面影よりも、今が大切。
右腕に杖を持つ。腰が少し曲がっている。
上半身は前傾で、杖を持っている右方向に傾きがある。
足元はヨチヨチだ。歩き方は太ももがの上がりが悪いため、つま先が上がらない。少しの段差でつまずきそうだ。
いとこのおじさんは、パーキンソン病だ。
病気になる前は電気工事の現場でバリバリに仕事をしていた。会社の代表と現場を兼任し、朝から晩まで仕事をしていた。現場主義の仕事に厳しい人だった。肉体労働をしていた人間なので、ガタイもよく身長も体重もあった。
パーキンソン病になったとは聞いていた。実際に会ったのは話を聞いてから数年が経っていた。元気な時を知っているだけに、当時の面影がなくなってしまったことに、心が少し重くなった。
日常、介護施設でパーキンソン病の利用者さんを介護させてもらっている。ゆえにおじさんの病気の進み具合がある程度把握できる。だからこそ、少しの衝撃で受け止められる現状と今後の展開を予想しての突き上げる苦悩の重圧に板挟みになる。
今日の昼、一緒に外食をした。いとこのおじさんとおばさん。僕と僕の母との4人で。
食事をしながら、僕にできることは何かをぼんやりと考えていた。
おじさんは、ご飯の食べこぼしをおばさんに注意されていた。母は自分の話をしたがる。それが今の日常なのだ。
こうした光景が、別のテーブルでも或るのだろうか。或るのだろう。
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