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【仕事編・臨床検査員】 0ポイントと出会う旅

今日も早起きに成功して気分のいい今朝です。

高校を卒業するときに就活をした。
校内の壁に貼られている求人情報を見ながら、「これで一体どれほどのことがわかるのだろう」と、疑問を持たない他の生徒の中にあって不穏な感じを思っていた。

大半が事務の求人で生徒も事務を希望するのに、わたしは事務ができる気がしないし、興味が全く湧かない。なかなか受けたい会社も決まらず、まるで一人浮いたようになっていた。

わたしは工業化学科という科で、工業化学科を出たからといって、その専門性を活かす就職先などない。そういうのは、大学で専門性を極めた人にあるものだった。

いくつか事務以外の仕事の就活を行なって落ちた。
いよいよ、卒業したら一体どうするのだ、という感じになっていた。周りはほとんど就職先が決まっている。


わたしはある先生の勧めで臨床検査センターに就職することになった。ぷらぷら〜っと余っていたから頂けたありがたい話である。
臨床検査技師とは、血液の成分を解析してデータにする。
例えば、コレステロールの値とか血糖値とか、血液検査項目のデータがそれにあたる。

その検査センターには、わたしと同じ科の卒業生も数名過去に入っていた。
臨床検査技師は国家資格だし、ほとんどは大学、専門の学校を卒業している人しかなれない。
だからわたしや同じ科の卒業生は臨床検査技師、ではなく、臨床検査員だった。

〔やること・タスク〕
事務作業
・検査を依頼してくる病院名と患者名と検査項目をパソコン入力する
・通し番号がついているので、番号と入力内容が合っているか確認する
・検査が終わったらデータを入力する
・不明な点は病院に確認の電話を入れる
・全てのデータが出揃った患者のデータを紙データで出力する

作業
・パソコン入力されたデータと同じ番号を検体(血液)にナンバリングする
・検査項目に従って遠心分離機にかける
・血清を試験管に取り出す
・遠心分離して不要になった部分を廃棄する
・空いた試験管を洗浄、洗浄器にかけ、乾燥させる

検査
・自分の担当する検査の依頼がある検体番号をリストに出す
・検体(血液)から検査に必要な分量を分ける
・検査の実験を行う
・データをとる
・高すぎる値など、再検査が必要と判断したら再検査を行う

勉強
・化学の知識は日進月歩なので新しい知識をいれる
・国家資格を持っていないわたしたち高校卒業組はさらなる勉強が必要

〔環境〕
・検査員・検査技師の最終学歴は大学、専門学校、高校、いろいろだった
・検査員・検査技師の事務作業以外に、給与や社外とのやりとりなど別に事務職員がいた
・検体を病院から集配、出力した紙の検査データを病院に届ける、営業職がいた

業種が違っていたので、勤務時間帯が少し違っていたり、仕事内容が違っているので境界のようなものが存在していた。
事務のことは検査員・検査技師はよくわかっていないし、検査員・検査技師のことは営業さんはよくわかっていない。病院からの集配が遅くて、検査員・検査技師がパソコン入力するのが遅くなり苛立たせたし、なぜなら、帰る時間が押すから。
けど、道が混んで車が進まない、検査員が待っている、というイライラを検査員・検査技師は共有できない。
立場が違うことで「わからない」「理解できない」「でもイライラする」みたいなことは日常茶飯事に起きる。

中には、マイペースな営業さんがいて、自分の好きなように有給休暇とるし、時間外勤務は絶対にしない、宴会にも参加しない、わざとかと思うくらいにその人の就業時間終了間際に集配した検体を持って帰ってくる。
当時は、「自分勝手!」と、いろいろな人が不満を口にしていたし、忌み嫌われていた。
でも、なんか、どうなんだろう?それは、間違っていることなのかな?自分の都合を優先するって。
って、わたしは少し感じていて、でも、他の人の前では言えなかった。当時は、会社優先が、当たり前な時代だったのかもしれない。
今なら、有給休暇を自由にとったり、就業時間を越えないで働いたりは、優先されるべき当然のことだ。
社会の通念って、変化するのだ。


これが19歳〜23歳までの5年間にわたるわたしの「働く」だった。今から35年くらい前か!!

いろいろ、変わるねえ〜。


次回は、この「働く」について「粒と星座」の視点から記述できたらなと思っている。


※ここまでにでてきた言葉はまとめています。
ひとりよがりな主観の言葉です。


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