漫画「惨殺半島赤目村」感想

 山奥の廃村にトラウマを持ち、横溝正史と江戸川乱歩とファミコン探偵倶楽部に思春期の感受性を略取された身にとって、ド真ん中の直球ストライクである。私の愛好した3つの作品群に共通するのは執拗なまでの"過剰"であるが、本作もやはり過剰さに満ち満ちている。

 人物造形や舞台設定だけでも行き過ぎなところへ、さらには主人公が突然サイコメトってしまうのだから、屋を架した屋上が轟音と共に瓦解していくスペクタクルに、もはや直立したまま失禁する以外の選択肢はない。早くに余生へ突入した私の命を永らえさせる作品は、もはやハンターハンターとワシントンだけになっていたが、赤目村の完結までは生きる努力をすることをここに誓おう。

 なに、最高のノベルゲーを教えてくださいだと? そんなもの、うしろに立つ少女に決まっておろうが!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?