全身性エリテマトーデス① 112AM94
正解 2
解説
全身性エリテマトーデス(SLE)は、自己免疫疾患の一種で、免疫系が自分の体を攻撃してしまうことで、さまざまな臓器に炎症や障害を引き起こします。SLEの症状は患者さんによって異なりますが、一般的には発熱、全身倦怠感、関節痛、皮膚の紅斑などがみられます。
Aさんの場合、顔面の紅斑、微熱、全身倦怠感および手指の関節痛がSLEの典型的な症状です。
心電図や胸部エックス線写真では異常所見がないことから、心膜炎は否定的です。
血液検査では赤血球やヘモグロビンが低下しており、直接クームス試験が陽性であることから、溶血性貧血が起こっている可能性が高いです。溶血性貧血はSLEの合併症の一つで、赤血球に対する自己抗体が作られて赤血球が壊されることで起こります。
尿検査では尿蛋白や尿潜血が出ていないことから、ループス腎炎は合併していないと考えられます。ループス腎炎はSLEの重要な臓器障害の一つで、免疫複合体が腎臓に沈着して糸球体腎炎を引き起こします。
神経学的検査では異常所見がないことから、中枢神経ループスは生じていないと考えられます。
以上のことから、Aさんに生じている可能性が高いのは「2.溶血性貧血(hemolyticanemia)」です。