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【日立・ウィーン】10年も寄り道して茨城にたどり着いたけれど

2014年から「47都道府県の純喫茶」掲載店を巡る旅をはじめて今年で10年。
最後の県で訪れたのは茨城県だった。
掲載店である水戸市の「フィンガル」と石岡市の「マツ」はもたもたしている間に閉業。

代わりといっては何だけど山之内遼さんのブログ「純喫茶保存協会」で紹介されていた日立市の「ウィーン」を目指すことにした。

営業時間が変則的なので入店できるかどうかは運次第。
Googleマップの営業時間を信じて、水曜の午前中に日立駅へ。


海に浮かんでいるような全面ガラス張りのモダンな駅舎・日立駅
ウィーンの外観
店名の字体が良い

徒歩約15分でウィーンに到着。
営業開始時間の10分前。
扉に貼っているカレンダーを見ると、営業日だったようで一安心。
ドキドキしながら開店を待つ。

営業時間になると店主さんと思われる方が出てきたので軽く会釈。
想像したよりも若い女性だった。

窓カバーを外す、看板を出す、店舗前の掃き掃除など、開店準備を見守った後、ようやく店内へ。
入って右側は調理場、左側はレジ兼レコードブース、中央に中二階への階段。
「お二階へどうぞ」と案内され中二階を登ると、4名掛けの客席が6セットのみ配置されたゆったりした空間が現れた。
再奥は板張りでダンススペースのようになっている。

同時刻に入ったのは女性二人連れ。
混み合うかと思っていたが、私が滞在していた1時間半の間は他に男女一組しか来店しなかった。

注文を持ってきてくれたときに写真撮影の許可をお願いすることが多いが、店主さん一人で中二階に来られるのは注文を持って来るタイミングしかなかったので、「後でお願いしよう」と注文したプリンアラモードや中二階の写真を撮った。

ネット上には多くの写真付きのレポートがあるので、撮っても大丈夫だろうと自分本位に解釈した。
おそらく山之内さんが座ったであろう席で、同じようなアングルの写真を撮った。

ようやく店主さんに話しかけるタイミングが来たが、「うちは一切写真撮影の許可をしていない」と想像しなかった強い言葉が返ってきた。
承諾なしに写真を撮った行為への申し訳なさでいっぱいになり、逃げるように店を出た。

山之内さんのゆかりの喫茶店だからとか、喫茶店の旅における最後の県だからとか、甘えがあったのかもしれない。有名店だけど、メディアに登場しない理由が理解できた気がした。店を守るためのルールなんだろう。


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コトリス|喫茶店の懸け橋ライター
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