『ゴリラ裁判の日』特設サイトが作られました

『ゴリラ裁判の日』特設サイトが作られました。デビュー作なのにも関わらず、こんなに立派なものを用意して頂き、本当に感謝感激です。

実際の書籍も田渕正敏さんの青いイラストが、とても印象的なものに仕上がっています。
こんなに大きくPRしてもらえるとは思っておりませんでした。PVも作っていただき、松本ひで吉さんに紹介漫画を描いていただき、多くの書評家にレビューしていただき、私は本当に幸せです。

PVに関しては予告編のように短めの映像ですが、作家として学ぶことが多かったです。映像を制作してくれた人たちは大変だっただろうな、と。
役者さんが入ることで、セリフにも別の魂が宿るというか、「このセリフはこんなにも力強かったのか」と驚かされました。
特に「こっち向けよ、ゴリラ!」の強さは自分が書いていた時には想定していないものでした。役者さんってすごいですね。
そして個人的にすごく嬉しかったのが、PVだとショートバージョンの方です。何故かというと、私が小説の中で書いていなかったバラの花が映っていたから。色温度の低い、青みがかかった映像の中で、一瞬だけ映る赤いバラの花。その花にどんな意味があるのか。映像作品ならではの見せ方だなぁ、とワクワクしました。そこに私とは別の、映像の作家さんがいるのだ、と感じられて嬉しかったです。

松本ひで吉さんの漫画もめちゃくちゃ面白くて、初めて見た時には笑っちゃいました。どのキャラクターも魅力的で、楽しさが伝わる絵ですね。Twitterやってた上に犬が大好きな私としては、松本ひで吉さんに書いてもらえたことが嬉しくて嬉しくて……

そして書評家のレビューの鋭さ。

メフィストリーダーズクラブの読者からの反応を見た時にも思いましたが、「読める人の読む力」は作者の想像を超えている(笑
話が複雑になるのを恐れて、作品に直接的に描かなかったテーマを感じ取ってくれる読者がいたりして驚かされます。
今回の千街晶之さんのレビューのタイトルが「魔法と呪いと」となってるのですが、まさに小説のラストを象徴する言葉です。

かれこれ二十年くらい前にスティーヴン・キングの『グリーン・マイル』を読んでから、「救済と呪い」ということについて考え続けてます。
うろ覚えなので違うかもしれませんが、確か原作にはフランク・ダラボンの映画では描かれなかった場面がラストにあって「救済と呪いのあいだには、本質的なちがいなどなにひとつありはしない」という一文があるのです。

単行本の発売にあわせて『ゴリラ裁判の日』のラストを改稿している最中に、この『グリーンマイル』の文章が頭の中にありました。
メフィストリーダーズクラブの特別号や、プルーフで読んだ方も、ラストの読み味が変わっているので楽しめるかと思います。

『ゴリラ裁判の日』発売の3月15日まで、あと一週間と少し。
多くの方に読んでもらえると思うと、それだけで嬉しいです。

そういえば、EXTREMEが15年ぶりに新譜を出すそうです。
15年ぶり……。
ヌーノもゲイリーもいつも通り最高で素晴らしい。
このソロは早くも今年のベストギターソロ候補です。

しかもジャケがゴリラ!(これが言いたかっただけ)

それではまた。


須藤古都離


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