見出し画像

夢に導かれて気付いたこと

先日の雨の夜、夏なのに涼しいのがうれしくて、私は散歩に出かけました。

私は元来散歩が好きで、一日に少なくとも一回は外に出ないと元気がなくなってしまう質です。昼の散歩も素敵だけれど、私は夜のほうが好きだったりします。道行く家々に灯る明かり、人気のない暗い道とその静けさ、そういったものが好きです。夜の世界に身を置くと、不思議と気持ちも落ち着きます。そんなヒーリング効果もあって、心がざわつくときはもっぱら夜に散歩をします。普段、散歩のルートはその時の気分に合わせて行き当たりばったりで決めるのですが、その日はもう目的地が決まっていました。私が通っていた小学校そして中学校を見に行きたかったのです。

ふとそんな気持ちになったのは、その日の前夜、小・中学生の頃に好きだった人の夢を見たからかもしれません。その人と、今の好きな人が同時に出てきて、いったい今誰が好きなのか、夢の中で私は大いに混乱していました。目覚めてからその日の夜まで、その夢を引きずってなんだか気持ちが落ち着かず、おまけに思い出に浸りたくもなっていました。

そんな想いを抱えながら見上げた夜の学校は、私の知らない顔をしていて、でもなんだか懐かしくて。学校の前でしていたくだらないおしゃべりのことや、校庭でひたすら鬼ごっこに没頭したこと、その時一緒にいた元・好きな人のこと、私は思い出せるだけ思い出して存分に感傷に浸りました。そうして思い出したことがあります。それは、当時の私は目の前の「今」を全力で生きていたということです。思えば昔は大した悩みなどなく、数年後の高校生活や大学受験のことなど、一切考えたこともなかったなと。頭の中は給食か休み時間か好きな人のことか、未来のことでも放課後のことしか考えていなかったなと。それが気づけばいつの間にか、これからのことばかり考える人になってしまっていました。

知識があることやそれに基づいていて予測して動くことも確かに大切で、それができるようになったのは大人になったことの証なのかもしれません。しかし、そればかりになって肝心の今を楽しめていないようでは、本末転倒な気がしました。小・中学校の自分に立ち返り、その時代の心の軽さを思い出して、「今」を楽しむことの大切さに気が付きました。こんな大切なこと、いつの間に忘れてしまったんだろう。

PS. 自分へ
心配性はほどほどに。それよりも今、目の前で起こる幸福を取り逃がさないように、今を全力で生きてみてもいいんじゃないの。現実逃避がしたいときは、楽しい方へ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?