現場実状に合わせた自動装置の改善
【改善】
トンネル内を走行するバッテリーカーには、IDチップを携帯している人が接近すると警報(搭載されている回転灯とブザー)が作動する「IDガードマン」という機器が設置されていた。
ところが切羽付近の作業員にチップを携帯させると、バッテリーカー近くで材料運搬等の作業中も警報が鳴り続けるため、現実的には使用しにくかった。
そこで、切羽から約60m手前の支保工にIDチップを取り付け、
バッテリーカーが切羽方向に進入すると、IDチップの10m手前から警報が作動し切羽が接近を運転手に知らせるようにした。その後運転手は「前方の再確認(人の有無)」「クラクション合図」「バッテリーカーの徐行運転」を行い、誘導員が指示を出す位置まで運行する手順とした。
【効果】
日頃から安全に運転はしてもらっているが、万が一考え事をしたり集中力が低下してしまった時等には、切羽の手前で警報により再度安全確認を促す事が出来る。
一人一人がIDチップを携帯する煩わしさもなく、坑内のIDチップを一個移動するだけでよいので手間もかからない。
【参考】
せっかくの有効なシステムも現場の実情に合わない場合がある。それで放棄せず、知恵を絞って現場に合った効果的な安全管理手法を生み出した意欲と発想に優れた改善事例。
使用が形骸化されている安全用品があったら、このような発想で異なる使い方を模索すべきでは。