初語から17ヶ月まで②〜動作を表す言葉〜
子ども食堂なう2024
・前置き: その子その子の課題がある
・あかごは動作を表す言葉が好き?
・なぜ動作を表す言葉を覚えたのか
仮説①感情の共有
仮説②命令形として
前回に引き続き、なうの子あかごが初語から17ヶ月まで獲得したの語彙の分析をする。
前回も同じことを書いたが、もう一度繰り返したいと思う。自分の子の発語を心配する親御さんも見てくれているかもしれない。とても嬉しい!そして、決して自分の子と比べないで欲しい。あかごにはあかごの課題があるというだけなのだから。
前回の記事は↓
普通この時期に幼児が覚える語彙は、物の名前が多い。しかし、あかごの場合は挨拶などの他に、動作を表す言葉や、数や代名詞なども多く見られた。中でも動作を表す言葉は、通常総発語数8パーセント程度であるが、あかごの場合は11語、14パーセントに達した。
何故多くの動作を表す言葉を覚えたのか。
仮説①感情の共有
動作語を発話する際に、相手の顔を見ることが多かった。
例:「(わんわん)いちゃ〜(いた)」と嬉しそうに母の顔を見る。「そうだねーいたねー」というと満足そうにする。
物の名前を言って要求するだけでなく、目の前の状況と自分の感情を共有したいのだろう。その際に動作を表す言葉が役に立っていたのではないだろうか。あかごは人に興味があり、コミュニケーションを楽しむタイプだ。感情を共有したい気持ちが総獲得語彙数にも影響しているように思う。
仮説②命令形として
あかごが獲得してきた動作を表す語には、「〜ちゃった」を語尾に持つものが多かった。(落ちちゃった・入っちゃった・行っちゃった)
これは命令形のバリエーションではないかと思う。つまり、「落ちちゃった(から拾ってくれ)」ということだ。命令形「〜て」の形をとる動作を表す言葉も複数見られた。幼児の発する語に命令形が多く見られるのは良くあることのようだ。あかごにも当てはまるのだろう。
ちなみに一番多く見られた動作を表す言葉のバリエーションは、動詞「落ちる」の変化した形(落っこちた・落ちちゃった・落ちた)だった。やはり「取ってくれ」を含んだ語とみていいだろう。
分析続きます⭐️
参考文献:
岩立・小椋『よくわかる言語発達 (やわらかアカデミズム・わかるシリーズ)』(2005)
子ども食堂とは
様々な事情で食事が摂れない子ども達に無料または安価に食事を提供する取り組みです。色々な媒体で特集が組まれているので是非注目してみてください。