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子供モデルについて。親御さんにできる事。

私はかれこれ10年以上前から子供向け雑誌のヘアメークを担当させて頂いている。

色々なちびっ子モデル達とお仕事をさせて頂き沢山学ばせて頂いた。

子供達との接し方、親御さん、もちろん子供達が喜んでくれるようなヘアメーク。

もちろんやりやすい子、なかなかじっとしてくれない子、大人しい子、ずっとおしゃべりしたり手イタズラしたり。

率直にどんな子が撮影に呼んで貰えるか。

ズバリ、上がりが素晴らしい子。

多少やんちゃだろうが何だろうがカメラの前で最高なショットが撮れればよい。

ただそれがミラクルなのだ。

基本子供なので親御さんと一緒にスタジオへ入る。

ちゃんと目を見てご挨拶出来る子、親に促されて渋々挨拶する子。

次はスタイリストが用意した服に着替えて、ヘアメーク。

もちろんスタイリストが着替えを手伝うが、子供は遅いし、グズグズしたりふにゃふにゃしたり。

そこで親御さんが注意したりお手伝いしたりして着替え終了。

そしてヘアメーク。鏡に向かいきちんと座らないと、髪の分け目が曲がったり仕事が先に進まない。

もちろん大人より時間もかからないしやる事も少ないのですぐ終わるけど、今は着替えの時間、ヘアメークの時間、撮影の時間と、有限の時間の中で最高のショットを撮らないといけないので、スムーズに現場をこなすには親御さんの協力が必要不可欠となる。

そこで、普段から子供に甘く、言う事を聞かなくてもそのままにしていると、当然現場でも子供は親の言う事を聞かず好き勝手にしてしまう。

しまいには癇癪を起こしたりワガママ放題やりたい放題。

そして2度と呼ばれなくなる。

子供だろうが大人だろうが、お仕事なのです。記念にモデルオーディション受けてみよう!という方はとても多いと思います。

ただ、受かったら、「お仕事」なのです。

沢山の経費、人の数がかかっており、現場にはヘアアイロンや、ハサミ、大きなライト、バック紙など危ない物が沢山あるので、きちんと周りの大人達の言う事を聞き、時間を大切にできないとそれはもう大変な事になるのです。

それを子供だけに求めているのではなく、親御さんのご協力も大切だということ。

赤ちゃんや、小さな子に高度な事を求めているのではない。我々もプロである。どう対処するか心得ているつもりです。

かと言って、シャシャってここにブツブツが〜とかキズが〜と見れば分かります。プロにお任せを。

以前いたのは狭いメークルームにめいいっぱいおもちゃを広げる親子、大声でおしゃべりするマネージャー、親同士。休憩用に用意されたお菓子を子供よりバクバク食べる親。色々いました。

子供とコミュニケーションをはかろうとしても親が答えて遮る。わたしは後にカメラマンにその子の好きな事を伝え、それをネタに笑顔を引き出したりするから。

なので、きちんと子供をしっかりさせてくれ控えめな親御さんはとても人気が高い。

事務所に入っていなくても可愛い子はごまんといる。しかもちゃんとカメラの前で天使の笑顔を振りまけるのだ。

インスタなどでスカウトされている子もいるし、フリーで動いている子も沢山いる。

もしくは、子供タレント事務所に行って所属すれば、マネージャーがブッキングや、オーディションを回してくれる。

大きな事務所はレッスンを受けられるので色々安心だ。

後は一生懸命頑張れるか、楽しめるかだと思う。子供がイヤイヤやらせるのは本当に可哀想。

ダンスを踊らされたり、絵を書いたり子供は特に色々な事を求められるからだ。

しかも、オーディションや、宣材写真、現場でも私服で!という現場が多々ある。なので、服もそこそこなければならない。女の子親なら髪を結ったりもしなければならない。

自分の子は可愛いと思う。モデルをやらせたい親御さんの気持ちもわかる。

ただ、仕事として、現場には来て欲しいと思う。

以前バスの中で大声で電話をしている母親が、「うちの子今度何とかってテレビ出るのよ〜いついつ何チャンネルでー」と騒いでいた。

親が周りの状況を把握し何を今すべきか、丁寧に人との付き合いができないと、その子と一緒に仕事をしたいとは思わない。

現場はみんなで作り上げるものだから。

でも、可能性は潰さないであげて欲しい。本人がやりたいというのなら頭ごなしにムリよではなく、とりあえずチャレンジだけでもさせてあげて欲しい。

そう、クリーピーナッツの、「かつて天才だった俺たちへ」。




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