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1億浮かせて人生を取り戻せ!ー都内で理想の家を持つ方法ー

みなさん、こんにちは。はじめましての方も多いでしょうか。漫画原作者の星野と申します。noteは久しぶりなので、ちょっと要領を忘れてますが、いずれエンジンが掛かると思うので、お付き合いのほど、よろしくお願いいたします。

今回、新しいシリーズを始めることにしました。その名も『1億浮かせて人生を取り戻せ!』です。大きく出たと思うでしょ?その通りの大言壮語ですが、やることは小さいんです。まずはそのミッションと前提から。

これは理想の住まいを確保するための試みです。分譲団地を購入し、高気密・快適断熱(*注)の家にリフォームして快適な暮らしを手に入れ、なおかつそれが資産形成に繋がることを目標にします。

*快適断熱:我が家は高断熱を名乗るほどには断熱性能は高くありません。しかし充分に快適に過ごせるくらいには断熱が出来ているので「快適断熱」を名乗ることにしました。私の造語です。

ちょっと長いですが、ぜひお付き合い下さい。



<前提>

2023年、東京23区の新築マンションの平均価格が1億1483万円となり、ついに1億円を突破しました(「不動産経済研究所」のデータより)。

これを聞いてみなさんどう思いますか?所詮は他人事、自分には関係のない話、到底手が届かない…そう感じる人が多いのではないでしょうか。なにしろ東京都の平均年収は414万円(「doda(デューダ)」のデータより)なのですから。

一般的に住宅購入の適正価格は年収の5~6倍と言われています(私はこの数字も危なっかしいと思っていますが本筋から離れるので別の機会に)。つまり平均年収から計算した購入可能な家の価格は2000万〜2500万です。23区内で新築マンションを買うには9000万ほど足りない。先に挙げた年収で言えば、年収400万の人が1億2000万の物件を購入しようと思ったら年収の30倍です。この圧倒的な現実感のなさは誰でも分かっていただけると思います。

<賃貸vs.持ち家>

実を言うと私はこれまで賃貸派だったので、上記の話にも無関心でした。金持ちは好きにすりゃいいじゃん、どうせこっちには関係ない話だし…と。でもその一方で気になるというか生活してゆく上で嫌だな、と常々思っていることがありました。

それが冬の寒さと夏の暑さです。冬はエアコンやファンヒーター付けっぱなしで部屋を温め、毎朝窓の結露に悩まされる。夏は夏で最近の酷暑でエアコン付けっぱなしで体調を崩す…。これまでの体験で言えば、マンションよりも戸建ての方がよりキツかったです。

築年数の古い大きな戸建て賃貸住宅に住んでいた時は、冬の朝の室内気温が一桁台で外と大して変わらないこともありました。だからといって暖房を付けっぱなしにすると、なまじ大きな家(120㎡)だけに光熱費が爆上がりしてしまう…。夏は二階の暑さが酷く、エアコンを24時間付けっぱなしにしてやはり電気代が洒落にならなく…。

<中途半端な知識>

職業柄、建築や不動産について調べることが多く、どうやったらそれを解決出来るのか知識は多少ありました。一言で言うなら「高気密高断熱の家に住む」です。

気密性が高く(隙間のない)、断熱性の高い(外部の熱を遮断する)家であれば、外気の影響を受けづらく、夏涼しく冬暖かく過ごすことができるのです。冷房も暖房もちょこっと付ければ常に安定した気温で快適に過ごせる。海外では冬でも18℃を下回ってはいけないという法律がある国(例えばイギリス)もあるくらいですが、日本はまったくの無法地帯です。

それでも、最近の新築物件については省エネ基準への適合が義務化されていますが、既に述べたように東京で家族4人が暮らせるマンションを購入しようと思ったら新築で1億、中古でも5000万はするでしょう。しかも中古物件では相変わらずアルミサッシ(断熱性能が絶望的)の物件ばかりです。

<現実>

それでは、賃貸で高気密高断熱の物件はどれくらいあるでしょうか?このデータはなかなか見つからないので「賃貸 高気密高断熱」ってググッてトップに出てきた不動産検索サイトで調べてみました。

東京の新着(1週間以内)賃貸物件は281,672件、うちフリーキーワードに「高気密」を入れてヒットした物件はわずか622件、全体の0.22%です。

東京都の新着物件(12/17時点)
うち「高気密高断熱」のキーワードのヒットした物件

そのほとんどが新築あるいは築浅で家賃は高めです。家を選ぶ条件は他にも色々あり(立地、間取り、利便性等々)、諸条件を組み合わせて自分にあった物件を見つけるのは宝くじ並みに難しいのが分かります。

また、賃貸物件には原状回復義務があり、私が望む高断熱・高気密物件へのリフォーム(内窓の追加他)は出来ないのです。
ここで賃貸物件の選択肢が消えました(UR団地含む)。

<反乱>

では、どうしたらいいのでしょうか?庶民はただ泣き寝入りするしかないのでしょうか?
景気が悪いのが悪いすなわち政府が悪い、給与が上がらないのが悪いすなわち経営者が悪い、マネーゲームで無駄に住宅価格を釣り上げる外国人投資家及びその流れに便乗する日本人投資家が悪い…。
多分どれも事実だけど、それを言ったところで何かが解決する訳ではありません。でも…負けっぱなしは嫌じゃないですか。持てる者がすべてを手に入れ、持たざる者は一生日の当たらない底辺をうごめく。そんな社会に一撃くらわせてから死にたくないですか?そんな思いで始めたのが今回の試みです。
すみません、つい本音が飛び出しました(笑)。

<結論>

それでは、ここからが本題です。私が考えた解決策はずばり「分譲団地を格安で購入し、リフォームにより高気密・快適断熱化して快適に生活、月々の支払を10万円以上浮かせ、浮いた金額を投資に当てて資産を築く」です。

<成果と実践>

実を言うと2024年の6月に、都内某所の分譲団地(築57年)を1000万円で購入、400万掛けてリフォームして、あれこれ試行錯誤しながら現在に至ります。

今回、noteの公開に踏み切ったのも一番厳しい夏と冬を経験し、数々の実験データが揃いつつあるからです。

ちなみに窓からの景色はこんな感じ。


夏ですね
私の部屋の窓からの光景
居間の12月現在はこんな景色

個人的には、もうこの光景と日当たりを手に入れただけでオールOK!なんですが、暮らしてゆく上ではここから先が重要です。

築60年近い団地に内窓(インプラス)を付け、その他諸々の手を加えて高気密・快適断熱化(高断熱とまでは言えないのは別途解説します)、24時間換気を施して現在に至ります。

よく見ると内窓(焦げ茶)が見えるのが分かりますか?

本当はもうちょっとリフォームにお金を掛けて完全断熱化を図ろうかとも思いましたが、幾つかの理由があってあきらめました。まあ1番の理由は絶対に「1億浮かす」と言いたかったことなのですが…。結果的には、断熱してある部分、してない部分の各種データを取れて比較できたのでよかったと思います。

<生活環境>

今の暮らしにはかなり満足しています。駅から近いとは言えず(徒歩20分、自転車で7分)、しかし直通のバス便があり(バス停は建物のすぐ横に)、4人家族で車を2台、自転車4台(電動アシスト付き1台)を保有しています。

半径1km圏内にスーパー5店(coopと業務スーパー含む)、コンビニ8店、ホームセンター1店があり、スタバや星乃珈琲(仕事で使う)他の飲食店も多数あり、半径3km圏内にJRの駅4つ、私鉄の駅2つがあります。

敷地内には樹木が多く、四季折々の風景を楽しめます。人口動態的にも将来の人口増加が予測されている地域であり、高齢化は進むでしょうが過疎化することはないと思われます。

<温熱環境>

・平均気温(12/8~12/27)

平均気温

時々気温が下がるのは、朝に窓を開放して空気の入れ替えをしているからですが(極端に低い時があるのは温度計を外に出して実験したから)、それでも平均気温は19℃前後(暖房の設定温度は昼間20℃)で安定し、窓や玄関に結露はありません。暖房は各部屋にエアコンを付けてます。居間のエアコン1台でも充分ですが、気温の好みは個人差があります。私は空気が常に流れるのが好きではないので、エアコンは使わず足元に電気ストーブ(400w)を付けています。


・平均湿度(12/8~12/27)

平均湿度

湿度はこれくらい。冬は乾燥した外気を取り入れるので、加湿器が必須です。センサー付きで湿度を自動調節してくれるものをおすすめします。後半に湿度が上がるのは、大型の加湿器を追加したから。
ちなみに一晩中加湿器をつけっぱなしにしても窓に結露はありません。

・二酸化炭素濃度(12/8~12/27)

平均二酸化炭素濃度

建築基準法では、1時間に部屋の空気の半分が入れ替わることを定めています。これは主にシックハウス症候群を防ぐためと言われていますが、築年数が経っている今の家では建材の化学物資は既に揮発してると思われます。なので我が家では部屋の中の二酸化炭素濃度を目安として、1日の平均が1000ppmを超えないように機械換気を行っています。これが非常に難しくて、例えばリビングに4人が集まって1時間もいれば簡単に2000ppmを超えます。つまり高度な計画換気が大切なのですが、簡単には書けない問題なので次回以降に。


<生活>

平均気温19℃の生活がどのようなものかと言うと、トレーナーにスウェットの上下にルームシューズで充分、寝る時は綿毛布に掛け布団1枚で寒いと感じることはありません。
家の中はどこでもほぼ同じ気温ですが、浴室とトイレは平均気温17℃くらいです。これは浴室とトイレの外側が北側かつ外が階段室のため、外気にさらされているからで、このくらいは許容範囲ですが、浴室には防水の遠赤外線ヒーターの導入を検討中です。
夜はエアコンを切っても16℃くらいまでしか下がりませんが、換気によって湿度が下がってしまう(40%くらい)ので、夜間はエアコンを18℃設定にして加湿器を掛けています。
それでも一ヶ月の電気代は4,157円(メインのエアコンのみ、概算です)。

あくまでも目安ですが

<正式なタイトル>

今回の企画の正式タイトルは『平均価格1億1,500万の23区内の新築マンションには目もくれず、総額1,500万(手数料込)で分譲団地を購入し、浮いた資金で毎月投資を行い、将来のための資産形成を行い、自分らしい人生を取り戻せ!』です。

本当のところ、私は住宅業界の知り合いも多く、今回のnoteの公開には躊躇する部分もあるのですが……思うに地方で安定した給与をもらっている人、親が太い人、都会でも充分に稼いでいる人、この先住宅価格や金利が上がっても動じないだけのゆとりと与信がある人、不動産の値上がりで利益を上げられると信じる人…等々は、好きな物件を買っていただければと思います。これは別に皮肉でもなんでもなくそう思います。
残念ながら私がそれに当てはまらないだけです。

<絶対に責任は取れません>

ここまで書いておいて梯子を外すような真似で恐縮ですが、当然のことながら築60年近い団地ですから、色々な問題と取らなくてはならないリスクがあります。
私が考える1番のリスクは耐震性能が低いことで、今後大きな震災が起きたら建物が倒壊する可能性があることでしょう。なにしろ私が住む団地は旧耐震基準(新耐震基準は1981年に施行)ですから。

ちなみにURの発表ではUR団地は過去の2つの大震災でも大きな被害を受けていません。


上記サイトから一部抜粋させていただきました


この事実を知って私は団地購入に踏み切りましたが(ウチの団地はURの施工)、人にそれを簡単にはおすすめしません。ましてや責任なんて取れないので、もし今後団地購入を考える人がいましたら、すべては自己責任でお願いします。

さらに、入居してから色々分かってきましたが、古い建物の場合、給排水管の老朽化によるトラブルが増えてくるらしいです。具体的には水漏れなどですね。これはまだ経験してませんが、たとえ修繕に数十万掛かったとしても、リビングコストとして気にしないことにしています。それは1億円を浮かせた代償としては当たり前だからです。ただし、保険には加入しています。

<手に入れたもの>

新築マンションをあきらめることによって(いや最初から買う気は0なのですが)、私たちが手に入れたものが幾つかあります。


・長期のローン返済からの解放

住宅ローンの長期化が話題になっています。最長35年と言われたローンですが、最近は40年、50年という借入期間のローンもあると聞きます。他にも夫婦でのペアローン、親子での二世代ローンなどという商品を耳にするとさすがに……やめときましょうか(笑)。やりたい人は好きにすればいいと思いますが、その一方では住宅ローンの金利が来年にも上がると言われています。長期ローンは金利が1%上がっただけでも返済総額が数百万上がります(変動金利で3,000万を35年ローンで借りた場合は約600万の上昇)。
ちなみにウチは10年のローンを組みましたが、金利が上昇したら繰り上げ返済するかも知れません。ローンを早く完済すれば、その金額を全額貯蓄に回すことが出来ます。


・バッファ(ゆとり)の獲得

月々の返済額に余裕を持たせることで、浮いた金額を投資に回すことができます。これは株やNISAへの直接投資だけではなく、自己投資(資格や技術習得のため)だったり、子どもの学費(広義で見た時の未来に対する投資)に充てる資金が増えるということです。
賃貸で収入の1/4の物件を借りたり、高額物件を購入して高いローンを払い続ける限り、よほどの収入がない限りバッファは生まれません。持たざる者はいつまでたっても持たざる者、持てる者はそれを活かしてさらに持てるものになるのがインフレ時代です。バッファを獲得するということは「持たざる者」から「持てる者」へシフト出来るということでもあります。


・生活の充実

高い家を購入して節約生活を送る、暖房費を削ったり外食や旅行を我慢する…なんだか矛盾してませんか。いやライフスタイルは様々で好きなようにすればいいのですが、私には無理です(降参)。日々の細かい節約や我慢から解放され…るのですが、郊外に引っ越すと飲食代もスーパーの買い物も安くなり、駐車場代が掛からなくなり、高気密高断熱化で光熱費も減るので、結果節約は進みます。これは意外な結果でした。


・選択の自由

実はこれが一番大きいと思っていて、たとえばそうですね、私のようにフリーランスの仕事をしていると、いつ仕事がなくなるか分からない訳です。もし35年の住宅ローンを抱えていたら、その支払のために死に物狂いで仕事にしがみつかなければならなくなります。会社員であれば転職に躊躇したり、脱サラして起業するのをためらうのではないでしょうか。家計に占める住居費が少なければ(そして貯蓄が多くなれば)、人生の自由度は高くなります。
右肩上がりで給与が上がらず、物価が上昇し続ける時代に35年ローンというモデル自体に無理があるのではないかと思っています。

<価格について>

実を言うと、我が家の分譲団地の1,000万円という価格は、リフォーム前の物件としては高めです。都内でも600万前後の物件は見つかるし、地方なら300万前後もあるでしょう。300万の物件ならリフォームしても800万(最低限のリフォームなら500万)、これなら年収200万でも購入可能です(ローンが組めるかは金融機関と与信によります。なんなら親に頭を下げましょう)。
今は厳しい時代ですが、あきらめることはありません。
重ねていいますが、責任は取れません。でも本気で検討する人がいるならば、出来る限りのアドバイスはします。


<まとめ>

さて、いかがでしょうか。無事に人生を取り戻せたでしょうか?(人に聞いてどうする)
今の家を買って…そうですね、ここまでの半年は大満足です。夏涼しく、冬も温暖で、静かで日当たりの良い静かな環境が手に入り、手元資金が残るようになり、人生のハンドリングをいくらか自分に取り戻せたと思います。

思うに1億貯めるのは非常に困難ですが、1億浮かせる(地域によっては5千万、3千万かも知れませんが)のは難しいことではないのです。そして浮かせたお金で数百万から数千万の資産形成に向かえば、浮かせたお金と増やしたお金のいってこいで倍の蓄財が可能になります(理論上は)。

それと…ここではまだ語れないのですが、分譲団地には他の団地(例えば賃貸のUR団地)にはない決定的な違いがあります。不動産に詳しい人ならすぐに気づくと思いますが、これはいつか説明したいと思います。ヒントは窓からの景色です。

かなり駆け足で説明したので、具体的なリフォーム内容や物件選びの要点などに触れられませんでしたが、大体の概要は話せたかな、と思います。


<今後について>

次回以降ですが、今のところ以下のようなラインナップを予定しています。発表順はまだ分かりません。

・断熱化のいくつかのポイント
・換気の重要性とその方法
・暖房方式による二酸化炭素濃度の問題点
・大手リノベ会社への疑問
・物件の選び方
・賃貸と持ち家ではどう選び方が変わるのか
・持たざる者から持つ者へ(お金の話)
・資産価値を考える
・団地の種類について
・団地をおすすめする人、しない人
・歴史を担うということ
・35年ローン、あるいは長期ローンの功罪

お楽しみに!


<有料版について>

さて、ここから先は有料版になります。個人情報を扱うのでハードルを上げておきたいのと、様々な実証データを開示してゆくので、本当に団地(あるいは築古の中古マンション)の購入を考える人以外には面白くない部分になります。読み物としてはここまでで充分だと思います。

逆に真剣に物件を検討する人にとっては役立つ情報になると自負しています。

特に断熱と換気については実際にやってみないと分からないことが多く、私も後悔している部分、失敗したな、と思う部分が沢山あります。
だから私がそのリスクを引き受けます。すべて実験して、失敗して、改善して、後から続く人が遠回りをして無駄なお金を使わなくて済むようにします。

今回の内容は
「高断熱・高気密化の最重要点」
「物件の選び方」
「縁切り」
です。

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