日商簿記検定について 中編
前編に引き続き、私の簿記遍歴について書いていく。
簿記の勉強、再開
資格試験としての簿記の勉強を中断してから、既に1年以上が経っていた。ただ、それでも一度勉強した内容を全て忘れてしまったわけではない。もちろん記憶にない部分も多かったが、最初に簿記を学んだ時と比べれば、随分と楽に勉強を進められた。特に商業簿記については、この時点で一定のレベルに達することができていたと思う。他方、工業簿記については非常に苦戦した。
日商簿記検定2級で学習する簿記には、商品販売業を対象とする商業簿記と製造業を対象とする工業簿記の2つに分類できる。文章の読解力など国語的な力が求められるのが商業簿記で、計算力などの算数的な力が求められるのが工業簿記である。もともと、国語の成績が良く、数学のからっきしだった私にとって、工業簿記が資格取得における鬼門となった。
簿記を学び始めた理由の1つに、数学に対する苦手意識を改善することが挙げられる。実際、日商簿記3級の勉強を通して少しずつ数学へのアレルギーが発生しなくなっていった。しかし、中学、高校と数学から逃げてきたツケは大きく、どうしても工業簿記の勉強が思うように進まなかった。
工業簿記の問題が全く解けないため、過去問をする気も起きず、商業簿記すら勉強がはかどらなくっていく。しかし、そのことに焦りを感じ始めたときには既に試験日まで1か月を切っており、試験の予約も済ませてしまっていた。
そのため、不十分な理解のまま、初めての日商簿記検定を受けることになる。ちなみに、この時の私は「既に3級くらいの知識は修得している」という驕りがあったため、3級を受けずにいきなり2級の試験を受けた。
初めての日商簿記検定、その結果は
日商簿記検定2級の結果は、惨憺たるものだった。商業簿記も合格ラインに達していなかったが、工業簿記に関してはほぼ0点に近い点数だったと思う。
ここでまた私の簿記に対するモチベーションは潰えてしまった、わけではない。なぜなら、この頃から本格的に就職活動を意識し始めていたからだ。
今なら、日商簿記検定2級をもっているだけで就活がうまくいく、なんてことはないと冷静に判断できる。ただ、当時の私は何とか自分のアピールポイントを作ろうと必死で、そのために簿記の勉強を続けたのだ。
と言っても、工業簿記の勉強は初めての試験を受ける前と同様に全く進められなかった。その代わりに、試験を実際に受けてみて、案外解くことのできた商業簿記についての学習を進めることとした。
この頃、ちょうどポモドーロ法などの勉強法を実践することに興味を持ち始めていたこともあり、商業簿記の勉強だけは進んでいく。「クレアール」の模試や過去問を印刷し、繰り返し解くことでこの時のは私は商業簿記の基本をマスターしていたと思う。
ただ、この時の私は、商業簿記の理解が深まったことに調子づき、工業簿記についても楽観視するようになった。工業簿記も「できる」を考え、勉強を進められれば良かったが、私の場合、工業簿記も「何とかなる」と考えて、あまり理解が進んでいない状態のまま次の試験を受けることとなる。
CBT方式、その結果は
一度試験に落ちて、就活まで時間がなかった私は、CBT方式で日商簿記検定の試験を再び受けることにした。
その結果は、再び不合格。
前回と少し違うのは、商業簿記については合格ラインに達していたことだ。ただ、工業簿記についてはほとんど変わらずほとんど点数を稼げなかった。この時、もう少しでも工業簿記の理解を深めておき、点数を稼げていれば、私は既に日商簿記2級の資格を取得していたかもしれない、と今でも公開している。
とにかく、二度も同じ試験に落ちたことで、完全に私のモチベーションは死んでしまった。また就職活動が本格化し、ES提出や面接に充てる時間も必要になってきたため、ここで再び簿記の勉強を断念することとなる。
今回はここまで、以上コトレでした。