
「忘れなくてもいい、君を好きだったこの気持ち」
LINEにお友達登録をすると愛子に無料で恋愛相談が出来ます。
放課後の空は、夕焼けがゆっくりと溶けていくような柔らかな色をしていた。陽菜(ひな)は校門を出ると、ふと立ち止まり、スマホを取り出した。
画面を開くと、そこには何度も読み返したメッセージが残っている。
「ごめん、友達でいよう。」
あの日、勇気を出して翔太(しょうた)に告白した。
結果はわかっていたはずなのに、それでも心のどこかで期待していた自分がいた。だけど、翔太の返事はあまりにも優しくて、残酷だった。
——どうして、まだ忘れられないんだろう。
何度も消そうとしたメッセージ。何度も「もう平気」と思った気持ち。でも、彼の姿を見かけるたび、どこかで彼の笑い声が聞こえるたび、心はまだ過去に縛られていた。
「まだ気にしてるの?」
帰り道、一緒に歩いていた美咲(みさき)が静かに問いかけた。
「……うん。でももう、大丈夫だよ。」
美咲はため息をついて、少し笑った。
「それ、本当?」
陽菜は答えられなかった。
「翔太のこと、好きだったんだもん。そんな簡単に忘れられないよね。」
美咲のその言葉に、陽菜は少し救われた気がした。
「でもさ、忘れなきゃいけないわけじゃないと思うよ。」
「え?」
「無理に忘れようとするより、その気持ちごと持って、新しい一歩を踏み出したほうがいいんじゃない?」
陽菜はゆっくりと空を見上げた。
忘れることが、前に進むことじゃない。
好きだった気持ちは、本当に大切なものだった。だからこそ、無理に消そうとしなくていい。
翔太のことを思い出しても、もう涙は出なかった。
「……そうかもね。」
美咲にそう返したとき、陽菜の胸の奥で、小さく何かがほどけるような気がした。
LINEにお友達登録をすると愛子に無料で恋愛相談が出来ます。