鑑賞実践講座④|プログラム実践2
鑑賞実践講座 第4回|プログラム実践2
日時|2024年9月23日(月・祝)10:00〜15:00
会場|ミューザ川崎シンフォニーホール 企画展示室
講師|三ツ木紀英(NPO法人芸術資源開発機構(ARDA))
内容|
・鑑賞ツアーに向けた準備(ルートプランと作品研究)
・模擬ツアーと振り返り
鑑賞実践講座4回目です。
今日は、次回のミューザ川崎のパブリックアートツアーの実践に向けての準備を1日かけて行います。
午前中はツアーのチーム毎に、ルートと鑑賞する作品の研究をします。
今回のツアーでは、ことラーがペアで1つの作品をファシリテーションすることになりますが、鑑賞するパブリックアートは大きな作品です。2回目の講座で行ったような机上での作品研究や、これまでのコーチングで取り上げた平面作品とは異なり、どのように作品までを案内していくか、広い空間でどこに立って見てもらうか、二人の役割分担とどんな声かけから始めるといいか、など、前回自分たちが体験したツアーを思い出しながら、作品をよく味わうためのイメージを育てていきます。
ことラーの実践は、ミューザ川崎の企画展示室を出発し、作品を鑑賞して、また展示室に戻ってくるというツアー形式で行います。作品までの道のりや、途中の話題作りなども入念に準備します。
午後は、午前中に作ったツアーをことラー同士でトライアルしてみます。
模擬ツアーを実際にやってみると、思っていたよりも準備が足りないことが明らかになったり、自分たちが緊張しているとそれがそのまま参加者に伝播してしまうことなど、いろいろな課題が見えてきました。
ただ作品を一緒に鑑賞すれば、楽しいアートコミュニケーションができるわけではないのです。
豊かなアートコミュニケーションの場を作っていくのには、そこにいるチームのことラー全員がお互いの役割を理解し合い、お互いがお互いをフォローし合えるチームワークや、信頼関係が力を発揮します。ことラー自身がツアーを楽しむ気持ちも大切な要素です。前半の模擬ツアーでは、ファシリテーションを担当したことラーも、参加者役となったことラーも、大きな学びを得ることができました。
ことラーの中からは大失敗したと反省する声も聞こえましたが、初めからうまくできる人なんていません。こうした小さな躓きを振り返り、次に活かしていくことがとても重要で、むしろ早いうちに小さな躓きをたくさんした方が、充実したアートコミュニケーションを育んでいくことができると思っています。
前半を担当したチームの振り返りから後半を担当するチームが学び、後半のツアーでは課題をクリアしながらの実践が行われました。
講座を選択していることラー全員での学びのステップアップがとても力強く、先輩がいない中で自分たちでアートコミュニケーションを形作っていく1期ことラーの頼もしさに触れた瞬間でした。
みんないい笑顔で戻ってきて、ホッとした空気も流れていました。
次回の実践の鑑賞ツアーでは、アイスブレイクのワーク、VTS、ツアーと初めての実践活動としてはやることがたくさんある、レベルの高いことをやろうとしています。
今後、まちの中でアートコミュニケーションをしていくときに、その環境をどう作っていけるのか、というのは、大きな課題でもあります。私自身も、屋外での鑑賞活動は様々な要因が共存し、うまくいかなかったこともたくさんあります。だけど、一緒に取り組む仲間がいたら、環境は作りやすくなるんじゃないかと思っています。
VTSは相手のことに興味を持つことから相手の言葉を聞きやすくなっていきますが、それをチームワークにも発揮して、「みんながいるからできる」感覚も合わせて体感していってほしいと思っています。
(こと!こと?かわさきプロジェクトマネージャー 近藤乃梨子)