映画「スター・トレック」感想

 時代を超えて幾度も復活する作品というのは、どれも類い稀な熱気と愛情に満ちている。本作品もまた然りであり、細部にまで行き届いた気配りが荒唐無稽なスケール感を裏打ちするバランスに、我が胸と目頭は自然と熱くなった。そして、賢くて論理的な人物よりも、危機に際して「大丈夫だ」と言えるヤツがボスになるという展開は、人生の季節的に我が胸へ強く迫ったのだった。

 余談だが、TNG世代の私は、当時その視聴を我が英語へ大きく寄与させたものだ。例えば、pikar-ed 「a.禿頭の」など、過去分詞の用法に対する深い造詣を通じて、諸君はその成果を垣間見ることができよう。かように、SFドラマが青少年に与える正の効果は大きいのである。本邦では主にアニメがその役割を担っていると言えるが、保護者が免罪符的な学習効果を期待して連れてゆく科学技術ナントカよりは、頒布性の高い実写のSFドラマに予算を割いた方が十年後の科学技術は明るくなると、半ば本気で信じている。

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