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鑑賞実践講座⑥|振り返り
鑑賞実践講座 第6回|振り返り
日時|2024年11月10日(日)13:00〜16:00
会場|川崎市役所本庁舎 304・305会議室
講師|三ツ木紀英(NPO法人芸術資源開発機構(ARDA))、近藤乃梨子
内容|
・VTSをつかった企画作り
・振り返り
前回のツアー実践からひと月おいて、鑑賞実践講座の最終回です。
1人ひとりから提出されたツアーの振り返りからピックアップした記述と、それに対するコメントを三ツ木さんから添えながら、改めて時間が経ったところで客観的に振り返りを行いました。さらに参加者アンケートからの意見や、自分のグループだけでなく他のグループのアイデアや知恵を取り入れ、工夫して良かった点やもう少し改善できた点などを再考しました。
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振り返りで出た意見や考えを糧に、チームを新たに組み替えて、今日の本題の企画作りに入っていきます。
鑑賞実践講座では、1回目から5回目まで、VTSの基礎から始まり、実践への応用までを通して、「作品を介した対話の場作り」を行ってきました。最後は、その経験をさらに自分たちの活動に落とし込んでいけるように、VTSを活かしたプログラムを模擬的に作ってみます。今日で講座は一旦終わりますが、自分たちで鑑賞の場作りを発展させていけるようになってほしいと思い、講座の最後に用意しました。
企画作りには、「企画のコンセプトシート」と「企画の具体化シート」の二種類のワークシートを用います。
今回は「ミューザ川崎で働くビジネスパーソンを対象とした対話型鑑賞を活用したプログラム」という枠組みを設定しました。三ツ木さんから提示された企画作りのポイントは「対象×文化芸術資源=狙い・目的」であること。そして対象と文化芸術資源の掛け合わせ方は、ことラーそれぞれの強みや得意なことの活かしどころであること。今回は、その掛け合わせ方のひとつとしてVTSの活用を条件としました。
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まずはコンセプトシートのテーマや対象、制約や条件など、埋められるところから記入していきます。
項目間を行き来しながら、3〜4人のチームで話し合いを進めていきますが、対象のイメージがなかなか定まらなかったり、いつの間にかVTSが目的になっていたりと、苦戦するチームも見られました。
三ツ木さんはなるべくことラー自身で発想していけるように見守りながら、時々するどいツッコミを入れて足りない視点や必要な後押しを補ってくれます。三ツ木さん自身が常に講座でVTSをしながらあらゆる可能性を担保してくれているように感じます。
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「これをするなら、あれが狙える。」「これを狙いたいから、あれを試してみないか?」というように、ワークシートの内容と狙いの項目を行ったり来たりしながら肉付けをしていきます。
ワークシートを使いながらの企画は、検討が足りていないところや外せない条件などが明確になっていき、シート自体が企画書にもなるので、複数人での擦り合わせが必要なことラボにも活用できそうです。
企画作りの中で、自身の実体験を企画に拡張していき、働く人の家族が、その環境や資源を知ることができ、働く人を応援できるようになる、気持ちよく仕事に送り出せるようになる、といった家族の関係性に着目したチームがありました。
ことラーにとって、自身の実体験は何よりの拠り所になります。自身の小さな気づきを種として、そこに他のことラーのアイデアを加え、そのチームだからこそ生まれるオリジナルの企画が、この講座の後に生まれてくるといいなと思います。
最後に、1月に控えている実践プログラム「ウキウキみるみる アートクルーズ」の実施について共有し、学びと実践のプロセスを循環していくサイクルに入っていくことを皆で確認して、初年度の鑑賞実践講座を終えました。
全6回をやりぬいたことラーのみなさん、お疲れ様でした!
伴走くださった三ツ木さん、ARDAのみなさんもありがとうございました!
(こと!こと?かわさきプロジェクトマネージャー 近藤乃梨子)