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好きなaikoの片思いソング

恋愛には、両思いと片思いとある。不思議なもので、両思いという響きはなんだかとても温かく、ふんわりしている。一方で、片思い、という響きはそれだけで切なさがある。「カタ」の響きがもう寂しい。片思いで思い出す、漫画『ハチミツとクローバー』に出てくる山田さんの言葉がある。

──自分の好きな人が
──自分の事を好きになってくれる
たったそれっぽっちの条件なのに
どうしてなの
永遠に揃わない気がする

本当に、単純な二つの組み合わせなのに、永遠に揃わないような気がしてくる。山田さんは、同じ大学の真山さんに恋心を抱いていた。でも、真山さんには他に好きな人がいた。真山さんは、本気でその女性のことを想っていた。その山田さんの決して叶わない片思いの切なさが表現されている。

片思いと一言で言っても、山田さんのように、失恋しても好きなままという片思いもあれば、決して届かない関係性の人への恋愛感情や、これからどんどん距離を近づけていきたい恋の始まりの片思いなど、様々な形がある。

そんな様々な恋心を描き、切ない感情に寄り添うような女性目線のラブソングを数多く歌ってきたミュージシャンにaikoさんがいる。男性でも響くようなラブソングが歌われる。自身の歌を作詞する際、aikoさんはあくまで実体験をもとに、想像を膨らませながら書き上げるそうだ。「きっかけはね、絶対あったことじゃないと書けないんですよ。でも、その分良い事も悪い事も想像するのが好きなんです。」と、インタビューで語っていた。実体験に基づいているからこそ、より切実な、切ない想いが表現されるのかなと思う。

個人的に好きなaikoさんの片思いソングとしては、『気付かれないように』がある。片思いソングというよりは、失恋ソングか、もしかしたら、もう少し複雑な別れの歌なのかもしれない。久しぶりに逢った、かつての恋人と話しているときの、胸の疼きを、彼に気付かれないようにしないと、という歌だ。複雑な、と書いたのは、歌詞に、「あの時胸に刺さるほど味わった、消えない後悔」とあり、これは、自分から別れを切り出して別れたものの、後になって後悔し、本当はまだ好きで、もう一度やり直したいと思っていて、でも、彼はもう次に進みだしているから、この思いは気づかれないようにしないと、という歌なのかもしれない。

学生時代、よくこの曲を聴いていた。

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