「進撃の巨人」で1番好きな登場人物「テオ・マガト」の魅力について
10周年を迎えた「進撃の巨人」。
最新巻の29巻では登場人物の様々な思惑が交錯し各陣営が入り乱れての戦いとなり、いよいよ大詰といったことろである。かなりアツい展開だ。
進撃の巨人はストーリーがまず抜群に面白く、また、魅力的なキャラクターが数多く登場する漫画である。
主人公のエレンやその幼馴染のミカサやアルミン、そして、リヴァイやジーク辺りの主要キャラは勿論、その他多くの登場人物が本当に魅力的である。その1人1人についてアツく記事を書きたいところなのだが、そうすると数十人について書かなければならないことになるので、今回は1番好きな登場人物である「テオ・マガト」について書かせて頂く。
マガトは俺のような中年男性にとっての「進撃の巨人ワールド」における中年の星なのだ。若者が多い主要キャラに引けを取らないとても魅力的なキャラクターなのである。
以下俺の駄文にお付き合い頂ければ有難い。
テオ・マガトは軍人である。それも極めて有能な軍人である。
そのビジュアルは瞳孔が開きぎみなのか今一つ目の焦点が分かりづらい人間ではあるのだが、とても良い仕事をするのだ。
ここがまず彼の魅力の一つである。
どうして彼は有能な軍人であるのか。
それは彼が冷静沈着で深謀遠慮なリアリストだからであろう。リアリストであるが故にものごとのプライオリティが常に明確かつ的確なのだ。
何らかのイデオロギーに傾倒しているような人間ではこうはいかない。イデオロギーを思考の軸にして優先順位を決めてしまうからだ。
一方、リアリストであるマガトは現状を可能な限り正確に把握し、ミッションを遂行する為に必要な状況整理と優先順位の識別が素早く的確なのである。
その良い例が、彼が最初に登場したシーンである。
「スラバ要塞攻略戦」でガビの国際法違反ギリギリの作戦を認め窮地を脱したときなどは、マガトのリアリストとしてのプライオリティの識別及び決定の見事さが表れている。
単に軍の規律等に厳格なだけの指揮官では成し遂げなかったであろう。リアリストならではの戦果と言って良い。
そして、マガトは他のマーレ人と比較してエルディア人に対する差別意識が少ないのである。
マガトもエルディア人に対する差別意識がないわけではないと思われるが、他のマーレ人よりもはるかに少ない。この辺りもマガトの魅力であると言っていい。
差別意識が他のマーレ人より相対的に低い理由は、彼のもともとの性格からなのか、または彼が置かれている立場から起因するものなのか、そういった理由は何とも分かり難いのではあるが、間違いなく他のマーレ人よりエルディア人に対する差別意識は低い。
「エルディア人は悪魔の末裔」という「物語」を殊更に意識している様子も見られない。ヴィリー・タイバーとの会話では自分自身を「悪魔」と呼ぶくらいである。
リアリストである為に不必要な差別感情は持たないのであろうと思われる。
彼はエルディア人戦士隊の隊長として最前線でエルディア人を率いており、また、能力の高いエルディア人を選抜し育成する立場である為、一般的なマーレ人のようにむやみやたらとエルディア人を差別しヘイトスピーチを投げつけたりすることはしないのである。
訓練中の戦士候補生達を罵倒するシーンはあるが、あれは候補生達を発奮させる為にしているのであろう。
彼にとってエルディア人はミッションを遂行する為に必要な大事な部下であり仲間なのだ。
そして、自分が目をかけて育て上げた仲間なので、とても大切に思っているのだ。
そして、ここがまた彼の魅力でもある。
一見かなり無愛想に見える指揮官でありながら、時折見せる仲間への情。その情により彼が単に冷酷無比な人間ではないことが分かる。
マガトは冷静沈着なリアリストで有能な軍人であるが、人間味のある情を見せることがあるのだ。
こういった指揮官は部下から信頼されるのだ。
いくらスキルが高い人間であっても、部下を単なる駒としか捉えていない指揮官であれば部下から信頼されることはない。
以下はマガトの部下への情を感じるシーンの一部である。
マガトはヴィリーから軍の元帥を託され、マーレが誇るかつての英雄ヘーロスの役割を求められている。
それ故か、彼は功名心が強いところがあるのだが(1番槍へのこだわりや英雄ヘーロスに己を投影しようとしている辺りに功名心の強さが見られる)、それでも物語を通しての彼の活躍を見る限りは、総じて冷静沈着で深謀遠慮なリアリストであり、また、仲間への情がある指揮官でもあると評価して良いだろうと思う。
いやいや、カッコいいでないのマガトさん。何だか、マガトがカッコいいって言うこと自体が何となくツウっぽくて良さげだし(笑)
とにかく俺のような中年男性には色々とササるキャラクターである。
ま、俺は彼のように冷静沈着ではなく、わりとあたふたすることがちょいちょいあるのだけど…
因みに、最新巻の29巻では、マガトがジークにドエライ一撃をぶっ込むも「ッ…斜角が取れない!! 移動だ!! 急げ!!」と、のたまいアツい展開のまま終わるのだが、果たしてホントにどうなるのだろう?
いや~
気になるわ
たまらんわ