見出し画像

あの朝に

先日、夫がW杯の日本対ベルギーをテレビ観戦していて、その音で4時過ぎに目が覚めた。

なんとなく途中経過は気になったものの、起きて観戦するという選択肢は私にはなく、かと言ってすぐにまたお布団に戻るくらいの眠気もなく、ふと窓の外を見た。

そこにはきれいな、とてもきれいな空が広がっていて、私は思わず外に出た。

この色をなんと表現したらいいのだろう。

なんとか言葉にしたかったけれど、それは諦めてただ頭上に広がる空を見ていた。

私にとって、夏の朝、日の出前は乳白色のイメージだ。
朝霧が多い場所で生まれ育った私は、夏休みの自由研究に追われて朝まで起きていた頃、乳白色に覆われる景色をよく見ていた。
この世でないような、いつもの景色を覆う白。
それが私の夏の朝だった。

その山奥の地を離れたとき、夏の朝が持つ色彩に驚いた。
こんなにも心ときめく色を纏っていたのかと。

思わずこのまま外を歩きたくなる欲求を抑え、私はむすこの寝ているお布団に戻った。
そして、あの日本中で様々な感情が混じり合った朝に、眠りに戻った。


#夏 #朝焼け #ワールドカップ #鴇色 #霧 #早朝



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?