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Jackery ポータブル電源のバッテリ残量監視の仕組みを作ってみた

1. はじめに

我が家では、Jackery Explorer 1000 Plusと300 Plusを活用し、太陽光パネルからの電力を蓄えています。前回は発電量の計測とグラフ化について紹介しました。

今回は、ポータブル電源自体のステータスをWebAPIを通して取得し、それをグラフ化した結果をお届けします。


2. Jackery Explorer Plusシリーズのアプリ機能について

Jackery Explorer PlusシリーズはWi-FiとBluetoothを介して外部と接続でき、モバイルアプリでデバイスのステータスを確認できます。

モバイルアプリ画面例

外出先からでもアプリを通して自宅のポータブル電源の状態を確認できるのは非常に便利です。

このデータを、オンラインサーバに直接アクセスして取得できないかと試みたところ、WebAPIを通じて実際にデータを取得することができました。ということで、とりあえず「できたよ!」という内容をこの記事に書いてます。

実際にデータを取得する手法は複雑で説明が長くなるのと Pythonプログラムのコードの説明やWebAPIがどうとか、とにかく技術的にディープなので今回は省きます。そのうちまとめますのでお待ちください。興味のある方はコメントに記載いただければ、やる気が出て早く記事をまとめるかもしれないです。

3. グラフ出力例

取得したデータは ambidata.io にて公開中です。(リンク先に飛ぶとリアルタイムで収集データが見れます)

どのような情報が取得できたかを実際に紹介します。

3.1 Jackery Explorer 1000 Plus

Jackery Explorer 1000 Plus グラフ

バッテリ残量、入力電力、出力電力、充電完了時間/出力可能時間のグラフを順に紹介します。

1つ目の、バッテリ残量は直感的に理解しやすいです。

2つ目の、入力電力に関するグラフを観察すると、日光の強さに応じて形が変わる、いわば「山形」のパターンが現れます。ここで興味深いのは、グラフ上で赤い線(入力電力を示すと思われる"ip"のデータ)と、名前の付けられていないd8のデータが、互いに絡み合うように動いている点です。
 当初、赤い線が主な入力電力を示していると考えていましたが、この線は100W前後から段階的に上昇する特徴があります。これに対し、d8のデータは、入力電力の変動をより直接的に反映しているように見えます。ただし、100W以下ではd8のデータは0を示しており正確でありません。逆に100W以上では赤い線が一定時間変化しないなど正確ではなくなります。
 この点で注目したいのは、「ip」(おそらくInput Powerの略)と思われる赤い線と、「acpsp」(具体的な意味は不明)を示す茶色の線が、異なる入力源を表している可能性があることです。特に、この現象は300 Plusモデルでは見られず、1000 Plusモデルに特有のもののようです。このことから1000 Plusなどの大容量モデルでは、複数の入力源が異なる方式で電力を管理している可能性があると考えられます。

3つ目の、出力電力グラフは直感的に理解しやすく、ドライヤー使用時の電力が1000Wを超えることがはっきりと読み取れます。

4つ目の、充電完了時間と出力可能時間のグラフは、出力電力が増えると、出力可能時間が短くなるのが明確に見て取れます。こちらは取得した値が 0から999の範囲となっており、999は 99.9h を意味します。 わかりやすいように値を1/10にしてグラフにしています。

3.2 Jackery Explorer 300 Plus

Jackery Explorer 300 Plus グラフ

同じく、バッテリ残量、入力電力、出力電力、充電完了時間/出力可能時間の順でグラフが並んでいます。

バッテリ残量が 20% 付近から 100% まで増えていくのが確認できます。これは 1000 Plus から USB Type-C ケーブルで給電されたためです。

入力電力をみると90W付近で一定時間充電後、95%近くまでバッテリ残量が回復すると30W程度で充電を続け、最終的に0になっています。
このグラフでは 1000 Plus と異なり "ip" の値のみしか変化していません。入力電力が100W以下であるため、"acpsp" の値は変化しなかったのかもしれません。

出力は特に使っていない時間帯だったのでほとんど変化がありません。

充電完了時間を表すオレンジの線は充電開始からだんだんと0に向かって推移し充電完了後にケーブルを抜くと最大値にまた戻っているのが確認できます。

4. 今後の活用予定

EcoFlowのポータブル電源には、AC入力からの充電をある一定までに制限できる機能があるそうです。おそらく、太陽光発電で充電した電力が夜間に足りなくなって、バッテリ残量が20%を切ったらAC入力から充電しながら給電するようなことができるのでしょう。

残念ながら Jackeryのポータブル電源にはこのような機能がありません。(ぜひつけてほしい)
今回、バッテリ残量の値をリアルタイムで自動で取得できるようになったので、バッテリ残量を監視して、スマートコンセントと組み合わせることで近い機能を実装できるのではないかと目論んでいます。

自動給電システム概念図

具体的には Switch Bot のスマートコンセントを使って、あらかじめACケーブルを接続しておき、バッテリ残量が10%を切ったらスマートコンセントをONにして充電を開始し、20%になったらスマートコンセントをOFFにして充電を停止するということができると思います。

実現できれば、太陽光発電で充電した電気を使いつつ、足りなくなったら壁コンセントからの電力で賄うということが自動的にできるようになり、意識せずに発電と節電がスマートにできるのではないかと思います。

5. おわりに

今回は、ポータブル電源のステータス情報を取得し、それをグラフ化した結果について概要のみを紹介しました。次回の記事では、WebAPIから取得できたデータフォーマットの詳細について解説したいと思います。

それではまた

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