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2024明治安田J1リーグ第30節ヴィッセル神戸対セレッソ大阪の個人的な見どころを紹介

ここからは毎試合が重要な試合になってくるリーグ戦
特に今季は順位変動が激しく、圧倒的に首位に立つチームがいない中で残り試合激しい戦いが予想される

連覇を狙うホームの神戸は前節アウェイで福岡に勝利
大迫が今季2桁得点をマークして再び勢いに乗る
持ち前の堅守も戻り、負傷者は入れ替わりもあるがコンディションを上げているプレーヤーも多い
ここからはACLと天皇杯、リーグ戦と連戦となるが、その中でどんな戦いを見せるか注目したい

一方苦しんでいるのはセレッソ大阪。台風の影響で大阪ダービーは延期となり、仕切り直しとなる今節の一戦
ホームでは悔しい敗戦だっただけに、アウェイ戦で勝利を飾り再び上昇気流を自ら掴んでいきたい一戦となる
インターバルがあった中で、マインド面、そして組織としてどんな変化を見せて臨むのか?関西に拠点を持つ両チームの一戦は金Jとして平日夜に届けられる

(J1リーグ 解説:加地 亮さん リポーター:竹島麻里子さん 実況:能政夕介)※追記、修正の可能性あります

順位と前節の振り返り(2024/9/11時点)(リーグ戦のみ)

ヴィッセル神戸:15勝7分7敗 勝ち点52の3位  45得点 27失点

上位争いが混沌とする中で、確実に勝ち点を積み上げている神戸
前節は台風で開催も心配された中、アウェイ福岡での戦いに臨んだ

神戸は連勝の勢いを継続しようと鳥栖戦と同じ布陣で臨み、立ち上がりからアグレッシブに攻め立てる
古巣対戦にもなる初瀬や井手口が、サイドからのクロスやセカンドボールのこぼれ球から相手ゴールに迫るプレーを見せた

福岡の前からのプレスや鋭いカウンターも受けながらも、トゥーレル・山川のCBコンビが堅守を見せた
押し込まれる時間を耐えると、前半の終盤には見事な連携から大迫が得点を決めて前半終了間際に貴重な先制点を奪う

しかし、1点を追う福岡は後半に入りからエナジーを持って試合に入り、再三チャンスをつくっていく。ここもGKの前川の好セーブをはじめ、神戸は集中力高く失点を許さない
難しい時間帯を耐え忍んだ神戸は選手交代で再び前にエネルギーを見せて、終盤にPKを獲得。これをエースがしっかりと決めて2-0

取るべき時に点を取り、崩れなかった神戸がアウェイの地で貴重な勝利を積んで順位を3位に上げた(他チームは中止など試合数はまばらに)

J1リーグ福岡VS神戸試合結果(Jリーグ公式HPより引用)

リーグ戦はこれで4試合連続の複数得点。更に持ち前の堅守が戻ってきた
2試合連続の無失点は意外にも今季初
全員で守り、そしてハードワークする神戸が上位追随に向けてしっかりと勝ち切りたい一戦になる

セレッソ大阪:9勝11分8敗 勝ち点38の8位  35得点 37失点(1試合少ない)

3連敗、7試合勝利なしと難しい状況から抜け出したいセレッソ大阪
前節の大阪ダービーはその流れを断ち切る絶好の機会ではあった
選手たちも強い思いで試合への準備を進めていたはずだが、台風の影響で延期となってしまった

蓄えたエネルギーをピッチ上で発散して、この終盤に上昇気流に乘ってリーグ戦を締めくくりたい
アウェイ連戦の初戦、今季開幕から見せた強かな部分を発揮して勝ち点を積み上げたい一戦だ

前節はアウェイで横浜FMと対戦。前半はお互いに決定機をつくり、そして凌ぐという緊迫感のある展開を見せた
舩木の得点は認められずも、粘り強い守備と切り替えを見せ、復調の兆しを見せたセレッソ大阪だった

ただ、後半の入りからアグレッシブにプレーをしたのは横浜FMだった
クロスからのゴール前の守備でPKを与えると、アンデルソンロペスがしっかりと決めて横浜FMが先制
ただ、失点後のセレッソ大阪は受けすぎる事なくプレーを継続
ゴールに迫るも、際のところで得点を得る事ができなかった

膠着状態を打開したのは横浜FMの交代選手たちだった。そこから加藤蓮、アンデルソンロペス、天野が得点を決めて終わってみれば4-0での敗戦
戦えていた時間も長かっただけに、もどかしい連敗となってしまった

J1リーグ横浜FM対セレッソ大阪の試合結果(Jリーグ公式HPより引用)


もちろんこのまま終わるわけにはいかない。敗戦をバネに強い気持ちで今節に臨むはずだ

アウェイ戦は15節の福岡戦以来リーグ戦では勝利なし。連敗を止める、勝ち点1でも良しではなく、しっかりと勝ち点3を積んで再び上位争いへ臨みたい

過去の対戦戦績(リーグ戦のみ)

過去の対戦成績はリーグ戦で見ると、セレッソの17勝・神戸の15勝、引き分けが7回とセレッソが上回っている

今季はセレッソ大阪のホームで5月に対戦し、4-1で神戸が勝利を収めた(C大阪:レオセアラ 神戸:本多・山口・大迫・宮代が得点を記録)

昨季は6月にセレッソのホームで対戦し2-1でセレッソが勝利(C大阪:クルークス、北野が得点を記録 神戸:山口が得点を記録)
そして9月は神戸のホームで対戦し1-0で神戸が勝利(神戸:佐々木が得点を記録)

2023年シーズンはお互いに1勝ずつ。神戸は対セレッソ戦の勝利は2019年以来4年ぶりだった
セレッソ大阪はホームでは神戸に2014年以来負けなしだったが今季は悔しい敗戦に

■所属選手が在籍時にこの対戦カードで得点を決めている選手

セレッソ大阪:レオセアラ、北野、鳥海、山下、香川が得点を記録
ヴィッセル神戸:山口が2得点、本多、大迫、宮代、佐々木が得点を記録

■古巣対戦:ヴィッセル神戸のみ
山口蛍: 2009-18年まで10年間プレー(2015-16は一部ドイツでプレー)225試合14点(現在負傷中)

ジェアンパトリッキ:2022年1年間プレー リーグ戦は28試合5得点記録

扇原貴宏:セレッソ大阪のアカデミー育ち。2010-16年途中までプレー リーグ戦139試合10得点

神戸が対セレッソ戦でシーズンダブル(ホーム・アウェイ)での勝利となると2011年以来13年ぶり
セレッソは2年ぶりとなる対神戸戦アウェイでの勝利を飾りたい

今シーズンの成績(リーグ戦のみ)

ヴィッセル神戸:15勝7分7敗 勝ち点52の3位  45得点 27失点

先制試合:14試合 12勝2分け(昨季は先制試合22試合で19勝2分1敗)
先制された試合:12試合 3勝2分7敗(3節のFC東京戦,21節鹿島、26節横浜FM戦で逆転勝利)
スコアレスドロー:4節の広島戦、6節の鳥栖戦、20節の町田戦(昨季は1試合のみ)

ホーム: 6勝4分4敗 勝ち点22 22得点  14失点 得失点+8
アウェイ: 9勝3分3敗 勝ち点30 23得点  13失点 得失点+10

リーグ戦では13名が得点(大迫10得点、宮代・武藤9得点、佐々木4得点、山口3得点、山内2得点、菊池・汰木・山川・広瀬・トゥーレル・本多・井出が得点を記録)

複数得点:14試合(4試合継続中)
複数失点:6試合 
無失点:10試合(2試合継続中)
無得点:8試合(昨季は4試合のみ)

<得点>前半に20得点 後半に25得点   
<失点>前半は5失点 後半は22失点
前半開始15分以内に5得点、後半開始15分に8得点と出だしに強い

45得点中セットプレーでの得点は17点の37.8%。大迫直接FKで1得点初瀬や扇原がFKとCKから起点をつくる(CKから8得点、FKから6得点内1本は直接、PKから3得点)

27失点中セットプレーからの失点は11で割合は40.7%(CKから8失点:特に後半最初の15分に4失点、FKとPK1失点)

直近5試合ではセットプレーでの得点はPKのみ。流れの中で点が取れている一方で、セットプレーからの得点も目指したい
また、今季先制を許した12試合のうち7試合がセットプレーからの失点
この部分も冷静に対応しながらプレーしたい

セレッソ大阪:9勝11分8敗 勝ち点38の8位  35得点 37失点(1試合少ない)

先制試合:13試合 9勝4分(先制すれば負けなし)
先制された試合:14試合 6分8敗(逆転勝利は今季まだなし)
スコアレスドロー:25節の町田戦のみ

ホーム:6勝5分3敗 勝ち点23  21得点 20失点 得失点+1
アウェイ:3勝6分5敗 勝ち点15 14得点 17失点 得失点-3

リーグ戦では12名が得点(レオセアラ17得点、ブエノ・ルーカスフェルナンデス3得点、北野・田中が2得点、船木・カピシャーバ・奥田・柴山・香川・為田・西尾が得点を記録)

複数得点:9試合 
複数失点:9試合(3試合続いている)
無失点:7試合
無得点:4試合(直近5試合中3試合が無得点)

<得点>前半11 得点 後半24得点 
<失点>前半は12失点 後半25失点

今季は35得点中セットプレーでの得点は14点の40%。FKで3得点、CK起点で6得点を記録
37失点中セットプレーからの失点11で割合は29.7%(CKから6失点、FKから3失点を記録)
※後半開始15分以内に10失点(CKから4失点、PKで2失点)

3試合続いている複数失点を止めるために主導権を握る、そして先制点を奪えるかがカギになる。勇敢かつ大胆に、集中力を持って攻守に臨めるか注目したい

個人的な見どころ

今季は5月12日セレッソ大阪のホームで対戦し神戸は4-1で勝利を収めた
神戸にとっては今季初の3連勝を飾り勢いに乗った貴重な一戦でもあった

シーズン2度目の対戦。同じ相手に2度負けるわけにはいかないセレッソ大阪

そして、ホームの神戸は今季2度目の3連勝。そして、5月以来となるホーム戦の連勝を飾りたい

神戸は約2週間。セレッソ大阪は約3週間リーグ戦の間隔が空いた
この中でどのような準備をしてきたか?そしてそれがどれだけ発揮できるか注目される一戦だ

①連戦がはじまる神戸は編成と采配に注目

神戸はここから連戦が始まる(7連戦)
9/13(金)のセレッソ大阪戦から、9/17(中3日でACL初戦)、9/22(中4日でVS新潟:リーグ戦)、9/25(中2日で天皇杯VS鹿島)、9/28(中2日でVS浦和)、10/2(中3日でACL2戦目)、10/6(中3日でVS京都:リーグ戦)

リーグも3位と連覇を狙える位置にいて、天皇杯もベスト8であと3回勝てば王者に
ACLはホーム、アウェイ共に当然気を抜けない。そう考えると、このインターバルでどれだけの選手がリフレッシュして、戦線に戻ってきているかは興味深い

完全に別チームで臨むのか、それともある程度並行して戦っていくのか?
夏の大きな補強は森岡の復帰のみ
冨永を呼び戻すも、櫻井、浦、寺坂、本間は期限付き移籍で他チームへ
コンディション調整を行いながら、チームマネジメントが非常に重要になる連戦となりそうだ

そしてチームとしてはその初戦という部分で非常に重要な一戦かもしれない
インターバルもあり、フレッシュな状態だからこそ、必勝の構えで臨む一戦となるその陣容に注目したい

②3週間でチームは生まれ変わるか?見せたい変化とやりきる力
セレッソ大阪は大阪ダービーが台風のため延期に(10/2が代替試合に)
リーグ戦3連敗中。そして7試合勝利なし。苦しい局面でのこの間隔が、チームにどのように左右するか楽しみでもある

結果や点差だけで見れば、厳しい目線を持たざるを得ないかもしれないが、前節も前半のプレーぶりや、失点した後の振る舞いなど決して全てが難しい状況というわけではない
ただ、取るべきところで点を取る。与えてはいけないところでやらせない。そうした際の部分での粘りを、改めて見せていきたい

もちろん、この中断期間でチームとして変化を加える部分もあるはずだ
新たな仕込みというよりかは、これまでの積み上げに+αしたものになる可能性が高い
そして、負傷者の復帰やコンディション調整など、そうした複合的な要素をプラスに代えて勝利を目指したい

特に注目したいのは立ち上がりと、先制点を取り切る事ができるかどうか
最後に勝利をした21節の名古屋戦以来リーグ戦で、先制点から遠ざかっている
加えてリーグ戦7試合未勝利の内訳は(3分4敗で6得点15失点)そして得点では前半に決めたのは京都戦でのブエノの1点のみ
今季リーグ戦では前半の得点が11得点(トータルでは35得点)
前半の失点は12失点と少ないだけに、前半をリードで折り返して相手にプレッシャーをかけながら試合運びをできる環境を目指したい

③前回対戦で勝負を分けたセットプレー。準備が実るか?
インターバルがあった中で色んな準備を両チーム行っているはず
神戸はリーグだけではなく、ACLも並行した準備になっている可能性もあるが、セレッソ大阪目の前のリーグに一戦必勝
何を重視して、そしてどんな結果になるか楽しみにしたい

5月に対戦した際、神戸は前半と後半にFKとCKからそれぞれ得点を奪った
いずれもアシストは古巣対戦の扇原。神戸は直近の5試合ではセットプレーでの得点はPKのみ
連携からの得点も素晴らしいが、連戦となる中で手数をかけずに、いかに効率よく点を取れるかも重要だ

札幌、名古屋、川崎F、横浜FMと4試合連続でセットプレーからの失点もあった。直近の2試合はクリーンシートだが、セレッソ大阪には精度の高いキッカーもいるのでこの点を意識してケアをしていきたい

一方のセレッソ大阪は特に前半、こうしたセットプレーからも確実に点を取りたい
アウェイ戦で最後に勝利したのは5月の福岡戦。この試合もフェルナンデスのCKから田中に合わせて追加点を奪いリードを広げた一戦だった

今季セットプレーで得点をした試合は12試合で4勝6分2敗と勝ち越している
ただ、直近の5試合は京都戦のPKでの1得点のみ
PK以外のセットプレーは19節の磐田戦が最後になっている
また、直近リーグ戦5試合で13失点の内セットプレーでの失点は前節のPKでの1失点のみ
最後にPK以外のセットプレーで失点したのは21節の名古屋戦が最後となる
セットプレーでの守備は一定の成果は出ている中で、攻撃面での結果と、神戸相手にしっかりと守り切りながら流れをつくっていきたい

セレッソ大阪は1試合少ない状態ではあるが、まず勝利をして悪い流れを断ち切りたい
ホームの神戸は今季2度目の3連勝を。何よりホームでの連勝を飾り、ACLに良い状態で向かいたい

今節は金Jが3試合(川崎対鳥栖、横浜FM対京都)といずれも負けられない大切な一戦が続く

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