961 PRODUCTION presents 『Re:FLAME』の感想および考察
感想
前置き
みなさま、961 PRODUCTION presents 『Re:FLAME』 お疲れ様でした。
菊地 真 ・ 萩原 雪歩 twin live “ はんげつであえたら ” に続いての2回目のMRライブということでSPからの新参者である私は大変楽しみにしておりました。
今回、幸運にも現地にて3公演とも参加させていただきました。
前回の「はんげつであえたら」も現地で参加させていただき、いわゆるクレイジーPの思想の強さに焼かれて灰になってしまった私は、今回も同レベルの思想の強さに焼かれるべく期待に胸を膨らませていました。
期待したこと
今回は「961 PRODUCTION presents」と題されている通り、今までのアイドルマスター 765 PRO ALLSTARSのライブとは異なり、ライバルプロダクションである961 PRODUCTIONが提供するライブとしての発表でした。
公式Twitter(現:X)での、社長である黒井崇男氏の告知動画を見て、961プロの公演であることを強く意識しました。
961プロと言えば、アイマスSPから登場しプロジェクトフェアリー、アイマス2ではジュピター、OFAでは玲音、ステラでは詩花、ミリシタではZWEIGLANZ、スターリットシーズンではDIAMANTというアイドル達が立ちふさがってきました。
黒井崇男氏は各ゲームシリーズを通して、アイドルとは「孤高」であるべきだとしており、「絆」を前面に押し出している765プロの高木社長とは対として描かれてます。
また、氏は勝利のためであれば卑怯だと罵られるような手段であろうと使う描写が散見されます。
それらは偏にアイドルを強く輝かせるために行っており、社長自ら営業を行うことも厭わない。
そんな961プロの提供するライブであるからには、961プロの誇る数々の名曲たちを遺憾なく披露し圧倒的なプロジェクトフェアリーのパフォーマンスで格が違うことを見せつけてもらえるものだと信じてました。
ライブ終了後
3公演目である「Re:FRAME/SUN」が終了したとき、私の心を占めていたのは強い失望だった。
それは個人的に夢想していた四条貴音がカバーする「結晶~CrystalDust~」が披露されなかったからではないし、「Melted Snow」が披露されなかったからでもない。
それは「Re:FRAME/SUN」のアンコールで披露された「Colorful Days (12 Colors)」のせいだった。
「Colorful Days」 とは
「Colorful Days」は961プロが初出したアイドルマスターSPシリーズにおけるテーマ曲である。
そしてプロジェクトフェアリーの代表楽曲である「オーバーマスター」と同時発売され、961プロと765プロでCDの売り上げ枚数を競うというキャンペーンが行われた楽曲でもある。
つまり、961の「オーバーマスター」、765の「Colorful Days」という対立構造を描いている代表曲である。
961プロのライブで絶対に披露してはいけない楽曲だと思っていたし、流れてきたときは心底萎えてしまった。
もちろん、それ以前のMCなどでも961としてやるには違和を感じる部分は多数あったし、961でやる以上切り捨てていた楽曲の披露もあったが、ここだけはどうしても受け入れることができなかった。
これを受け入れてしまったら961プロの名を冠する必要がなかったと否定することになるからだ。
「Re:MEMBER/MOON」および「Re:SIST/STAR」は満足できる内容だっただけに、失望を覚えて周囲の興奮から取り残されて現地を後にしたことは忘れられません。
考察
前述のとおり失望で帰路に就いた私ですが、あの「はんげつであえたら」を出してきたチームがそんなことも知らずに「Colorful Days」を歌唱させるわけなんてなく、秘められた思想があるのだろうと考察していきます。
紐解く鍵
今回新規に書き下ろされた楽曲「FlaME」の歌詞にヒントがありました。
また、公式Twitter(現:X)での、社長である黒井崇男氏の告知動画より
また、今回公演された3つのサブタイトルは「Re:MEMBER/MOON」、「Re:SIST/STAR」、「Re:FRAME/SUN」と、アイマスSPのバージョン「PERFECT SUN」、「MISSING MOON」、「WANDERING STAR」と紐づいます。
そのため今回の公演は連続したものではなく、パラレルワールド的に分岐していった3つの可能性をそれぞれ見せた公演だったと推測されます。
そして、そうみた場合にこの歌詞の真の意味が読み解ける気がします。
「If I were reincarnated I would find you as if fated.」
これは、「何度も何度も生まれ変わり、世界線を繰り返しても運命のようにあなた(≒765P)に出会うだろう」と解釈できます。
つまり、最後に披露した「Colorful Days」は961プロから離れ、765プロに所属したことを表現していたのだろうと思います。
どんな世界線を歩もうと、「運命」によりあなたに出会うよ。ということでしょう。
テーマ
運命と聞いてライブを聞いた方ならピンとくるでしょう。
「Re:MEMBER/MOON」のMCで「Fate of the World」を披露する前に繰り返し使われた「運命」という言葉。
「運命に導かれたら、また一緒にライブできるのかな」という美希のセリフ。
「今の自分でいること、これが運命だから」という響のセリフ。
そう、今回のライブのテーマは「961プロ」じゃなく、「どんな世界線を辿ろうともこの3人は765プロに所属してプロデューサーに出会う」なんじゃないかと思われます。
そして、それを裏付けるかのように3公演で共通して披露された楽曲は「KisS」と「Fate of the World」と「FlaME」の3曲のみ。
「どんな世界線を辿ろうともこの3人は765プロに所属してプロデューサーに出会う」のは世界の運命なんだと主張しているわけです。
つええええー、思想がつえーよ。
そしてその前提で聴いてください。
今回のために書き下ろしました???????
これ、表のテーマソングは「FlaME」ですけど、裏のテーマは絶対に「Fate of the World」でしょ。
ここから思想を高めていったでしょ。
「Re:MEMBER/MOON」「Re:SIST/STAR」の共通点「マリオネットの心」
さてテーマがある程度推測できた状態で振り返ると「Re:MEMBER/MOON」と「Re:SIST/STAR」にさらに伏線がありました。
この2公演だけ共通して「マリオネットの心」が披露されています。
そして「マリオネットの心」の歌いだしは
「消えてしまっても」ということは、もともと居る必要があります。
また、Twitter(現X)より
と、「夢」だと言っています。
これ、普通に聞いたら比喩表現の「夢のような」を隠喩として使っているものだと思ってしまいますが、これが本当に「夢」であればどうでしょうか。
つまり、実は今回のライブは複数の世界線をシミュレーションしているものの、大本は765プロに所属している状態の3人の夢ということです。
重複して披露された「風花」「DREAM」
今回のライブのセトリを見るとソロ歌唱で「風花」「DREAM」のみ重複して歌われています。
私は最初、制作上の都合で楽曲数を用意できずにいた苦肉の策なのかと思っていましたが、考察を進めていった結果、意図的なものだと気づかされました。
といった歌詞から表されるように、夢の外に、765に所属している自分に戻ろうという心の表れの表現で「風花」が歌われたのでしょう。
そして、さらに直接的に読み解けるのが「DREAM」
助けてくれ、思想の暴力だろ。
なんでこんなピッタリの曲を選曲できるんだよ。
「はんげつであえたら」の「キミはメロディ」といい、紐づけの天才すぎる。
「relations」という特異点
さて、実は重複して披露されたのは「風花」「DREAM」だけではありません。
「relations」もまた、重複して披露されているのです。
しかし、「Re:FRAME/SUN」ではフル歌唱ではなく「キミはrelations-MIX medley」として披露されたわけです。
つまり、「Re:SIST/STAR」と「Re:FRAME/SUN」の分岐点がここにあったということでしょう。
振られた女の歌であるrelationsから「キミはメロディ」に分岐することで世界線の変化を表したわけですよ。
はぁ……ここで世界線が分岐したわけですよ……。
そして「THE IDOLM@STER 2nd-mix」につながることで、今の世界線に戻ってくると。
しかも、それをステラステージでたくさん見た「キミはrelations-MIX medley」で自然につなげたわけですよ。
何年前に仕込んだんですか???できすぎでは???
そして、その証拠に961の響では歌わないであろう「Pon De Beach」を披露し、挙句の果てに「Next Life」。
運命の時計の針動き出してるよ~~~~もう961じゃなくて765だよこれ。
立て続けに「edeN」。
キミメロといいedeNといいrelationsといいinfernoはんげつと被ってる曲多いなぁとか思ってて本当にすみませんでした、許してください。
なんではんげつでピッタリだった曲が今回もピッタリなんですか?なんの魔法?
おわりに
考察したらはんげつにも劣らない強烈な思想に焼き尽くされて、文句も焼き尽くされました。infernoって感じ。
今回この記事で紹介しなかった歌の中でも随所にこの思想がこびりついていて、例を挙げると
・「そうだ!たどり着くその日まで何度もぶっ放せ!」
・「銀の弾丸込めたピストルであたしを止めてハッピーエンドにして」
・「生まれ変わり続ける 今一緒にいて欲しいんだ」
あたりは思想の塊ですね。
しかも複数の世界線が絡み合ってることの表現に、「キミはrelations-MIX medley」や「DIAMANT」、「覚醒美希」など随所にいろんなゲームの伏線がちりばめられてますね。
xRライブストリーミングの時計の演出などもこの解釈を補強するような表現ですので、ぜひ皆様もう一度見て複雑に絡み合った最高のライブを振り返ってみてください。
きっと世界は終わるから踊りに行こうぜ
水瓶座のダンスホールが僕らを待ってるから
自分が欲しかった961のライブではなかったけど、こんなに大きな愛と思想をぶつけてくれたのなら、もう満足です。
ありがとう、関係者の皆様。
でもさ、「BANG BANG」を歌う美希、「結晶~CrystalDust~」を歌う貴音、「On Sunday」を歌う響は見たかった。
アリギルでバク転する響も見たかったよ。