【仕事編・レンタルビデオ屋③ 引っ込んでいた自分が顔を出す】 0ポイントと出会う旅
寒いです。
気温が一気に下がっています。
ぷるぷるぷる。
寒い。
前回はレンタルビデオ屋での作品の仕入れについて書いた。
今回は、仕入れた作品を店内に陳列する棚作りについて書いてみたい。
「棚替え」と呼んでいて、棚替えはアルバイトもやったりはするが、店長に決定権があることが多かった。わたしは自分が店長の立場だった時、店長という役割はしたくもない指導をしてアルバイトに憎まれて辟易していたが、この「棚替え」は、「よっしゃ」という感じだった。
自分で棚を変えられる。
お客さんのニーズに合わせる棚はもちろんある。新作コーナーもある。ジャンル別もある。監督コーナーは、店舗の広さに余裕があれば作る。話題作品と関連作品のコーナーも。
ここまではどの店舗でも同じ。
わたしは、その範囲を超える。
古くても、これは、という作品を放っとけない。
見向きもされないで消えていくのが嫌だった。
新作が入荷してくるたびに店から下げる作品を選ばなくてはならない。棚は有限だからだ。
下げる作品を選ぶのは、「数字」だ。
レンタルされている回数を見て決定される。
ちょっと待って。
それ、ここ一年レンタルされていないからって廃棄するんですか。
廃棄されたら、この作品は二度と見ることができないんですよ。
わたしは憤った。
この作品がレンタルされていかないのは、レンタルされる工夫を店が怠っているからじゃないんですか。
そう、思っていたのである。
わたしの勤務するレンタルビデオ屋はコアな店じゃなかった。普通にメジャー作品がたくさん出る店だった。
だから、なんの使命感だ、というような感覚なのだった、これは。
わたしは見た目も存在も普通。
特別オタクでもコアな趣味の人にも見えない。
実際、メジャー作品も好きだしでもコアなものも見る。
見た目からはぜんぜん説得力が発揮されない。
だから、わたしは、行動する。
店舗の一角の棚を「興味深い」に変えたのだ。
今から思えばこの行動自体が現在の自分よりよっぽどイケてる。
わかってもらえなければ行動する。
だがその後、なんか浮いちゃうことになることを、まだ知らない。
だんだんわたしは居づらくなっていく。
「馴染めない」わたしから、「人に向かって見せる自分」が立ち上がり、でもちょいちょい「馴染めない」だった元々の自分を発揮して、ぐるぐる回ってしまうのだった。
0ポイントでしかない存在→集団に入る→馴染まない→集団の輪っかを知る→集団の輪っかに寄せて行く→0ポイントが背後に退く→苦しい→がんばる→0ポイントが「欲求」の顔をして出てくる→行動する→浮く→馴染まない→集団の輪っかを知る→…… 以下同じ
だがわたし本人は、うまくやっていこう、としていた。
つまり、わたしなりにがんばってはいたのだ。
次回はこの続きを書けるだろうか。どうだろうか。
※ここに出てくる言葉はまとめています。
ひとりよがりな主観の言葉です。
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