クラシック戦線異常なし2022〜2022年日本ダービー②振り返り編〜

 日本ダービー。
 2:21.9の決着。
 スタンドからは、抑え切れないように、禁止されているコールが鳴り響く。
 7,522頭の頂点に立った勝者はドウデュース。
 鞍上はレジェンド武豊。
 どの馬も速く、どの馬も強く、どの馬も懸命に走り、どの馬も美しいその姿をターフの上に描き出しました。
 それが、日本ダービー。

 というわけで、去る5/29に東京競馬場で行われました第89回日本ダービーの振り返りです。
 結果は、
1着:ドウデュース(武豊)
2着:イクイノックス(C・ルメール)
3着:アスクビクターモア(田辺裕信)
 となりました。

 予想は
 ◎:ダノンベルーガ
 ○:イクイノックス
 ▲:ドウデュース
 △:オニャンコポン、ジオグリフ
 ×:プラダリア
 ☆:アスクワイルドモア
 で、馬券は本命ダノンベルーガと3冠への期待ジオグリフを軸にした三連複だったので、まぁ、外しましたよね……というところなんですが、良いレースを見られたので、実質プラスです。……いや、まじで府中は相性悪いですわ……。

 と、気を取り直してレース展開です。
 スタート前、パドックや返し馬の段階で、すでにダノンベルーガのテンションが高かったり汗をかいていたりと、これはちょっと厳しいかもな……という感じで。素人の自分が見てもそうだったので、その道のプロの目からすると、相当厳しく見えていたんだろうなぁ、と。
 そんな不安もありつつ、先週のようなトラブルも特にはなくスタート。
 まず先手に立ったのはデシエルト、2番手にはアスクビクターモアがつけます。
 外枠に集まった有力馬も良いスタートを切ります。
 注目ポイントとしては、ダノンベルーガの外にピッタリとジオグリフ(福永祐一)がついたところ。距離の不安、天候による喉鳴りの不安のあるジオグリフ・福永祐一ジョッキーとしては、実力上位で調教の様子も良かったダノンベルーガをマークして、自由に動かさないようにして、そこから生まれるチャンスに賭けたのかもしれません。
 ただ、ここで、そのダノンベルーガ、ジオグリフの後ろに入ったドウデュースにとっては、良い壁になって折り合いがつけやすくなることに。ドウデュース(武豊)としては、前のダノンベルーガ、ジオグリフが動いたらそれについて行けば遅れることもないし、最後の直線で前2頭をかわして行けば……という戦略も立てられるところで、狙ったような好位置となりました。──この、後ろ目からの直線で差し込む競馬というのは、あれですよね、皐月賞でもやった競馬ですよね。それで行けるという手応えを得ていたのでしょうか。それまで、中位につけて最後差しきった朝日杯FSやアスクビクターモアの2着となった弥生賞などから変えてきているところで、それはダービーを見据えてのことだったのか、それとも、さらにその先──秋のフランス、パリを見据えているのか……と言ったら考えすぎですかね。
 で、もう、その位置についたら、あとは必要な場所で、必要な力を出すだけ。という感じで、見事最後の直線を抜け出し、1着入線という結果になりました。

 イクイノックスは上がり最速33.6でクビ差まで迫りましたが、残念ながら皐月賞に続いて2着。勝ってもおかしくはない競馬だったと思いますが、今回は勝った馬が強かった。しかし、後方一気に伸びてくる競馬は見てみて爽快、気持ち良いものがあるので、どこかG1での勝利を見られる日を楽しみにしています。

 3着アスクビクターモアは、ごめんなさい、完全に見落としていた!
 思い返してみれば、皐月賞で逃げて4角まで先頭を走り、最後残って5着掲示板を確保しているし、弥生賞の勝ち馬でもあるし、もっとちゃんと評価して印つけておくべきだったと、後から反省です。
 先頭を走らされた感のあった皐月賞とは違い、今回は先頭をデシエルトに走らせて、自分は2番手の位置をキープして、4コーナー抜けて直線よーいどん、でも長い脚を使って3着という結果は、ほんと、なんでこの馬に印をつけなかったのか……という反省しか出てこないような強い3着だったと思います。いや、この結果は秋の菊花賞とかが今から楽しみになる感じです。

 そして、残念ながら最後惜しくもクビ差届かず4着となったダノンベルーガ。
 スタート前の不安な感じからすると、なんとかここまできたかな……というところ。
 暑さとかスタンドいっぱいの観客とか、横を走るジオグリフのプレッシャーとか、まぁ色々あってもう大変だったと思いますが、それでもここまで運んできたというのは、やっぱり実力としては上位だったんだなぁ、というのを実感です。ifというのがないことはわかってますが、もし、仮に、当日の気温があと3度低ければ……とか思ってしまうのは、新馬戦、共同通信杯とこの馬の強さに惚れたからですね。

 あと見ていくと、ジオグリフは3冠に向けての期待はあったものの、やはり、ちょっと条件が悪かったかな、と。ただ、今回の7着で満足するような馬でも騎手でもないと思うので、秋のG1でまた掲示板を賑わせてくれるのではないかと期待しています。

 というわけで、日本ダービーの振り返りでした。
 いやぁ、予想でも書きましたが、終わってみてもさらに実感。やっぱりダービーって特別なんですねぇ。賭ける思いが強いから、レースが激しく、面白いものになる。そんなレースを勝ちたいと思うから、だから、さらに思いは強くなる。その思いと思いが鎬を削り、さらにレースを輝かせる。
 そんな象徴が、日本ダービーなんだな、と。

 さて、今度は来年のダービーを目指す若駒たちが、競馬場へやってきます。
 新馬戦が始まります。
 来年のダービへの戦いが、始まります。
 どの馬が次のHeroとなるのか、今から楽しみですね。

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