったけど、後で考えたらぞわっとしますね。長ーーいカテーテル入れられてたの?って。

仕事のことや今後の生活のこと、頭をぐるぐる回って不安で仕方なかったけど、このときの選択肢は1つ。まず手術。
はじめましての心臓外科の先生と顔合わせし、
全身麻酔から醒めない可能性があるとかか、他いろいろこわいことだらけの文面(だと思った)の書類に震えつつサインし、心臓の手術を受けることになりました。
心臓手術の場合は、全身麻酔で心臓の動き自体止めてしまうので、普通の麻酔よりさらに危険が伴うらしいです。

もうこのときは自分で起き上がることはできなくて、腕もよく上がらないし言葉もほとんど話せてないような状態。
言葉は話せないのだけど頭に言葉は浮かんでいて、頭の中でずっとひとりごと言って気持ちを落ち着かせていました。
何日も寝たきりの気分でしたが、手術前に両親と話した時にまだ昨日ここに来たばっかりだよって聞かされ、人の感覚なんてあてにならんもんだと思ったりしました。

そして気づいたら手術室にいました。
私は裸眼視力が0.04程度しかないので、コンタクトしていないとほとんど何も見えないんですね。
いっぱい人いるなぁ、まぶしいなぁ、くらいしかわからず、逆に不安になりませんでした。

「ゆっくり深呼吸しますよー」って言われてそのまま意識がなくなり、次に気がついたときにはすでに手術は終わっていました。
なに?ドッキリなの?って思ったくらい実感がない。全身麻酔こわい。

目さめました?みたいなことを先生に言われ、人工呼吸器(たぶん)をさっと抜かれました。
「夢じゃなかったんだな」「もうすぐ帰れるのかな」と呑気に思ってしまいました。

自分が管やら機械やらたくさんつながっているのはわかりました。
しばらく部屋の中にいる人たちの話を聞いていると、自分がICUにいることもわかりました。
この後はたぶん疲れて眠ってしまったので、よく覚えていません。

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