コンビニで俺の心が締め付けられた話
先日コンビニで買い物をした時の話。
俺がレジにアルコールやらを持って精算しよ〜としたら、ほぼ同時に若い男性もそのレジにやって来た。
二十歳前後くらいのその若者はサラサラの黒髪で体型はやや細見。マスクをしているものの、切れ長の目と鼻筋の通ったその顔は間違いなく端正な顔立ちであろ〜と思われ「あ、この子はいわゆる塩顔イケメンだな」と俺に瞬時に思わせる容姿をしていた。
そのイケメンくんと俺はほぼ同時にレジで商品を精算しよ〜としたわけである。
で、ホント、タイミング的にはほぼ同時だったのだが、そのイケメンくんはなんとその時すぐに、マスク越しにちょっぴりはにかみながらもスマートかつちょっぴり可愛らしいジェスチャー付きで「あ、どうぞ。」と言い、俺に先にレジ精算をするよ〜譲ってくれたのだ。
その時、俺は
はっきり言ってキュンとした。
もちろん俺は、ちゃんとした大人のジェントルマンとしてきちんとそのイケメンくんに「ありがとうございます。」と紳士的にお礼を述べた。当然に。ええ、ええ。もちろん当然に。若者に己の恥ずかしい姿を見せてはならない。恥ずかしい行いをしないちゃんとしたジェントルマンとして俺は当然にお礼を述べた。で、その時の、その時の俺の心境について大事なことだからもう一度言うのだが、
はっきり言ってキュンとした。
俺がうら若き乙女なら間違いなく恋に落ちていたであろ〜と思われる。
問答無用で【fall in love】だろう。俺がなんかのアニメのヒロインならきっと新しい恋の物語がスタートしていた。
でも俺はそこら辺にいるちゃんとしたただの変なイカれた普通〜の怪しい色メガネをかけた真っ当なオジサンなので流石に恋に落ちることはなかったのだが、それでも、
はっきり言ってキュンとした。
そして、なんだか己がそのイケメンくんにキュンとしてることが妙〜に恥ずかしくなった。
己の存在自体そのものがもの凄く恥ずかし〜もののよ〜に思えた。
俺はそのイケメンくんの前でとってもとってもとってもとっても恥ずかしい存在だった。
恥ずかしい存在だった。
恥ず存だった。
恥ず存プレイだった。
そう。俺は恥ず恥ずだった。
でも心地良い恥ず恥ずだった。
非常〜に心地良い恥ず恥ずだった。
ハッピー恥ず恥ずだった。
ピッピー恥ず恥ずだった(※俺は嫁さんに現在ピッピと呼ばれている)。
恥ず恥ず恥ず恥ず✨
キュン恥ずキュン恥ず✨
そして、その晩に飲んだレモン酎ハイの爽やかな酸味は俺の精神を更に恥ず恥ずにしたのだった。
ピッピーレモン恥ず恥ずにしたのだった。
そんなお話。
『 春の海 終日のたり のたりかな 』
与謝蕪村