映画「カンフーパンダ2」感想
続編ゆえに許される冒頭からのハイテンポな展開へ、次々に畳み掛けるアクション、最後まで途切れないテンション。すべてに渡るあまりの流麗さが逆に高度な技術を高度に見せないのは、もはや達人の域だ。このレベルの作品がサラッと世に出て、続編ゆえの市場縮小からほとんど話題にも上らず忘れられていくことに、そら恐ろしさを禁じ得ない。
エンターテイメントが水のように消費されていく。八千メートル級の山頂から徒歩で持ち帰った極上の雪解け水も、庭に置いた空き缶に溜まる泥混じりの雨水も、ただ同じ水として消費されていく。いや、現状を見渡せば泥混じりの方がフックがあって好まれる傾向にあるのかもしれない。
私は昨今の「視聴を切った」みたいな言い方が反吐の出るほど嫌いだが、この表現へ何の臆面も無い、受け手優位の状況の中でモノを作らねばならない恐怖は、いかばかりかと思う。例えば、マウントポジションでボッコボコに殴られながら、「なんかおもしろいことしろよー、おもしろかったら殴るのやめてやるからよー」と言われて、半笑いで芸をする感じ。
だいぶ話がそれまくったが、作り手の尊厳という意味合いから、カンフーパンダ2はスーパー・リコメンド、超オススメ、デース!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?