The dogs on the Beach.
「LOVE」とか「SUMMER」とか。
簡単な英単語がどデカくあしらわらている服の良さがわからなかった。
それが例え 「CELINE 」でも 「HERMES 」でも、読めるロゴはなんか恥ずかしい。
長年に渡り、私はそう思っていた。
しかし、最近はちょっと考えが変わった。
言葉の持つパワーで元気が出るなら、デカいロゴでも問題ない。
そんな考えが、今は頭の片隅にある。
元気の出る単語選手権
好きなお店のファミリーセールへ行った時、「Vacation」とデカデカと描かれたバッグが売られており、その抜群に浮かれた言葉の魅力に圧倒されてしまった。
◆Vacation
なんて良い単語だろう。
口にすると最後必ず口角が上がる。声に出そうものならスペインの渇いた夏の風を頬に感じる。アンダルシア地方の白い街並み、庭先に咲くマゼンダ色のブーゲンビリア。
俺の共感性をあなどらないで欲しい。
一つの単語で行ったことのないスペインの風まで感じることが出来る、この柔らかな感性を。
◆東京サマーランド
SUMMER、バーケーション、BBQ、Hawaii 、サーフィン、ビーチ、熱帯夜、など、夏を連想させる単語は基本的に強い。どいつもこいつも浮かれたmoodを引っ提げており、元気が出る。
中でも「東京サマーランド」はとりわけ強い。
一度も行ったことがない。10代20代で東京サマーランドに行かなかったら、多分この先一生行かない。というか、行けない。
「東京サマーランド」の語彙の持つパワーは「ネバーランド」に近い。
こんなに近くて、ハワイより遠い。
◆好きなもの詰め込み系
箱庭療法に近いが、自分の好きなものを、文字にして並べるとかなり幸福になる。
例えば、
「リュックサックいっぱいのカプリコーン」
「ユニコーンに乗った跡部景吾と馬上テニス」
「無限日向ぼっこ」
「毎月口座に五億円(非課税)」
「アイスクリーム一年分無料」
とかである。
もう書いててしっかり元気が出ている。
すごい。オロポなんて比ではない。
世界で一番美味いのは、オロポでもビールでもなく【自分の脳汁】である。
そして、好きなもの詰め込み系の中で一番好きなのは、The dog on the beach.
「犬が砂浜にいます。」
こんなの、絶対幸せだもん……。
このロゴの服作ろうかな。
めちゃくちゃ世界を幸せにするぜ。