初期のコピー能力、上方向に対して弱すぎ説
元ツイを見失ったので、なんでそんな話になって、誰がそう言ってたのか忘れたが、とにかく「Wii以前のコピー能力、上方向に対する攻撃方法が全然ない」という趣旨のことをフォロワーが言ってた気がするのを急に思い出したので検証する。
検証方法だが、まず↑+Bで発動する技の有無を記し、その後他の技の対空性能検証という形で紐解いていく。ジャンプすれば真上を攻撃できるのは当たり前なので、地上攻撃に限定する。また、USDXはリメイクなので、コマンドの変化の時系列としては基本考えないこととする。加えて、発端の話の文脈が2Dカービィの話なので、3Dカービィは考慮しない。
では、順に見て行こう。
夢の泉初登場
01.ビーム - ↑+Bなし、ビームウィップは若干上にも広いが、真上はキツい。
02.スパーク - ↑+BのサンダーボルトがWiiで追加。元から基本攻撃が周囲なので真上もカバー。
03.ファイア - ↑+Bなし、火の方向は変えられるが、真上には届かない。火だるまぢごくは周囲だが、手間あり。
04.カッター - 鏡以降はB+↑↓で操作が可能。上にも飛ばせるが、即座に真上という感じではなく斜め上のニュアンスが強い。
05.クラッシュ - それ以前の問題
06.ソード - 鏡でファイナルソード、Wiiで切り上げスラッシュが追加。また、USDXではソードナイトの「特殊技」として上つきが登場。上攻撃は特別価値として見られている。
07.バーニング、08.フリーズ - コマンド式にいたことがない。フリーズは周囲攻撃。
09.ニードル - Wiiでチックもどき追加、基本攻撃が周囲
10.パラソル - ↑+Bはないが、常時真上に攻撃している。
11.トルネイド - Wiiでとっぷうふきあげ追加。基本攻撃が全身なのでまあ周囲。
12.ホイール - ↑+Bなし。TDXでターンジャンプに無敵がつき、空中相手もマシに。
13.ストーン - Wiiでアッパーカット追加。
14.マイク - それ以前
15.レーザー - チャージしかコマンドもらったことない
16.スリープ - それ以前
17.ハイジャンプ - 存在が真上攻撃なので↑+Bはない
18.アイス - ↑+Bなし。フリーズを内包しているので周囲攻撃はある。
19.バックドロップ - 掴んだ後に上投げがあるといえばある。
20.ハンマー - SDX時点で↑+Bで鬼殺しがある。作品によっては真上もカバー可能。しかし、出が遅いのでパっと出せる真上攻撃という印象ではない。
21.ライト - …
22.ユーフォー - 地上攻撃の概念はないが考えておこう。真横攻撃が主で、チェーンビームで補っていたが、スターバリアが参ドロで導入されてマシに。
23.ボール - 飛び跳ねて攻撃するのでそりゃ真上にも攻撃できるが、癖強め
24.スロウ - 真上には投げられず、斜め上
SDX~参ドロ
25.ボム - フラグシップやWii以降は↑+Bで即座に上に爆弾を投げられる。SDXではボタン長押しで上に投げられるが、真上に投げるには最大まで押し続けることに。
26.ファイター - ライジンブレイク。自分ごと上に上がっていくので、半分地上攻撃ではない?
27.ミラー - ロボプラでミラーぶんしん・天が追加。一応ミラーぶんしんを上手く空中でだせば上にも攻撃できる。
28.コック - それ以前と見せかけて、スタアラでコックカワサキが使う場合のみうえおたまが可能。
29.ニンジャ - ↑+Bはないが、参ドロでは爆炎(爆水)の術、Wii以降はみだれ花ふぶきで上への対処は可能。いづなおとしも上に強いといえば強いけど相手依存。
30.プラズマ - スタアラで4段階の↑+B技を入手。プラズマバリアも周囲攻撃といえば周囲攻撃か。
31.ヨーヨー - 上なぎヨーヨーが初期搭載。初期搭載で、スッと出て地上攻撃で真上を攻撃できる、まさにこの記事が↑+Bに期待する技性能。加えて↓↑+Bの代名詞、ゲイザースパイラルも持つ。
32.スープレックス - 掴んだ後に上に投げられるその2
33.ウィング - Wii以降は↑+Bでフェザーねらいうちができるが、まあ真上ではない。そもそも空中前提といえばそう?
34.コピー - それ以前
35.ジェット - ロボプラでとんぼがえりが追加。いかにもな真上攻撃。
36.ペイント - それ以前
37.クリーン - スタアラでは↑+Bでピッチクリーンが出るが真上攻撃ではない。
38.エンジェル - 真上ではないが矢の向きを変えることはできる。
39.ミサイル - 地上攻撃の概念がまずない。
40.スマブラ - ファイナルカッター
41.マジック - 参ドロで一発系でなくなると同時にハットトリック(ビックリ箱)が追加。
42.ミニマム - …
43.バルーン - 外伝しかいないからそれ以前
44.アニマル - なし
45.メタル - 存在がそれ以前
46.バブル - 泡の方向調整はあるが、斜め上。
47.ゴースト - 存在がそれ以前。
Wii以降
48.リーフ - アッパーリーフ
49.ウィップ - 天じょううち、パラダイスタイフーンもある。
50.ウォーター - かんけつせん、レインボーレインも。
51.スピア - 天空つき、スピアコプターも上と言えば上。
52.ベル - ↑+Bはないが、ディン・フィナーレが若干真上もカバー
53.ビートル - スパイラルホーン
54.スナイパー - スカイショットおよびスカイショットシャワー
55.サーカス - バトン、ファイアーバトン。トランポリンもある
56.ドクター - やくざいふんむ、かがくけんきゅうしょも上攻撃
57.エスパー - ↑+Bこそないが、そもそも自在に動かせる電気弾を使うので当然真上もカバー
58.ポイズン - どくどくバベル
59.フェスティバル - それ以前
60.アーティスト - カビファイ2で天じょうがスラッシュ、一応スカルプチャーの彫刻作る段階も上に攻撃判定がありはする
61.スパイダー - 天をつく糸
62.スティック - たかたかぼう、たけとんぼうもある
63.レスラー - つかみ高とび
67.サンド - デザートストーム、デザートハリケーン。加えてサンドかんけつせん、サンドキャッスルも上攻撃
68.アーマー - うちあげファイア。メラバリッカバーストも上をカバー可能。
おまけ・ドリフレ類
バンダナ - 天空つき、ワドコプターもある
デデデ - 鬼ごろし
メタ - 上つき。シャトルもあるよ
陸海空 - ↑+Bはない。クーで空中の敵はどうにかするコンセプトだから?
マルク - たまけりで上にもボールを蹴れる、ボム+ウィングなので後者に空中戦を任せている?
グーイ - グーイパラソル。かくさんダークレーザーも上成分。
アドリボ - フェアリーダンス
ダークメタナイト - ミラーズウォール(ほぼ上つき)
ドロッチェ - ドロッチェボム。真上攻撃とは言い難い。
マホロア - キルニードル(スタアラ)、まりょくきゅう・天(WiiDX)、スタアラではウルトラソードも上をカバー
タランザ - いとしのワールドツリー、真上攻撃よりは縦長の設置技というニュアンスが強い?
スージー - ↑+Bなし。真上攻撃そのものも乏しいかも。
三魔官 - キスカ・アッパー、バーストジャンプ、ライトニングレモネイドとそれぞれ形は違えど↑+Bはある
総評
明らかにWii以降初登場の能力は↑+Bの技の初期搭載率が高い。後から↑+Bの技がついた能力も、Wii以降で追加されることがほとんどである。
理由があるとすれば、そもそも飛べるカービィが主人公なので、空中の敵は飛んで対処する意図と考えられるだろうか。コマンド式の最初、SDXから↑+Bを持っていたのはハンマー、ファイター、ヨーヨー。鬼ごろしは上攻撃というより、高火力攻撃という立場が強い。ライジンブレイクは無敵時間もあるとはいえ、体ごと動くので事故が起きやすい(筆者のイメージです)。
その中で、ヨーヨーは上なぎヨーヨーというスッと地上で出せる真上攻撃を特徴として持っていたと言えるだろう。
しかし、今まで見た通りWii以降明らかに上攻撃の方法が増えている。これは何故か、明言はされていないが、推測はできる。
前提として、カービィWiiは久々の据え置き本編。Wiiが出てからはそこそこ経っているので、これのためにWiiを買った人がどれほどいたかは分からない。カービィ勢として捉えてもスマブラ・毛糸・VCで買っていた可能性は十分ある。
しかし、だからといってこれで初めてカービィ、ひいてはゲームに触れる層も取りこぼさないのがカービィシリーズの思想ではあると考えられる。手心システムの導入もWiiからだ。
ボス戦でお馴染みのスペシャルページは、今でこそまず読むものになり、だからこそディスカバリーでは形式が変更された。しかし、当初は誰もが読むものではないからこそ、ポーズ画面に小ネタとして配置された経緯がある。
これと同じで、コピー能力の技コマンドも誰もが読むとは限らない。そもそも書いてあることに気づいていないケースもあるだろう。思ってみればポーズ画面と操作方法の確認画面があの形で一体化しているアクションゲームを筆者はカービィシリーズくらいしか知らない(他にないことはないと思う)。
つまり、コマンドの存在に気づかない可能性もある。コマンドの説明がないディスカバリーをよゐこのお二人がプレイしていた時は、Bだけで繰り出せる技でほぼ話が進んでいた。
しかし、コマンドに気づかずとも上に攻撃したいので↑+Bを入力する可能性は十分あるだろう。その時にちゃんと上を攻撃できる技が出るのは頼もしいことである。
記事冒頭でジャンプすれば上は攻撃できる、という話をした。しかし、ジャンプは移動を必然的に伴うので、慣れないうちは敵にぶつかってしまうこともあるだろうし、そのために方向入力を交えるとなればさらに操作は複雑になる。しかも実際の攻撃にはさらに「攻撃」の入力も必要になる。合計3ボタンの操作が求められるのだ。
言うほど複雑か?とゲームに慣れていると思ってしまうかもしれないが、トピックスが登場する前に任天堂が更新していたニンテンドーキッズスペースでは、マリオのダッシュジャンプについて、ダッシュ、十字入力、ジャンプを全て同時に行うのは初心者には難しいという旨のことが書かれており、そのため『Newマリオ』以降本編はダッシュをせずともクリアできるようになっているとされる。(参考:https://www.nintendo.co.jp/kids/151209/supermariomaker/)
そう言った複雑さを排除するべく、Wiiで一新する機会に↑+B技が大量追加された……のかもしれない。
そう考えるとゲイザースパイラルのコマンド技も近年増えたのは、↑+Bよりも複雑なコマンド入力に対するリターンとしての設定とも考えられる。
※全て筆者の想像です。開発上の真実は開発チームしか知りません。