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伝統の関関戦とマスメディアの対応(2018年5月26日~27日)

先週末はEXPO FLASH FIELDにて関西学生アメフトのDIV1で今シーズン戦う8チームが激突しました。

春の集大成の1つに数えられるDIV1同士の一戦はお天気にも恵まれ多くのお客さんがEXPO FLASH FIELDに駆けつけてくれました。

試合結果と今後の展望

神戸大学  24-7 甲南大学
立命館大学 28-0 京都大学
龍谷大学  3-14 近畿大学
関西大学  16-27 関西学院大学

結果は上記の通りです。今シーズンから2年ぶりに復帰した神戸大学と3年ぶりに復帰した近畿大学を加えてこの8チームで秋季リーグは戦われます。

甲南大学はオフェンスにやや苦しんだかなという印象でした。特に地上戦で得意のランプレーをなかなか出させてもらえず、秋に課題を感じる一戦になりました。

一方の神戸は、ランパスともに確実に決めて勝利。得点後すぐに返された点を除けば細かいミスはあったものの冷静に試合運びができていたように思います。特に甲南のDB陣のスキを上手くつきオフェンスコールがされていたように思います。

立命館と京都大学は立命館RB立川の活躍が目立ちました。しかしながらパスの獲得ヤードは119ヤードに留まっていたので、リーグ連覇を狙う立命にとっては秋に向けての課題を感じた一戦かもしれません。

京都大学は主力選手が抜けた中、得点こそできませんでしたが守備面では激しいタックルを行い前進を阻みました。ただこちらもランプレーがあまり出ず、特に上位チームとの地上戦に向けてチームとしてどんなオフェンスが必要かという点でも今後に注目です。

2日目の近大対龍谷の一戦は前半は膠着状態。しかしながら暑さもあってか龍谷のDL陣に疲れが出てからの近大の試合運びは見事でした。キッキングチームの活躍もあり、後半で14点を獲得し勝利。前半とは別人のチームに変わった近畿大学は秋の成長も楽しみです。

一方の龍谷は前半は自分たちのペースで試合を進めるも、要所でTDを奪えず後半は良いところをなかなか出せずに終わりました。秋に向けてチームとしてどんな修正をしてくるか?チームとしての方向性が試されそうです。

伝統の関関戦(関西大学体育会と関西学院大学体育会が、良きライバルとして対戦し、親睦を深める「総合関関戦(関関戦)」は、1978年に始まり、2018年で41回目の開催)は3,000名のお客さんが集まりました。そして試合も白熱の一戦でした。関大が先制すれば、関学もすぐに取り返す。特に前半は関大のライン陣が関学を抑え込み、攻守ともに優位性を持って試合を運びました。

しかしここは経験豊富な関学は徐々に修正を行います。後半からはケガで3週間ぶりの復帰となったQB奥野もQBとして出場し、パスを中心に逆転に貢献します。

関大は三和の52ヤードのFGを見ることができるなど、大学アメフトの中でも本当に高いレベルの一戦を見ることができました。

結果は16-27で関学が勝利しましたが、TFPのキック等終盤に精彩を欠かなければ同点で試合が終了していてもおかしくないそんな一戦でした。

試合は全てアメフトライブで無料視聴ができます。まだ視聴できていない方がいれば是非ご覧ください。

http://amefootlive.jp/kcafl

多くのマスコミが詰めかけた一戦

昨今の悪質タックル問題で世間から注目を浴びているアメリカンフットボール。今回はその問題でケガを負った選手の復帰戦でもあり、多くのマスコミが詰めかけていました。

正直なところそれ自体に苦言を呈すつもりはありません。どんな形であれ、アメリカンフットボールが注目を浴びることで良い側面があるからです。現にこの週末のお客さんの数は昨年と比較しても非常に多くのお客さんが来てくれていました。

悲しい気持ちになったのは両チームのエール交換が行われている際の動きです。もちろんインタビュー等も必要でしょう。それがお仕事ですから。ただ、素晴らしい試合の健闘をたたえ合っている際に、フィールドに入り取材(取材準備)をしている姿には少し残念な気持ちになりました。

また脚立等もフィールドの中にあり、芝の影響等も感じずはいられませんでした。

今回の問題だけでなく、この日は素晴らしいプレーが非常に多かったのも事実です。三輪の52ヤードFG等は早々に大学アメフトでお目にかかれるプレーではありません。

高い技術を試合で出すことができるのは日々の積み重ねと、監督・コーチ・選手たちが目的をもって取り組むことができているからだと思います。

現在の問題点という切り口だけでなく、これを機にアメフトを含むスポーツ界に対する見方や、考え方の提示がなされることを考えていく必要があるのではないかと思います。

ただ、多くのお客さんが集まってくれた事実と、面白かった試合がこの週末に行われた。このこと自体が非常にプラスなことかと思います。秋に向けてまたアメフト界自体に変化はあるかもしれませんが、競技に関わる人。そして応援する人。全ての人が自分たちの関わり方を考える、良いタイミングなのかもしれません。

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能政夕介(nose yuusuke)
サポートいただいた内容は今後の記事や取材等に充てさせていただきます。少しでも良い内容をお届けできるようにしていきます。