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CSでベスト8になったので紙のシャドールの話

はじめに

「キトカロス禁止、フェンリル制限になったら紙シャドール使うわ──」
改訂と冬の寒さが近くに迫ったある日、私はそんなことを口にした。
マスターデュエルとバトグラに気を取られ紙の遊戯王をあまりやれてない昨今。
復帰の足掛かりにしようと組んだクシャトリラであまり勝てず、すっかりモチベも使うデッキも無くしていた。
しかし紙遊戯は定期的にはやりたいという気持ちだけはあり、とりあえず改訂後に復帰しようかなというのは漠然と考えていた。
勿論組むデッキは思いつかないが、とりあえず自分の中のシャドール使いたい気持ちと向き合いたかったのだ。
いや、向き合いたかったというのは嘘になってしまう。何故ならば、心の底ではそんなことが起こるわけがないと思っていたからである。
最近の改訂でデッキが組む意味を見失うほどに根幹から禁止になるということは少なく(【ガエル】における餅カエル?はて……)、フェンリルはかつてのサイバードラゴンのように次世代のパワーラインの基盤となるようなカードだと思っていたので放置されると思っていたのだ。
キトカロス制限とかはコナミ好きそうだしやるかな〜とは思っていたし、もしかしたら二つのうちどちらか片方だけは起こりうるかもしれないと思っていた。
まさか本当に言った通りの改訂なんて試行されるわけがない──

そのまさかが起こった。
起こったからには考えないといけない。私はシャドールを考えることにした。
まあシャドールは好きだし、そんなに勝てなくても楽しめればいいかな……

まあそれなりだったのでnoteのネタにする。

構築


サイドは割とうんこかも。壊獣は3で良かった

今回は60で使ったが、今期はかなりニビルを引きたいので40もありかもしれない。要検証。

アナコンダを失ったシャドールはこれまでの感覚で普通に組んでいてはマスデュエ環境のシャドールの劣化でしかない。
現マスデュエ環境ですら満足なパワーとは言い難いデッキなのに、そこから劣化して周りは軒並み強くなっている状況でどうして勝てるだろう?
というわけで何かブレイクスルーが必要になる。
天獄に加えて白銀姫まで入れた頭のおかしい罠型とか、ドグラの単体性能とレベルの強さに目をつけてドグラ型だったり、猫とかクローラーみたいな限りなく怪しい型もとりあえず考えた。
そしてまあ結局のところ、無難にカルテシアが強いという結論に行き着いてしまうのは必然なのであった。
カルテシアは一度無効にされても相手ターンに融合出来る、墓地に落ちても勝手に手札に戻ってくる、グランギニョルの存在から光か闇ならなんとでもくっつく……と非常に強くて便利であり、マスデュエに存在しないパワカであることから使うっきゃない!となった。
ちなみに実際使ってみた感想として、強い強いとは思っていたが体感的な強さは予想より遥かに便利であり、まさに女神のような存在と言えるだろう。生まれてきてくれてありがとう……
カルテシアのサーチとして烙印の気炎も検討した。が、エクストラの圧迫が激しすぎるというデメリットを背負って使うほどのカードとは思えなかった。
なのでここは追加の召喚権枠に枠を使うこととした。
最初は融合の枚数が多いこと、ティアラメンツを落としたいことからマスマティシャンを採用していたがカルテシアとの一貫性が薄く、噛み合わない手札になりがちなことが気になった。
マスマティシャンはシャドールの召喚権枠の中でも昔から1番好きなカードであり、出来れば使いたいのだが噛み合わないのはどうしようもない。アナコンダ禁止が痛すぎるのである。
そこでカルテシアと被った際に融合素材になり、相方に求めるカードが多く共通することから構築の一貫性を高くできるマギストスサンドリヨンを採用することにした。
正直な話、なんでも出来るマスマティシャンと比べてしまうため前からこのカードの評価は低くあまり気が進まないカードだったのだが、いざ使ってみると腐っても二枚初動で無難に強い。
融合魔法をサーチするのでガーディアンキマイラに繋げやすいのも偉かった。
何より光の比率が増えたこと、必須になるルートの消失によりアルテミスを抜いて枠を作ることが出来たのは大きいと言えるだろう。

先程話に出たガーディアンキマイラ。
かつて私は純シャドールにおいてキマイラはあまり強くないという評価を下したことがある。
純シャドールでは引き増しによって追加の戦力を引ける可能性に乏しく、単体で押し切れるわけでもないので論理的では無いと感じたのだ。
何より枠が無かったというのが1番大きい。
しかし枠が出来たので入れてみたらめちゃくちゃ強かった。
まあ実際引き増しによって追加の戦力を引ける可能性に乏しいという弱点こそ変わっていないが、通せばゲームを傾ける力がある除去力は流石に魅力的なのである。
そしてその弱点を補うカードとして三戦の号を採用。
キマイラで妨害踏んで芝とかサーチしたらまあ勝ちだろう。
先攻時は無難に様々なデッキに刺さる神智デスサイズをサーチする。
号は一度は使ってみたかったカードだったのでこの機会に使えて良かったと言えるだろう。

キマイラのお供として融合サーチギミックは必須だが、沼地の魔神王かデストーイパッチワークかの選択になる。
パッチワークの強みは手札が増えるのでキマイラとの相性が良いこと、闇を加えるのでカルテシアとの相性が良いこと。
沼地の強みはカルテシアとして扱えるため誘発やサンドリヨンと融合出来ること、デッキ内にゴミが入らないこと。
それぞれ一長一短だが、私は沼地を採用した。
シャドールというデッキ、とにかく余裕がないため光でないゴミは極力少なくしたいのである。
初動としての受けの幅が広いのも有り難い。

カルテシア、サンドリヨンを軸としたことによりシャドールモンスターの枚数は多めに取る必要が出来た。
アナコンダがいなくなったこと、リンクネフィリムが抜けたこと、アルテミスもいないことからシャドールビーストが抱えていた「そのまま召喚出来ないため邪魔になるケースが多い」という欠点が相対的に大きく緩和された。
なので思い切ってビーストをガン積み。以前はあり得ないと言えた方針だが、使用感としては特に気にならず普通に良かったので正解と言えるだろう。

エクストラは悩んだが、ルーンとエルドに対する役割を確かなものにするためにネフィアプカは削れなかった。
結論としてルーンは関西では全然姿を見かけなかったので、アプカローネは2積みでいいかもしれない。
基本的な方針としては前と同じように先攻ではルーク含めた2妨害以上を目指すのが理想だが、ミドラで止めた後に迅速にライフを取るためにクロシープセレーネアクセスギミックは引き続き採用することになった。

そしてグランギニョルと相性がよく初動にもなるドラグマセットを入れ、後は光の誘発を添えて完成である。

……何か忘れていないか?

イシズとティアラメンツについて

ケルベクを代表とした通称イシズモンスターと前環境の絶対王者ティアラメンツ。
これらはシャドールと相性が良く、非常に高い爆発力を誇るカードである。
現に私以外のCSに出ている紙シャドール使いは確認できる範囲では全員がこれらのカードを使用していた。
では私は何故採用していないのか?
意地?好き嫌い?確かにそれらもあることは認めざるを得ない。
ティアラめちゃくちゃ入ったリストをシャドールと認めないとまでは言わないが私が思うシャドールらしさからは離れていると思っている。
だが実際そんなファンデッカスじみた気持ちだけでなく、そもそもイシズティアラギミックをシャドールに採用することはあまり論理的でないと思っている。
キトカロスが消えてシェイレーン制限になった今、手軽にガチャするのが難しくなった。
ケルベクアギドはティアラ要素を除けばシェキナーガかキマイラの素材にするかアプカの効果で落とすかしなければガチャ出来ない。
デッキを回すためにガチャするのに、それなりに回せてる前提でないとガチャ出来ないのである。
キマイラやアプカはともかくシェキを出すくらいなら光を素材にしてネフィでそのまま回しに行く方が絶対良い。
ティアラメンツはお手軽にダブルミドラしたりグランギニョルと相性良かったりと幾分か使いやすい。
しかし序盤に使ってしまうと墓地が無くなってしまいルークが腐ってしまったりする。
というかどの環境でもエルシャやルークを絡めず出てくるダブルミドラは別に強くないので、そのティアラが光だった方が強かったのでは?みたいなケースが多発する。
ティアラは中盤以降のリソース戦において真価を発揮するのだが、そもそもそこまで漕ぎ着ることの方が大事なのではないかと私は思う。
沼地と合わせるとかなり強いのだが、沼地とセットで引かないといけないのは要求値が高いと言える。
そういうわけで既存のシャドールにティアラとイシズを少数突っ込むのは論理的でないと考えているため、今よく使われているようにデッキ全体をイシズティアラを活かしたいという気持ちで組む方が理に適っているだろう。
しかしこれにも問題点がある。
メインもエクストラも非常に枠を取りすぎてしまうため、元々の役割対象であったエルドやルーンのようなデッキに対する優位点が消失しているように見えるのだ。
個人的にシャドールというデッキは先攻展開でミドラルークとかすればまあ大体の対面は見れて、ミッドレンジ的な相手はそれなりに捲れて、なおかつミドラが効かない低速デッキの多くにも有利を取れている辺りが好きな所だし、存在意義だと思うのだがシャドール要素を削っていくにつれて最後の部分が怪しくなると見ている。
何故なら削った結果1番残したいのはミドラ関連要素だからである。
まあその手のデッキは基本的にパワーは高くなく、永続は素引きに依存しているので別に勝てないということはないと思われる。しかし論理的な勝ちパターンを構築段階で薄めてしまうのは役割対象が変化することに間違いはないだろう。
丸さを捨て、環境に適しようと爆発力を手にする例は他のデッキでもよくあることではあるが、イシズティアラ要素にそれほどまでの魅力があるのか否か、そこはよくわからない。
ただ、私の好きな方向性では無いため今後もそちらに行くことは恐らく無いと思われる(と言いつつ商品券でケルベクを買ったが……恐らく組むとしたらシャドールではなく、展開系を組むと思われる)

ちなみにジェネリックアナコンダことスプライトスプリンド→ティアラメンツメイルゥギミックは例外で、シャドールギミックを回して出来るギミックなため採用は全然ありだと思っている。
前述の通りルーンを強く意識して入れたアプカ3枚目の必然性を怪しく感じたので、そこの枠に入れる可能性が高いかもしれない。
その場合はシャドールファルコンは必須となるだろう。召喚権が余っているならヘッジ素材ネフィでミドラルークなのは流石に偉い。

おわりに

シャドール、思ってた以上にいけそうだし楽しいし好きなのでしばらく使い続けたいと思う。
同日に別の人はティアラシャドールで優勝しているし、シャドールが比較的動きやすい環境であることは間違いないだろう。
出来れば次パックで環境がぶっ壊れないことを祈るばかりである。

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