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アラサーおんなの瀬戸内海周辺ぼっち旅行記

 旅行記を書こう書こうと思い続けて結局旅行した日から3ヶ月経ってしまった……。でも今こうして3ヶ月前を思い出しているとあの日の海や空やいろ〜んな光景が鮮明に蘇ってきてうわ〜!また行きたい!という気持ちになりながらこれを書いてます。
 2、3年温め続けていた瀬戸内海周辺ひとり旅プランをついに実現できた夏。しかも初めての4泊5日という長旅。めちゃくちゃ楽しかったのでその備忘録を綴ります。

 旅の主な行程は以下の通りです(●はその日のメインイベント)。
7/12(金) 仙台空港→神戸空港→鳴門宿泊
7/13(土) ●大塚国際美術館
      鳴門→高松宿泊
7/14(日) 高松→豊島
      ●豊島美術館
      豊島→小豆島宿泊
7/15(月) オリーブ公園
      ●二十四の瞳映画村
      小豆島→姫路宿泊
7/16(火) ●姫路城
      姫路→神戸空港→仙台空港

 四国も姫路も瀬戸内海も行くのは初めてでした。 本当は6泊7日にして倉敷とかも行きたかったんですがこれ以上は休みが取れないので泣く泣く諦めました…。でも4泊5日でだいぶお腹いっぱいだったので結果的に今回の行程にして正解でした。
 ちなみに私は何が何でもスーツケースを持ちたくない女なので、荷物はリュックとユニクロのショルダーバッグの2つにぎゅぎゅっとまとめました。一ヵ月前に通勤用に買ったモンベルのビジネスリュックがめちゃくちゃ役に立ちました。持ち物も今回かなり試行錯誤したのでそれについてもいずれ書きたいところです。
 それでは、以下旅の詳細です。


〇7月12日(金)
 9:45発の飛行機で神戸へ。
 出発1時間ちょっと前に空港に着くようにしたらほとんど待ち時間無くスムーズに搭乗できました。いつも窓際の席を指定しているので早めに搭乗できるのもうれしい。しかもたまたま隣が空席!これは幸先がいいぞ~とホクホクしていたのですが、この時あることに気づきました。も、もしかしてヘアアイロン忘れた…?
 後ろの髪はパーマをかけているし最悪まとめてしまえば大丈夫なのですが、問題は前髪です。前髪がふわっとくるっとしているかどうかは、おでこの広さがコンプレックスの私にとっては死活問題なのです。
 いくら記憶を辿れどもヘアアイロンをリュックに入れた記憶は一切無いし、そもそもヘアアイロンの電源を切ったかどうかさえ疑わしくなってきました。というわけで旅行1日目のこの日は1日中頭の片隅に「大丈夫…だよな…」というもやもやした感情が浮かんだり消えたりで中途半端な1日でした。

 11:10神戸に到着。神戸空港は何度も訪れているので馴染みがあります。
 神戸空港から鳴門まではバスで行きます。発車時間まで1時間半ほど時間があったのでとりあえず空港内のうどん屋さんでお昼を食べました。あ、まだ香川じゃないのにうどんを食べてしまった…と食べてから気づきました。
 ちなみに展望デッキからさらにエスカレーターで上がったところにある小さな展示室(KOBE ZONEというらしい)には、入って右側に机と椅子が並んだスペースがありまして、ゆっくりするにはちょうどいい穴場です。空調はあまりきいてないですが。

 12:55、鳴門行の高速バスに乗車。
 到着まで2時間ほどあるので途中ちょっと寝たりしたのですが、ふと目を覚ますと明石海峡大橋を通過して淡路島に着いたところでした。景色がすごくきれい!海沿いの棚田がきらきらしててとってもきれいでした。
 あとなんかその辺に生えてる植物の感じが東北と違うな…と思いました。種類が違うのか生え方なのか具体的に何が違うのかよくわからないんですけど…なんかもこもこもさもさ元気いっぱいな印象を受けました。

 さて、鳴門にたどり着いたようなのでGoogleMapを開いてどの辺を走行中なのかちょこちょこ確認していたのですが、ふと気が付くとなぜか降車地から遠ざかっていることに気づきました。あれ!?降りそびれたのか!?と慌てて降車ボタンを押してよくわからない地名の場所で降りました。地図を再確認すると降車予定だった美術館まではそこそこ距離がありましたが、歩ける距離だったのでぶらぶら歩いて行くことに。
 ちなみにバスはあの後Uターンして美術館に行く予定だったみたいです。こういう早とちりまじで多いんですよね…もうちょっとちゃんと確認しようね…

 天気悪い予報でしたがこの日は快晴でした!焼け付くような日差しの中汗だくで歩いていると砂浜が…

 内陸で生まれ育った人間なので海を見るだけでテンション上がります。時間はたっぷりあったのでちょっと波打ち際まで行ってビーチコーミング的なことをしてみました。思ったよりたくさんシーグラスが落ちてましたがあんまり角は取れてないみたい。

 本来降りる予定だった美術館の前を通り過ぎてホテルへ向かいます。ちなみにここまでの道中、海で遊んでる人以外で歩いてる人まじでいないです。みんな車です。ホテルでも車のナンバー聞かれました。そりゃそうか。
 1日目に泊まったのは「鳴門海月」という鳴門の先端部分に位置しているホテルです。まじで先端なのでロビーの窓からの景色が最高。窓が山側を向いている部屋はワケアリということで安く泊まれました。部屋からの景色は楽しめませんがロビーは大絶景ですしウェルカムドリンク付きだし大浴場もあるのでめちゃくちゃいいホテルです超おすすめ。

翌朝撮ったやつ。到着した日は快晴でした


 チェックインしてからすぐ外に出て、鳴門海峡大橋の中にある「渦の道」という施設に行ってみました。渦潮を真上から見ることができます。

 写真はきれいだけどめちゃくちゃ怖い。上を普通に車が通ってるんですけど通るたびに揺れるんですよね道が。高所恐怖症も相まってただただ恐怖。510円払って入場したはいいものの怖すぎてずっと速足でした。
 ホテルの周辺に色んな散策路があったのであちこち歩いてみました。灯台の方に行ったり「四国の道」というところを通ってみたり。

なんか虫が多くてビビりながらの散策

 そのあとホテルに戻ってはやめにお風呂に入りました。夕飯の予約はしていなかった&周辺のお店の閉店が早いのは先に知っていたので、ホテルの売店で夕飯を調達。なるべくご当地ものを選びました。

ご当地不健康

〇7月13日(土)
 さて、この日は丸一日美術館デーです。ホテルから無料のシャトルバスで美術館まで送ってもらえました。ありがたい。
 この日の目玉、「大塚国際美術館」です。でかい!んだけど外観撮り忘れました…
 開館まで少し時間があったので待合室で待っていたら警備員さんが来て「これからシャトルバスのお客さんがたくさん来るので早めに並んでいた方がいい」とのこと。言われたとおりに並んでいるとたしかに人がドカドカやってきました。想像以上にすごい人。家族連れと夫婦が多い印象でした。
 開館時間になったのでチケットをピッとしてめちゃ長いエスカレーターに乗ります。エスカレーター降りたところにコインロッカーがあったのでリュックを預けました。身軽~
 そこから真っすぐ行くとあのシスティーナ礼拝堂が!すごいでかい!怖いくらい!

恐怖を感じるデカさ

 ただ既に人がすごかったので礼拝堂は後で見ることにして先に進みました。ここから上に行くにつれて時代が新しくなっていく展示の仕方らしい。
 この「大塚国際美術館」、世界中の名画のレプリカ(陶板)を大量に展示している美術館です。写真OKなので歴史の教科書にのっているような超名画とツーショットが撮れます。作品を撮るだけではただの資料なので、ここぞとばかりに名画とツーショ撮りまくりました。さすがにツーショは載せられないですが。

いちいち怖いのよ、デカすぎて
モネの睡蓮の壁(?)
これが1番人集まってた
お昼ご飯はヴィーナスのカレー
濃厚すぎる空間


 まじでバカ広いので一周するにも時間がかかるのですが、この日は一日中美術館を見るだけの日だったので、ショートカットしつつ結局3周くらいしました。あと最後の一時間くらいは軽く模写してました。めちゃ楽しかった。

  これから大塚国際美術館に行く人に伝えたいこと↓
・めちゃくちゃ広い。そんなにゆっくり見なくても一周3時間くらいかかります。
・めちゃくちゃ人が多い。減ることはありません。夕方にかけてどんどん増えます。見たいものはさっさと朝に見に行ったほうがいい。
・なので順路に従うよりガンガンショートカットしてお目当てを先に見に行った方がいい。お目当てが何階あたりにあるか事前に調べると良いと思います。
・食べる場所は3箇所くらいありました。そんなに混雑していた印象はないので食事の心配はしなくて大丈夫だと思います。
・ミュージアムショップは割と小さい。商品もそんなに多くないしこちらもあまり混雑していた印象はないので、帰り際にさくっと見るだけでいいと思います。

 私は古代の作品郡の知識が無かったので最初からさっさとルネサンス期バロック期あたりの階に行ってゆっくり見ればよかったなーと反省してます。でもあまりにも濃厚な時間で最高でした。

 歩きすぎてだいぶぐったりしながらバスに乗り、19時頃に高松に着きました。

初めて味わうダシだった…

夜ごはんは高松駅の中のお店の讃岐ラーメン。ダシがきいててめっちゃおいしかった。この日泊まったホテルは思ったより年季が入っててちょっとビビりました…

〇7月14日(日)
 ついに船に乗って瀬戸内海へ行く日がきました!この日は高松港→豊島→小豆島の順にまわる予定でした。船のチケットは事前予約ではなく乗る前に買うスタイルみたいです。あいにくの雨模様…

 港付近のカフェで朝ご飯を食べてから出発の20分ほど前に乗場に向かいました。すると既に列ができている。とりあえず並びますがなかなか進まない列。後ろに並んでいた中国人の観光客が不安に思ったのか売り場前と列を行ったり来たりしてました。
 ようやく売り場に近づいたとき「満船」という言葉が聞こえました。ま、まじか~。とりあえず売り場に行くと「座席は埋まってるけど立って乗ることは可能。ただこの雨模様なので濡れるかもしれない」とのことで、このまま乗るか次の便に乗るかの選択肢を提示されました。次の便の出発時間は一時間ちょい後です。美術館の予約もあって悩みましたが、濡れるのは嫌だったので次の便を待つことに。
 出発時間までそこそこ空き時間ができてしまったとはいえ、あまりギリギリに来るとまた乗れない可能性があることを考え、港を離れないことにしました。こんな時のために本を持ってきていたので、乗り場前のベンチでひたすら読書。持ってきてよかった~

 時間が来て船が到着しました。思ったより小さい!これはすぐ満船になるはずだわ…
 全然揺れないし横殴りの雨というわけでもないので立ちでも全然問題なさそうでした。スプラッシュマウンテンみたいなやつ想像してました。でも早めに並んだおかげで快適な船旅でした。

 一時間ほど船に揺られたあと、豊島に到着。
 船を降りたあとすぐバスに乗る予定だったのですが、トイレに行っている間にバスが超満員になってました。泣く泣く乗車を断念…

 急いで他の手段を探します。レンタサイクルは雨のため貸出中止でした。
 次のバスは一時間半ほどあとに来るようですが、美術館の予約時間には間に合いません。とはいえ予約時間を過ぎても入れるには入れるとのこと(その場合待ち時間は発生するようです)。なのでこれは最終手段にしました。
 それから現在いる港から美術館に近い港までの船に乗る方法もありましたが、その方法に気づいた瞬間に目の前でその船が出発しました。なのでこの方法も無理。
 そしてバスの乗車を断念した時にタクシーらしきものを目撃していましたがその時はちょうど他の人が乗ったところでした。あとでネットで調べてみるとタクシーは島に1台しかないとの情報が。じゃあ無理だろうなと諦めて他の方法を探していたのです、が! 港をうろうろしていたらなんとタクシーの姿が!!慌てて駆け寄り乗れますか?と聞いたところどうぞ~と言われ乗れました!!うれしすぎる!!!(あとで気づいたのですが港で立ち往生していた人にひと声かけて一緒に乗ればよかったかな…とちょっと思いました)
 運転手のおじさまは大変気のいい方で色んな話を聞かせていただきました。乗車時間は15分くらいだったかと思いますがトラブルを回避した安心感もあってとても楽しい時間でした!一人旅をしていると全く人と話さないので、タクシーに乗ると普段以上にベラベラ喋ってしまうんですよね…。運賃は1300円くらいでしたが3倍払いたかったですね。払えばよかった。

 ようやく辿りついた豊島美術館!
 小雨が降ってますが景色が抜群に良いです。
 予約時間まで20分ほどあったのでしばらく待ちます。エントランス前に待合スペースというかベンチが並んでいるスペースはありますが、屋根が藤棚みたいな?植物?でできているので雨は完全には防げません。小雨でよかった。
 入場時間になったのでエントランスに入ると、並んでいた人数名まとめて鑑賞方法などの説明を受けます。エントランスの脇にコインロッカーもありました。説明後本館?に向かってぐるっと歩いて行くのですが道中の景色がほんとうに綺麗でみんな写真撮ってましたね。晴れてたらもっと綺麗だったかもしれないけど雨模様もこれはこれで綺麗。

 さて、美術館に入る前に再度説明を受け、履物を脱いで館内に入ります。

 今まで行った美術館で一番良かった!という感想を何度も目にした豊島美術館。館内は撮影禁止で文章の説明を読んでも「無数の穴が…」とか「湧き出る水が…」とかよくわからないものばかりでこれは一度行って体感してみるしかないな…と思っていたのでした。
 今回初めて訪れてみて、ネットで読んだ説明文そのままだったことにまず驚きました。真っ白なドーム状の空間の床にぽつぽつと無数の穴が空いていて、そこから湧き出る水が流れていったりそのへんで留まったり他の水と合体したり、そういった水の流れや動きを見るような感じでした。行ったことない人はこれ読んでも???ってなると思うんですけど。前日に行った大塚国際美術館のように大きな絵がおいてあるわけでもなく、ただただその空間を味わうような感じ。座りこんでいる人や寝そべっている人、すやすや寝てるひともいました。

 まじでこれ人によって違うのであんまり人と一緒に行かない方がいいかもしれない。私の母は2時間くらいはじっくり見てられそうだけど私の父は3分で出そう。それくらい人によって違います。私は30分くらいはいたかな?
 あと人の目を気にするタイプの人はあんまり向かないというか心から楽しめないかもしれないです。私がそうだからです。座ったり寝転んだりするのもその辺うろうろするにも人の目が気になってしまって…。水の流れを見ようと穴に近づくとその近くにいる人が必ずちらっとこっち確認するんですよね、いやそれだけなんですけどね…。たぶん行く時期変えてもそんなに人の多さは変わらなそうな気がします。
 向き不向きが明確にあるだろうなぁという美術館でした。私が向いていたのかどうかはいまいちわかりませんでしたが、実際体感しないと何もわからなかったと思うので、間違いなく一度行けてよかったなとは思います。正直前日の大塚国際美術館が濃厚すぎて霞んでしまった感じは否めない…。でも存在感が真逆すぎてこの美術館ハシゴもこれはこれで面白かったです。あと出る直前にぼやーっとまわり見渡してたら思いっきり水たまり踏んで左の靴下びしょびしょになりました。

 ミュージアムショップで少しだけお買い物して美術館を出ました。豊島には美術館以外にもアートが点在しているのですが、美術館だけでだいぶ満足してしまったので、早めに小豆島行っちゃおうかなと港に向かうことにしました。最寄りの港(唐櫃港)まではずーっと下り坂です。自転車で下ったら気持ちよさそう。ただ、朝に少しだけ考えていた唐櫃港から美術館まで歩くというプランは無理そうだったなと思いました。電動自転車なら行けるかな…?という感じ。

降ってる最中の景色もほんとに綺麗

 唐櫃港で小豆島行の切符を買いました。出発時間まで時間があったので近くの砂浜でちょっとだけビーチコーミング。瀬戸内海は本当に穏やかで優しいですね…

 豊島の唐櫃港から小豆島の土庄港までの船は、乗客が私含めて5名ほどだったので、ゆったりのんびり乗れました。30分ほどで小豆島に到着。

港前のオブジェ


 小豆島での一番の目的は「二十四の瞳映画村」でしたがそれは次の日に行くとして、この日小豆島でやることはとりあえず宿にたどり着くこと、夕飯を食べること、洗濯、の3つです。
 GoogleMapを頼りに港から宿へ向かいます。が、ここで初めて気づきました。小豆島って想像以上にデカい! 距離感を勝手に想像して宿まで適当に歩いていこ~と思っていたのですが思ったより遠い…。でも伊能忠敬界隈の人間である私にとっては歩けない距離ではなかったのでとりあえず歩き続けることに。

エンジェルロード

 途中「エンジェルロード」という恋人の聖地的な観光スポットに立ち寄りました。引き潮の時間は道が現れるそうですが私が行った時には道は無かったですね、残念。雨もなかなかの降り。

 この日の宿は「オアシス」という民宿です。1階がカフェ、2階が民宿になっていて、トイレやお風呂は共同です。新しいようでとても綺麗でした。
 宿泊者向けに銭湯の割引券があったので、夜は銭湯に行くことにしました。先に洗濯だけ済ませようと思ったのですがそもそも洗剤を持っていないことに気づき、とりあえず近くのコンビニに行くことに。ていうかコンビニも家電量販店もしまむらも普通にあるので、海の近くに行かない限りあんまり島って感じしないんですよね…普通に住みやすそう。
 コンビニの周辺にはドラッグストアやスーパーもあったので、夕飯もその辺で買うことにしました。コンビニで少量パックの洗剤、スーパーでお酒とお惣菜を購入。レモンサワー好きが小豆島でお酒選んだら間違いなく瀬戸内レモンサワー買いますよねぇ
 宿に戻り洗濯を終えたあと、バスで銭湯へ。と思ったら銭湯の隣が海水浴場だったので、こちらでも軽くビーチコーミング。ここもシーグラスがたくさんあって拾い甲斐がある~
 銭湯は地元の人がたくさんいらっしゃってだいぶ賑わってました。同じ建物にレストランやイオンみたいな生活用品とか雑貨の売り場も併設されてます。帰りはバスが無かったので歩いて帰りました。全然人いなくてちょっと怖かった。帰ったらお惣菜つまみにお酒飲んで就寝。

〇7月15日(月)
 朝からトラブル発生。ちゃんと充電器を繋いでいたはずのスマホが充電されておらずなんで!?と画面を見ると「充電器が液漏れを起こしています」とのこと……なんそれ……
 普段持ち歩いていたモバイルバッテリーは空港の荷物検査が心配で家に置いてきました。充電器を何度差し込んでも状況は変わらず。充電は5%。どうするか迷いましたがとりあえず先に朝ご飯を食べて近くのコンビニで充電器を調達することに。
 朝ご飯は1階のカフェを予約していたので下に降りてご飯を食べました。めちゃ美味しかったのですが写真も撮れず急いで掻き込む感じになってしまいました…もっとゆっくり食べたかった……
 ささっと荷物をまとめてチェックアウト。ケーキも食べたかったなぁ。とにかく昨日洗剤を買ったコンビニに向かいました。電池が入ってるタイプのすぐ充電できる充電器を購入。急いで接続してようやくホッと一息、つく暇もなくバス停へ向かうべく歩きます。が、バス停にたどり着く前に乗る予定だったバスが目の前を通過していきました………

 またもや脳内会議。次のバスは二時間後。タクシーは港に集まっているようです。悩んだ末ひとまず港まで歩いて行くことにしました。
 港について一旦バスの時刻表を確認しますがやっぱり次の便はまだまだ先のようです。タクシー乗り場に各観光スポットまでの運賃が書いてありましたが、目的地の「オリーブ公園」までは3,900円くらい…。う~んどうしよう。しばらく悩んで結局タクシーを使うことに。
 ここで乗ったタクシーのおっちゃんがすご~く良い人で、私の一日の予定を伝えたら「じゃあ何時にあそこでバス乗って何時にあそこで乗り換えるといいよ~」と全部教えてくれて島のバスの時刻表もくれました(乗る時間のところに丸つけてくれてた)。さらにこれあげるよ~となぜかオリーブの化粧水とハンドクリームの試供品らしきものまでくれました。あとオリーブ公園で降りたあとスマホ見てうろうろしてたらちょっと引き返してきてこれもあげるよ~とオリーブ公園の案内図もくれました。ホスピタリティがすごすぎるよおっちゃん……朝からバタバタでちょっと疲れてたのが癒されました、本当にありがとう……

有名なオリーブ色のポスト
風車

 今回の旅のお土産は全部小豆島で買う!!と事前に決めていたので、オリーブ公園内のお土産屋さんでオリーブオイルを爆買いしました。旅行前に色んな人に「お土産はオリーブオイルでいいですか!?」と言いまくっていて結局何人分買えばいいかわからなかったのでとりあえずたくさん買いました。職場用のお土産とかとにかくお土産類はまとめて一緒に購入。オリーブオイルの瓶重くて持ち運びは無理だろうなということで、お土産屋さんで自宅まで送ってもらうのも事前に決めてました。送料は1000円だったと思います。
 お土産を買ったらオリーブ公園周辺を散策。実写版魔女の宅急便のロケ地だった雑貨屋とか風車とか。風車周辺は何かの整備中なのかロープが張り巡らされていて景観はちょっと残念でしたね…

 オリーブ公園から坂を下り、観光案内所みたいな場所へ向かいます。映画村までの渡し舟のチケットを買うためです。
 映画村は小豆島の先端部分にあるのですが、オリーブ公園から映画村まで行くにはバスでぐるーっと30分ほどかかるところを、渡し舟なら海をまっすぐショートカットできて10分ほどで着くそうなのです。せっかく島だから船乗りたいし、ということでチケットを買いに案内所の受付に行くと、往復のチケットは案内所で買えるが片道だけの場合は現地で船のおっちゃんに直接500円を渡せばいいとのこと。今すぐ乗りますかと聞かれたので頷くと、映画村方面にいるであろう船のおっちゃんに電話をかけてくれました。10分くらいで着くので船着き場で待っててくださいーと言われたので船着き場へ向かいます。

 しばらく待つと武骨な漁船みたいな船が船着き場に来ました。渡し舟って聞いて勝手に昔の人力タイプのやつ想像してたけど全然違いました。そりゃあ人力じゃ10分で着かないわな。ちなみに結構雨降ってたので運航してるのかなぁと朝から心配してましたが、屋根がある中央部分に入って中で座れる感じだったので天気に関しては全く問題無かったです。台風でも来ない限り運休にはならないと思います。

 10分ほどで小豆島の先端部分に到着。そのころには雨が止んでちょっと晴れ間が見えてました。おっちゃんに運賃の500円を渡して船を降りると、目の前に映画村の入口がありました。が、ちょうど外国人観光客のシャトルバスが到着したところだったみたいで、ぞろぞろと映画村に入っていくのが見えました。これはちょっと時間ずらしたほうが良さそう。ということで映画村より先にちょっと離れた場所にある「岬の分教場」というところに行くことにしました。
 映画村の入口で映画村と分教場どちらも入場できるセット券を購入。映画村から分教場までは歩いて10分か15分ほどかかります。バスもありますが待ち時間がもったいないので歩いて行きます。

 分教場に入ると受付のおっちゃんが声をかけてくれました。このおっちゃんもめっちゃいい人で色んな話聞けてうれしかったです。重そうだからと館内を見てるあいだ荷物も預かってくれました。
 中は木造の昔ながらの学校という感じで良い雰囲気。映画に出てたそのまんま。ずっと「二十四の瞳」の朗読が流れてました。教育の聖地になっているらしく、全国各地の教師たちの寄せ書きも飾られてました。私の友達にも教師になった子は結構多いですが、先生やってる人って本当にすごいなーと尊敬します。

 受付のおっちゃんにさよならして分教場の隣のお土産屋さんに入りました。学校モチーフのストラップがかわいかったので購入。牛乳と雑巾のやつ。あと醤油ソフトが売ってたので食べながら映画村に向かうことにしました。キャラメルみたいな味でおいしかったです。

 そして一番の目的である映画村に入場。

 二十四の瞳の撮影セットはもちろん、資料館、映画館、本屋、カフェなど色んなスポットがぎゅっと集まっています。海沿いの絶景スポット、分教場を再現した校舎からの景色も本当に綺麗でした。街並みを再現したスポットもすごく良くてほんとにタイムスリップした気分。また来る機会があれば絶対着物で来たいですね…



 お昼ごはんはCaféシネマ倶楽部の「給食セット」。岬の分教場の受付のおっちゃんもおススメしてました(シャバシャバのカレーがおいしいって言ってた)。私の地元では揚げパンも冷凍ミカンも出なかったのですが、アルミの食器や瓶のコーヒー牛乳はたしかに懐かしいです。ちなみにカフェの中で映画「八日目の蝉」の展示もありました。泣ける映画のオススメを聞かれたら必ず「八日目の蝉」を挙げるくらいには好きな作品なのでテンション上がります。

映画村前にあったオブジェ。デカい

 お土産屋さんや資料館などをふらふらっと見つつ、15時頃には映画村を出てバスに乗りました(バス待ちの時間に同じくバス待ちのおっちゃんとちょっとお話したりもしました)。そのあと「醤の里」という醤油の名産スポットへ行くつもりでしたが、思ったより広そうだし疲れたので早めに港へ行くことに。
 バスを乗り継いで福田港へ行き、そこから船で姫路港へ向かいます。姫路行の船はめっちゃデカかったです!あとなぜかヤドン推し。読書しながらゆったりのんびりの快適な船旅でした。


 私普段めちゃくちゃ乗り物酔いしやすい体質で車とか電車乗ってる間に読書なんて絶対できないんですけど、瀬戸内海は本当に穏やかで全然揺れないのでこの二日間一瞬も船酔いしませんでした。過去に一度仙台港から苫小牧までの太平洋フェリーに乗った際、乗船30分でゲロゲロでもうひたすら寝てるしかないみたいな酷い船旅を経験して以来船に苦手意識があったんですが、今回の旅で完全に塗り替えられましたね。念のために酔い止めも持ってましたが全然必要無し。瀬戸内海大好き。

 一時間半ほどで姫路港に到着。姫路港は駅から離れているので船を降りた人たちはみんな車かバスを使うようですが、伊能忠敬界隈の人間である私はバス停の行列を横目に颯爽と駅へ歩いていきます。しばらく歩くとバカでかいイオンがありました。あ~安心感すごい! そこからしばらく行くと駅が…電車が… すごい!なんかめっちゃ安心する! この二日間2時間待ちのバスの時刻表を見まくっていた私は自分がいかに現代人であるかを自覚させられていたのでした。ちょっと待てばすぐ電車来るのめっちゃすごい。ありがたすぎる。

色味がかわいい


 飾磨駅から姫路駅へ。そしてこの日泊まったホテルは姫路駅から歩いて3~5分ほどの「JRクレメントイン姫路」です。立地も良い、清潔感も最高、コインランドリー付き、17時半から20時半までウェルカムドリンク飲み放題、20時半からは夜食(お茶漬け)食べ放題という超最高のホテルです。連休最終日というのもあってか値段も安かった。まじでおすすめのホテルです。
 この日の夜ご飯は地下街の居酒屋でビール片手に姫路おでんを食べました。随分薄味だな…と思ったら生姜醤油で食べるんですね! めっちゃ美味しかったです。ひねぽんも食べてみたかったけどお腹いっぱいで断念。


 ホテルのコインランドリーで洗濯したあとお茶漬けを食べ、シャワーを浴びて24時頃就寝しました。

〇7月16日(火)
 この日は帰りの飛行機に乗る予定以外は姫路城に行こうかな~くらいのぼんやりした予定だったのでちょっとのんびり起床しました。ホテルから姫路城は徒歩20~25分くらいです。姫路の町はなんとなく仙台に似てて安心感がありました。

お店一軒一軒のイラストが描かれててかわいいの〜


 姫路城めちゃデカかったです! 敷地広いし城の高さもすごい。あとやっぱり外国人観光客がすごく多かったです。みんな行きたくなるよね。ひと通り天守閣まで登ってみたのですが、降りる最中になぜか突然右膝が痛くなって以来今でもたまに痛いです。足悪い人は絶対無理なやつですね…


 あと一番行きたかったのがここです!


 「播州皿屋敷」でお皿を数える幽霊でお馴染みのお菊さんが落ちたという井戸です。怪談の歌舞伎が大好きで、一度は生で見てみたいんですよね…
 姫路城のあとは、隣の「好古園」という庭園へ行きました。色んな植物が綺麗にそろっていてすごく綺麗でした。

 お昼ご飯は何を食べるか迷ったのですが、せっかくだから姫路おでん以外にも姫路名物食べたいなーと思って調べたら穴子丼が名物とのことだったので、穴子丼を出しているお蕎麦屋さんに行きました。お蕎麦と穴子丼のセット。穴子ってあんまり食べたことなかったんですが、うなぎよりさっぱり食べられる感じでおいしかったです!

 月曜祝日の次の日だったので美術館も博物館も図書館も休館日で何をしたらいいのか迷い…。結局早めに空港に行くことにしました。
 空港に行く前に姫路駅の本屋さんで本を2冊購入。家から持ってきた本は船で読み終えてしまったので。
 三宮駅から神戸空港までのモノレールを乗り間違えたりはしたものの、どうにか空港に到着。荷物整理しつつ早めに荷物検査場を通りました。お金を払えばラウンジが使えるとのことで初めて利用してみましたが、めっちゃ快適でした。ドリンク飲み放題でのんびりできるし、待ち時間がある時は今後も使いたいです。出発の時間までラウンジで先ほど購入した本を読んで過ごしました。
 結局機体のトラブルか何かで予定時刻には出発しなかったのですが、少し遅れたおかげで飛行機から綺麗な夕日が見れました。帰りの飛行機も隣が空いていたので超快適でした。


 帰ってきてホッとすると同時にあ~帰ってきてしまったという複雑な感情。ちなみに出発日に心配していたヘアアイロンはコンセント抜いた状態で部屋に転がってました。なかなか予定通りにいかず刺激的でしたが、すご~く充実した良い旅になりました! おつかれ自分!


 30歳という節目が近づいてきている最近、自分全然大人になれてないじゃん…と無駄に焦りを感じていました。まわりが結婚して子供育てたり仕事に打ち込んだりしてるのを見ては、あれ私なんにもしてないじゃん、全然成長してないじゃん、みたいな……。20代後半~30代前半くらいの人が現実と理想のギャップにより「このままでいいのか」と思い悩むことを「アラサークライシス」とか「クオーターライフクライシス」と呼ぶそうで、アラサーによくある悩みだそうです。
 でも今回の旅を通して、なんかこのままでも全然いいんじゃない?という開き直りにも似た感情が芽生えました。それを一番感じたのは小豆島で醤油ソフトを食べながら分教堂から映画村に向かってぶらぶら歩いてる時と、姫路の居酒屋で1人でお酒を飲んでいた時です。こうやって1人を楽しめる自分のことめっちゃ好きだな~とふと感じたのです。
 数年前、就職して早々に結婚した元同期に「最近1人で家でビール飲む時のためにジョッキ買っちゃったんだよね~」と話したら「めっちゃいいじゃん! すごいね、大人だね~」と言われたことがありました。私としては若くして家族を持ち仕事も頑張っている元同期の方がずっとずっと大人に見えていたので、その子に大人だねと言われたのが嬉しい且つ不思議でした。今思えば1人の楽しみ方を知っている、自分の機嫌の取り方を知っていることを「大人」と表現してくれたのではないかと勝手ながら思っています。
 前述のアラサークライシスは他人や理想の自分と現実の自分とを比べてしまうことで生まれるもののようです。将来への心配などもあると思いますが。でも結局、私個人としては、自分が好きな自分でいられたらそれが一番いいんでないかな~という結論に至りました。というか旅を経てそう思うことができました。30歳になっても40歳になっても、近い将来結婚したとしても、こうやって1人を楽しめる自分でありたい。1人旅先でソフトクリーム食べてホクホクしたり、居酒屋でおじさんに囲まれて1人飲みを楽しめる、そういう自分で居続けたいと思いました。30歳が近づいている今、自分は今のままでいいのか?というよりじゃあ自分が好きな自分でいるためにはどうしたらいいのか? を考える時間にしていきたいと思っています。

 さて、今回の旅のまとめです。
〇反省点
●ヘアアイロン忘れた
今までずっと普段使いしているヘアアイロンをそのまま旅行に持って行ってたのですが、今後旅行用のヘアアイロンの購入を検討したいところです…。朝使ってそのまま荷物に入れるとなると朝バタバタしてる中で結構忘れがちなんですよね…
●船とバスに乗りそびれた
うーんこれはシンプルにリサーチ不足。混雑状況とかも調べておけばよかった。
●充電器が故障した
これはなぜなのか全くわからない…。モバイルバッテリーを持って行っていればあんなに焦らなかったんだろうけど。今旅行用の充電器が無い状態なので早急に調達したいところ。
●指輪を無くした
たぶん姫路で無くした。気に入ってたから悲しかったけど安物だしまた今度他の指輪探すからまぁいいや…
●職場用のお土産配るのに数日かかった
お土産屋さんから自宅に宅配で送ってもらったのはよかったんですが時間がなくてなかなか受け取れず、旅行から帰って3日後くらいにようやくお土産を配ることに…。職場に配るお土産だけは手持ちにしようという教訓を得ました
●めっちゃ日焼けした
日焼け止め持って行ったのにまともに使ってなくてここ数年で一番日焼けした。反省。
●朝用のヘアオイル持って行かなかった
直前で持っていくの諦めたんですよね、どうしてもコンパクトにならなくて。入れ替えしなくてOKのコンパクトなパッケージのものを探したい。

〇よかったこと
●空港での過ごし方
仙台空港は出発1時間前くらいに着けば丁度いいということがわかりました。ラウンジの利用と本を持って行ったのもめっちゃ良かった。
●荷物のコンパクトさ
前述したように何が何でもスーツケースを持ち歩きたくない女なのでリュックに無理やり詰め込んだのですが、スーツケース持ってたらあんなに身軽に動けなかったと思うのでよかった。メイク道具とかはもっとコンパクトにしていきたい。
●前日のパーマ
これ前日に急遽やったんですけどめっちゃよかった。何もしなくてもそれっぽくなるから。
●足の裏に貼るシート
歩きまくるのわかってたので疲れを翌日に持ち越さないために持っていきました。おかげで全然足痛くならなかった。
●お土産宅配
とにかくできる限りに身軽に! 自宅付近から宿泊予定のホテルまで送っちゃうやつも今後は検討したい。
●躊躇せずタクシーに乗れた
普段あまりタクシー使う習慣はないんですが、時間節約できるし楽だしありがたいですね~
●服は3日分だけで洗濯して使いまわす
荷物をコンパクトにするためです。少量パックの洗剤があるのを初めて知った。コンパクトなハンガーも購入しておきたいところ。
●シーグラスあつめ
シンプルに楽しい。全国各地の海であつめたい


 タクシーやラウンジや宅配便でお金を使って時間と体力の消耗を抑えられたことからも、自分大人になったな~という実感を得られました笑 もう夜行バスもしんどいし、お金をかけてでもなるべくストレスフリーな旅の方法を研究していきたいです!

 ここまで遠くて長期な旅行はもうしばらく無いだろうなと思うと寂しいですが、しばらくは今回の思い出を噛み締めて生きていこうと思います…本当に良い旅でした
 親と鎌倉行こうとか沖縄行こうとか色々言ってはいるんですがいつになるかなぁ

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