見出し画像

「離れても変わらない、君との時間」

LINEにお友達登録をすると愛子に無料で恋愛相談が出来ます。


ホームの端に立ち、陽菜(ひな)は静かに電車を待っていた。駅の構内には、夕方の混雑した空気が漂っている。電光掲示板の赤い文字が、電車の到着を知らせていた。

翔太(しょうた)とは、別々の高校になった。

中学の頃はいつも一緒だったのに、気づけば電車で何駅も離れた場所で、違う生活を送るようになっていた。会えないわけじゃない。でも、同じ学校にいた頃みたいに気軽に会える距離ではなくなった。

「今度の休み、久しぶりに会えない?」
そうLINEを送るのに、どれだけ時間がかかっただろう。

送信した後、すぐに翔太から返事が来た。
「いいね!久しぶりに話したい。」

その短い言葉を見て、胸が少し温かくなった。でも同時に、不安もあった。

翔太の周りには、もう新しい友達がたくさんいる。新しい環境で、新しい出会いの中にいる。私のことなんて、もう特別じゃなくなっているんじゃないか。


待ち合わせの日、陽菜は少し早めに駅に着いた。

待ち合わせ場所には翔太の姿はまだなかった。でも、改札の向こうから見覚えのあるシルエットが近づいてくるのが見えた。

「久しぶり!」

翔太は変わっていなかった。あの頃と同じ笑顔で、陽菜を見つめていた。

二人は並んで歩きながら、他愛もない話をした。新しい学校のこと、クラスのこと。翔太の話を聞きながら、陽菜はふと思った。

——私は、この人のどこが好きなんだろう?

声のトーン、話し方、歩くペース。どれも変わらない。でも、少しだけ遠くなった気がする。それは、物理的な距離だけじゃなくて、心の距離も含まれているような気がした。

「ねえ、陽菜。」

ふいに翔太が立ち止まり、陽菜の方を見た。

「こうやって会うの、やっぱりいいな。なんか、落ち着くっていうか。」

その言葉を聞いて、陽菜の胸が熱くなった。

遠くにいても、こうしてまた会えるなら。離れていても、こうして言葉を交わせるなら。

距離なんて、きっと関係ないのかもしれない。

陽菜はそっと微笑んだ。翔太の目の前で、初めて心から安心できる笑顔を浮かべながら。


LINEにお友達登録をすると愛子に無料で恋愛相談が出来ます。


いいなと思ったら応援しよう!