
「画面越しの笑顔に揺れる心」
LINEにお友達登録をすると愛子に無料で恋愛相談が出来ます。
夜の静けさが部屋を包む中、陽菜(ひな)はスマホを握りしめたまま、ため息をついた。
翔太(しょうた)がSNSに投稿した写真の数々が、画面越しに彼の楽しい時間を映し出していた。写真に写る笑顔や、仲間たちと過ごす時間の一瞬一瞬が、まるで別世界の出来事のように感じられた。
「これが彼のリアルなんだ。」
そう思うと、胸の奥がじわじわと痛みだした。
翔太が投稿した写真の中には、笑顔で話し合う男女のグループが写っていた。彼女たちの顔が誰なのかはわからない。けれど、陽菜にとってそれは重要なことではなかった。その中で翔太が笑っている、という事実だけが、彼女の心をざわつかせる理由だった。
次の日、教室では翔太がいつもと変わらない明るい声で陽菜に声をかけてきた。
「おはよう!昨日の投稿見た?楽しかったんだよね。」
その笑顔は、嘘のない本物だった。陽菜も「楽しそうだったね」と笑顔で返したけれど、胸の中には引っかかるものが残っていた。
「どうして、あの投稿がこんなに気になるんだろう。」
自分の気持ちがわからなくて、陽菜はそのまま言葉を飲み込んだ。
放課後、美咲(みさき)に相談すると、彼女は少し困ったように笑った。
「陽菜、それってただの嫉妬だよね?」
「嫉妬……?」
陽菜はその言葉に戸惑った。
美咲は陽菜の隣に座り、窓の外を見つめながら続けた。
「翔太くんが他の人と楽しくしてるのが嫌なんでしょ?でも、それって翔太くんが楽しそうだからってだけで、陽菜が翔太くんを見つめている気持ちが小さくなるわけじゃないよ。」
その言葉に、陽菜は少し考え込んだ。翔太が誰とどんな時間を過ごしているかが気になるのは、自分が彼を特別に思っているからだ。それは変わらない。でも、自分に向けられる翔太の笑顔だって確かにあった。
次の日、陽菜は意を決して翔太に話しかけた。
「昨日の投稿、すごく楽しそうだったね。でも……ちょっとだけ、寂しくなった。」
翔太は少し驚いた表情をしたが、すぐに笑った。
「そうだったの?でも、陽菜と話す時間も俺にとっては大事だよ。SNSの投稿なんて、楽しい瞬間の一部を切り取っただけだからさ。」
その言葉に、陽菜の胸の奥が少し軽くなった気がした。
夕方、帰り道にふたりで歩く中で、陽菜は思った。画面越しに映る彼の時間も、隣で歩く今この瞬間も、全部が彼の一部なのだと。自分に向けられる特別な言葉や笑顔が、彼との距離を確かに繋いでいる気がした。
遠くで鳥が飛び立ち、空に広がる夕焼けがふたりを包み込んでいた。陽菜はそっと微笑んだ。
LINEにお友達登録をすると愛子に無料で恋愛相談が出来ます。