「ほわっとちゃんと黒ガトちゃん」
こどものころよく泣いていた私は 泣く度にほわっとちゃんに会いにいっていた
だってほわっとちゃんはいつも甘やかせてくれるから
黒ガトちゃんは厳しめな少し苦いアドバイスがニガテだったんだ
私はいっつも泣いてはほわっとちゃんに会いに行ってたけど
ある日そういえば黒ガトちゃんが一緒にいるなって気づいたの
それで、おそるおそる黒ガトちゃんに話かけてみたら
「つらかったね。でもね・・？」って
「ああ！やっぱり苦いアドバイスがくる！」って首をすくめて大急ぎでほわっとちゃんを目で追ったら
ほわっとちゃんは静かに私を見て頷いていたんだ
そしてそのとき、私は急に悟ったの 甘いほわっとちゃんも、苦い黒ガトちゃんも 同じ優しい目で私を見ているってことに
私はなんだか急にうれしくなって ふたりにさようならを言って大急ぎで家に帰ったよ
その夜、寝る支度をしながら 明日こそは泣かずに楽しい話をお土産に ふたりに会いに行こうって決めたんだ