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菌の声を聴くーマイクロプラスティック問題と菌ちゃん

私たちが住む地球上では、一般的に有機物を自然界に捨てると微生物が分解し、自然と土に還るという仕組みが成り立っています。
しかし、プラスチックは微生物には分解できず、紫外線の力で粉々になるしかなく、小さな粒子となったプラスチックは「マイクロプラスチック」となり、自然界に漂い続けると考えられてきました。
そしてこのマイクロプラスチックの増加は、海を汚染したり、ウミガメや海鳥、魚たちが食べてしまうなどの深刻な環境問題に繋がり、また魚料理を食べる私たち人間にも非常に身近な社会問題となっています。

しかしながら、今までプラスチックを分解出来ないと考えられていた微生物(菌ちゃん)の中に、プラスチックを分解できるものがいるということがわかってきました。
そう、実は微生物や虫の中にはプラスチックを分解してくれるものが存在するのです。

一つは、腐植質の湖に由来する微生物です。
彼らはマイクロプラスチックを分解して、有益なオメガ3やオメガ6脂肪酸に変換していることがわかっています。
二つ目は、「ワックスワーム」と呼ばれるハチノスツヅリガの幼虫。
通常はハチの巣に住み、ミツロウを食べるワックスワームですが彼らはレジ袋などに使われる「ポリエチレン」を食べてくれます。
三つ目は、イデオネラ・サカイエンシスという細菌の一種。
大阪県堺市のリサイクル工場で採取された試料から発見された彼らは、ペットボトルの原料ポリエチレンテレフタラート(PET)を分解して栄養源にしています。

これらは自然界のマイクロプラスチック問題の解決の糸口になりそうで、大いに期待したいものです。
しかしながら、微生物が分解してくれるから好きなだけプラスチックを使ったり、投棄したりしてもいいというわけではありませんよね。

ところで私たち人間の体内もマイクロプラスチックまみれであることをご存知の方も多いかと思います。
これについてどうしたらよいのか?
それは、今後開催予定の「菌のおはなし会」でゆっくりお話ししたいと思っています。
気になる方はご連絡くださいね♪

因みにプラスチックの海への流失が多いとされているものに、実は野球やサッカーグラウンド、公園内の子供の遊び場などで使われる人工芝があります。
子供部屋やバルコニーなどに室内用の人工芝を敷かれているという方もおられるのではないでしょうか。
これらは海に流失するだけでなく、そこで遊んだり寝転んだりすることで人体にも入ることになります。

うちの子、サッカーやってるのよねー
というお父さん、お母さん、
菌ちゃん視点からの対策を知って、お子さんの応援をしてみませんか?

地球上に存在するものの殆どには分解してくれる存在も共にあります。
そう考えると有難いとは思いませんか?
菌ちゃん、いつもありがとう!
そう言わずにはいられません。

#マイクロプラスチック問題
#菌ちゃん
#サッカー少年は気をつけて
#菌との共生
#菌検査解説員

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