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休日の始まりにはコーヒーショップヤマモトで朝食を。下鴨で50年以上愛される自家焙煎珈琲店。【フードエッセイ】

厚切り食パンをどっぷり浸して、ジュワ〜っと溶けたバターにじっくり弱火で焼いてもこんなフレンチトーストできない唯一無二感。ご店主の温かな雰囲気とゆったり落ち着きある空間。店いっぱいに漂う焙煎珈琲の重厚感あふれる香り。もう休日の始まりから贅沢の極みでございます。

秋晴れの朝。今年最後の線香花火を鴨川デルタでしたこととか、下鴨神社を通り抜けたときには深夜12時前でその後にローソン寄って食べたパピコにからあげクン(チーズ味)がたまらなくうまかったこととか、そんなたわいもないことを話しながら、私たちはコーヒーショップヤマモトへと向かった。

店内に入ると焙煎された珈琲の香りがいっぱいに広がりそっとやさしく包み込む感じが心地よい。奥のテーブル席に案内され、私たちは席につきメニューを開いた。この間はフルーツサンドを食べたので違うものにしようとハムサンドウィッチ、たまごサンドウィッチ、和牛カツサンドウィッチなどずらりと並ぶメニューに頭を悩ませながら読み進めていると、ふとフレンチトーストと目があった。

"特製液に浸した厚切り角食パンをじっくり焼き上げた当店の看板商品です"

特製液に厚切り角食パン…!そんな誘惑な言葉を言われたら頼むしかないじゃないか。私は完全にフレンチトーストに心掴まれ注文を決心した。ちなみに相方はメニューを開いた瞬間「たまごトースト」と心きめていらっしゃったみたい(熱量差よ。

ついに、じっくりと焼き上げられたそれは私の目の前に到着した。ななななんたる黄金の輝き…そして圧倒的ふわっふわフォルムなこと。ダイブしてずっとうずくまっていたいくらいのふくよかボディ。フレンチトーストって食パンの半分以下の薄っぺらさになるんじゃなかったのか、家で作った時はぺらっぺらのカツみたいだったぞ。とわたし大興奮。そして食パン全身が特製液で満たされていて口に入れた瞬間とろけるなめらかな心地の幸せよ。しゅわああって溶けていくような優しさとほんのりとバニラの香りがふぁああって鼻いっぱいに満ちてゆく。フレンチトーストって食べ進めていくと途中からもうお腹いっぱいってなるけど、不思議とこれはナイフとフォークがとまらんのです。

このあと私は知る。たまご、牛乳、砂糖に20時間つけこんでいることを。見えないところでも丁寧に、じっくり焼き上げる。口でいうのは簡単だけど毎日やろうと思うと難しい。そういうところの積み重ねが唯一無二の美味しさを引き出している秘訣なのだと学んだ週末京都の愛しさよ。

ちなみに、昨晩の夜散歩帰り。パピコる前です。
鴨川での線香花火。夏の終わりがやってきた。

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