2023明治安田生命J1リーグ第13節ヴィッセル神戸VSサンフレッチェ広島の個人的な見どころを紹介
ACLで浦和が勝利を飾りました。U20のW杯やリーグを含め様々なところでまたサッカーの熱を感じる瞬間が増えそうです
そんな今週末は5月15日の「Jリーグの日」に近い日程で行われます
1993年(平成5年)5月15日に、日本のプロサッカーリーグ「Jリーグ」は開幕。最初10のクラブが現在は60に。各クラブの努力が今の盛り上がりに繋がっています
国立での試合等、多摩川クラシコ、多くの見応えのある対戦カードの中で、この神戸VS広島という上位勢の対戦も非常に楽しみな一戦です
首位を走る神戸は前節ホームに戻り横浜FCと対戦。3-0と複数得点に加え無失点で勝利し、今季の強度高いサッカーで圧倒しました
一方の広島はホームで福岡と対戦。先制を許すも、交代策も見事にはまり、終わってみれば3-1の逆転勝利
浦和がACLに出場している兼ね合いもあり、1試合未消化ながら暫定で3位
今節の結果次第で神戸と勝ち点も並ぶ広島
どちらも縦に早く、攻守の切り替えも素早いチーム。公式戦ではカップ戦で広島が現在連勝中。リーグ戦では昨季神戸が1勝と1つの引き分け
神戸はホームで上位広島相手にもしっかり自分たちのサッカーを見せて勝利を飾りたい
広島はG7サミットの影響もあり、今節、次節とアウェイ連戦。神戸、名古屋と上位相手に今季アウェイ戦負けなしの強さを見せるか
注目の一戦は熱く、タフに、フェアなプレーで盛り上がる90分に期待です
(J1リーグ 解説:橋本英郎さん リポーター:藤原美佳さん 実況:能政夕介)※追記、修正の可能性あります
順位と前節の振り返り(2023/5/11時点)(リーグ戦のみ)
ヴィッセル神戸:8勝2分2敗で勝ち点26 (26得点8失点)+18
神戸は名古屋戦でアディショナルタイムに追いつかれて悔しい勝ち点1を得て、ホームに戻ってきた
齊藤未月が出場停止ということもありアンカーポジションは大崎が起用
そして好調の佐々木、CBは本多が先発メンバーに選ばれ、前節から3名変更して臨んだ
立ち上がりは横浜FCが重心を下げ、カウンターを狙う場面も見せるなど、コンパクトな守備で神戸の強度の高い前線に対抗する姿勢を見せた
今季の神戸は攻守の切り替えも早く、カウンターから佐々木がゴールを狙い、チャンスをつくる
連動したプレスを見せる神戸に苦しみながらも、横浜FCもバランスの良い守備を見せ前半は0-0で折り返しかと思われた
その前半のアディショナルタイムで初瀬のクロス対応に出たブローダーセンが大迫を倒してしまい神戸はPK獲得。大迫は冷静に今季8ゴール目を左隅に決めて1-0と神戸がリードして折り返す
そして後半も強度の高い、前へプレッシャーをかける神戸は、中盤のボール奪取からスイッチを入れ、山口、大迫、汰木と繋ぎシュート。ブローダーセンのナイスセーブがあったが、そのこぼれ球を冷静に大迫が決めて今日2得点目
リードを広げた神戸は、アグレッシブな姿勢を崩さず、相手のミスから汰木がボールを奪い、佐々木へアシスト。佐々木は2試合連続、そしてキャリアハイの4得点目を決めて神戸が3-0で勝利を飾った
神戸はイニエスタも後半途中に投入し、より流れを変えるプレーや、展開を試みた。追加点はならなかったが、横浜FCの粘り強いプレーに対しても冷静に対応し、3試合負けなし。ホーム戦では湘南戦に続き連勝を飾った
引いてくる相手に対しても勇敢に戦った神戸。終盤は猛攻を受けるも、前川中心に体を張ったプレーも見せて無失点。リーグ戦は5試合連続で先制ゴールも記録
今節強度の高い広島との対戦ではどのようなプレーを見せてくれるか楽しみにしたい
サンフレッチェ広島:7勝2分2敗で勝ち点23 (16得点8失点)+8
※浦和ACLの関係で1試合未消化
広島はホームで福岡と対戦。雨の中行われた一戦は激しい攻防が続いた
ACLに出場している浦和との対戦予定だったが、持ち越されたため広島は中1週間で臨んだ試合になった
ドウグラスヴィエイラが出場停止の中で、ソティリウ・ベンカリファの2トップでスタートした広島
序盤は福岡のコンパクトな攻撃に主導権を握られるも、幅を使ったプレーを見せWBの東もチャンスメイク
それでも福岡はサイドからの展開でクロスを供給し、山岸の得点で先制に成功。広島は徐々に修正を図るも前半は0-1で福岡がリード
後半に入って志知やエゼキエウがピッチに入ると、より今季の広島らしいプレーが要所で見られた。広島は後半立ち上がりに越道のアーリークロスをピエロスソティリウが上手く合わせて1-1の同点に
福岡もメンバー交代で圧力をかけるも追加点がなかなか奪えない
WBからボランチでプレーした東や、雨の中縦横無尽に走る川村などがチャンスをつくると、セットプレーから追加点のチャンスが
東がゴール前に供給したボールが福岡のDFに当たりオウンゴールを誘発し2-1と勝ち越しに成功する
広島は終盤にもカウンターで川村が得点を奪い、強度を保ち最後まで走った広島は1試合リーグ戦未消化ながらも勝ち点26で3位に順位を上げた
しかしながら、広島はこの試合で重要な選手の長期離脱を強いられた
広島は試合後満田誠選手の負傷を発表
受傷後少しプレーをしたが結果的には途中(前半21分)で交代。プレーをしていたことで一縷の希望を持っていたが右膝前十字靭帯部分損傷(全治未定)と診断された
今季は11番を背負った。周囲にも、自分にも期待をかけて臨んだシーズン
本人が1番悔しく、辛い部分もあるが、またピッチで満田選手らしいプレーを見せてくれる事を楽しみにしたい
青山選手もプロ2年目に左膝前十字靱帯断裂と大けがを負って苦しんだ
佐々木選手も2016年に右膝前十字靭帯断裂、そして2017年にも再び断裂という苦しい時期を過ごした
それでも今2人は選手としてピッチに立っている。そうした先人の過ごしてきた時間や、多くの事を積み上げながら未来に期待したい
強度が高く、攻守の切り替えも早い。横ではなく縦への意識が強く、ゴールに迫る場面が多い。これが今季の両チームのカラーかもしれません
神戸はリーグ最多得点の26得点。また失点数は広島同様「8失点」でリーグ最小タイ。最強の矛が結果的に盾にもなっています
広島は堅い守備に加えて自慢のセットプレーだけではなく、今季はアグレッシブにより前への姿勢が見えています。1試合当たりの平均シュート数は14本でリーグ1位。川村、ベンカリファ、満田、森島と前線の選手は隙あらばゴールを狙います
リーグ得点ランキング1位の大迫勇也は現在9得点で決定率は33.3%と高精度。一方の広島は後半流れを代える事ができるプレイヤーが多くいます。
エゼキエウは4アシスト。出場停止明けとなるドウグラスヴィエイラは途中交代から5得点
90分全体で見た時に、試合を上手くマネジメントしたい神戸に対し、試合巧者の広島がどのようなプレーを見せるか。勝ち点3差の上位対決はハイレベルな攻防を見せてくれるはずです
過去の対戦戦績(リーグ戦のみ)
過去の対戦成績はリーグ戦で見ると神戸の11勝、広島の21勝、引き分けが12回。広島が戦績では上回っています
今季はカップ戦で2度対戦し広島が2勝(神戸のホームで5-0,広島のホームで2-1)
昨季リーグ戦は神戸が1勝と1つの引き分けを記録
昨季神戸のホームでは4-0で神戸勝利(神戸は菊地、小林祐希、酒井、汰木が得点)
※広島は今津が前半9分に退場し難しい試合となった。
広島のホームでは1-1の引き分け(広島は佐々木が得点、神戸はイニエスタが得点)
リーグ戦では神戸が4試合負けなしも、直近のカップ戦では広島が連勝という両チーム。リーグ戦今季初対戦だがどのような戦いを見せてくれるか注目したい
現在の所属選手で得点を記録している選手は(リーグ戦のみ)
神戸は対広島戦ではイニエスタ2得点、酒井、中坂、佐々木、汰木、菊池が得点
広島は対神戸戦では佐々木と森島が2得点、塩谷、野津田、青山、柏、ドウグラスヴィエイラ、東が得点を記録
カップ戦では佐々木、満田が2得点、中野、川村、山崎が得点を記録(2023年のカップ戦)
※古巣対戦
神戸)なし
広島)廣永 遼太郎は2015-2020年まで在籍
リーグ戦では2015年から2020年まで広島は対神戸戦負けなし(8勝3分)
ただ、直近の2年間では神戸が4戦負けなし(2勝2分)
神戸がカップ戦の悔しさをリーグ戦で返すか?
広島は対神戸戦リーグ戦で3年ぶりの勝利なるか?(2020年10月8日以来)
強度の高い一戦に期待しましょう
今シーズンの成績(リーグ戦のみ)
ヴィッセル神戸:8勝2分2敗で勝ち点26の首位 (26得点8失点)+18
先制試合:10試合 8勝1分1敗(9節の横浜FM戦で今季初の逆転負け)
先制された試合:1試合 0勝0分1敗(4節の浦和戦のみ)
スコアレスドロー:7節の新潟戦
ホーム: 4勝1分2敗 勝ち点13 12得点 4失点 得失点+8
アウェイ: 4勝1分0敗 勝ち点13 14得点 4失点 得失点+10
リーグ戦では8名が得点(大迫9得点、佐々木4得点、武藤・汰木3得点、酒井・山口が2得点、初瀬、泉、パトリッキが得点を記録)
複数得点:8試合(5試合連続複数得点記録)
複数失点:2試合
無失点:7試合
無得点:2試合(7節の新潟戦以来なし)
<得点>前半に10得点 後半に16得点
<失点>前半は3失点 後半は5失点
前半・後半開始15分以内の失点は今季ここまでなし
26得点中セットプレーでの得点は8点の30.8%。大迫のPKで2得点
初瀬がFKとCKから起点をつくる(CKから2得点、FKから2得点)
8失点中セットプレーからの失点は1で割合は12.5%(2節札幌戦のPKでの失点のみ)
大迫、武藤、汰木で15得点と全体の6割近くを記録(武藤と汰木で8アシストと全体の半分のアシスト数を記録)
ここに佐々木大樹や酒井、山口、齋藤がより関わっていきたい
サンフレッチェ広島:7勝2分2敗で勝ち点23の3位 (16得点8失点)+8(1試合未消化)
先制試合:6試合 5勝1分0敗(先制すれば負けなし)
先制された試合:4試合 2勝0分2敗(6節の鹿島戦、前節の福岡戦は逆転勝利)
スコアレスドロー:開幕戦の札幌戦
ホーム: 3勝1分2敗 勝ち点10 7得点 5失点 得失点+2
アウェイ: 4勝1分0敗 勝ち点13 9得点 3失点 得失点+6
リーグ戦では8名が得点(ドウグラスヴィエイラ5得点、塩谷・東2得点、満田・ベンカリファ・川村・森島・ソティリウが得点を記録)
複数得点:4試合(前節3試合ぶり)
複数失点:2試合(2節の新潟、9節のFC東京でいずれも敗戦)
無失点:5試合
無得点:1試合(1節札幌戦のみ) 最多得点は3得点を2度記録
<得点>前半3得点 後半に13得点
<失点>前半は6失点 後半2失点
後半30分以降に8得点記録。失点は後半わずかに2失点のみ
※ドウグラスヴィエイラの5得点は全て後半30分以降
今季は16得点中セットプレーでの得点は4点の25.0%。満田のFKやPK,東のCK等
8失点中セットプレーからの失点2で割合は25.0%(FKから2失点)
※6節の鹿島戦、9節のFC東京戦でFKから失点
昨季は52得点中16得点をセットプレーで記録(全体の30.8%)
また失点41に対してセットプレーからの失点はわずかに7失点(17.1%)と攻守でセットプレーで強みを持っていた広島
昨季は野津田が9アシスト、満田が8アシストを記録。この2人でFKとCKから得点を量産。満田の負傷は痛手だが、東も高い精度のキックを持っており、前節は得点に繋がるFKを見せた
そして野津田が攻守で昨季以上のクオリティーを出せれば、広島はより脅威になる
個人的な見どころ
すでにJリーグ側からも見どころがリリース
今季3度目の対戦となる。今季のカップ戦ではホーム、アウェイ共に広島が勝利。リーグ戦ではアウェイ戦負けなしの神戸だが、広島に至っては公式戦でアウェイ戦は無敗という強さを誇っている
昨季天皇杯準決勝を延長で戦った広島は中2日であった神戸戦はメンバーを替えて臨んだ。今津の前半9分での退場もあり難しい状況になった広島に、神戸は4-0で勝利した
ただ、今季同じノエスタのピッチで広島はカップ戦で5-0と神戸に勝利
リーグ戦、上位争い、中3日等のタフな日程ではない中で主力同士のぶつかり合いが予想される
神戸の強力な3TOPか、広島の固い3バックか
神戸は大迫勇也、武藤、汰木とチームの得点・アシストをけん引する今季好調の3人がいる。個々の能力だけではなくチームのためにスプリントし、強度高い攻撃を見せてくれる
一方の広島の佐々木翔、荒木、塩谷はまさに鉄板の3バック
安定感だけではなくセットプレーでの強さも持ち合わせている
実際にセットプレーでは得点も取るし、失点もしない
今季の神戸は守備面でも失点数は少ない。それは前線からのプレッシャーや中盤でのボール奪取も効いている
一方の広島は攻守の切り替えが早く、縦につけてゴールへ前進する
攻守で主導権を握り優位な時間帯をつくるのはどちらか?
神戸は早い時間帯でリードをしっかりとつくり試合を進めたい
一方の広島は失点を最小限にできれば、後半残り15分でも一気にまくれる総合力を持ち合わせている
神戸の大迫勇也との対戦を心待ちにしているのが広島の荒木だ
過去大迫勇也との対戦はタイミング悪く叶わなかった。今季好調の大迫勇也相手に自分にパフォーマンスがどれだけ通用するか
試合の展開と共に注目したい
2人の大迫と2人の佐々木
神戸の大迫勇也、広島の大迫敬介。FWとGKという部分も含めて、今季好調の大迫勇也の得点を大迫敬介が防ぎ、チームに勢いをもたらす事ができるかどうか?
そして神戸の佐々木大樹、広島の佐々木翔
今季の佐々木大樹はひと味違う。昨季怪我で苦しみ、これまでも器用なプレーヤーであったがなかなか結果が出なかった
今季は現在2試合連続得点。攻守にハードワークし存在感を見せている
そして広島の佐々木翔はチームの顔とも言えるプレーヤー
代表経験や広島を支え、ピッチで選手たちにエネルギーを送る
攻守でのキーマンたちのプレーにも注目したい
前述したが5月15日はJリーグの日
今節は様々なところで見応えのある対戦カードが組まれている
個人的にはこの神戸VS広島も上位対決で素晴らしい強度と見ごたえのある試合展開を見せてくれるように思う
共に早くて強い。そしていきいきとプレーをしているように見える
過去の対戦結果、直近の満田の負傷、多くのトピックがある中で、それぞれの選手が何を抱いて、どのようにピッチで表現するのか?
タフで、フェアな90分間をノエビアスタジアム神戸またはJリーグ公式映像DAZNにてお楽しみください!
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